咸臨丸フェスティバル2007
2007年5月12日、13日に横須賀にて「第9回咸臨丸フェスティバル」が開かれました。12日は帆船パレードがあり「日本丸」「海王丸」「あこがれ」「ドーントレッダー」の四隻の帆船が帆を広げて航行しました。残念ながら私は見に行くことが出来ず、13日のセイルドリルを見に行きました。
会場は住友重工の浦賀工場。浦賀は、ペリーの黒船が来航し、勝海舟や福沢諭吉が咸臨丸に乗ってアメリカへ向け出航した所です。
13日は午前中は「日本丸」「海王丸」「あこがれ」の三隻の一般公開、午後には総帆展帆でした。他にもとても広い会場はどこも賑やかで、楽しい催しでした。
ワンデイミュージアムでは三隻の設計図や、咸臨丸の模型と歴史などの展示がありました。子供向けのおもちゃやカキ氷、各国料理の屋台や、ダンスなどのパフォーマンス、フリーマーケットもあり、ドックの底の方ではジャズコンサートも開かれていました。
もちろん横浜みなとみらいのドックヤードガーデンのような綺麗なところではなく、本物のドックでやっているところが面白かったです。写真ではわかりにくいですが、底のほうにステージとお客さんが大勢います。近隣からは愛犬を連れてきている人も多く、いろいろな種類のワンちゃんたちがいて、これもまた楽しかったです、薄茶色のハスキーにさわらせてもらいました。
昼ごろに会場についてエジプト料理の屋台で鶏肉をはさんだピタパンを食べました。スペインの屋台の人は明るくて、歌いながら生ハムを切っていました。ステージでは、バリ島のダンスをやっていました。ミュージアムを見て外に出ると、展帆が始まっていて対岸にある岸壁へ急ぎました。
展帆をはじめた「日本丸」。
屋台やイベントステージがあるのはこちら側。三隻を一度に側面から見られますが、解説のアナウンスは聞こえません。
前から「日本丸」「海王丸」「あこがれ」。帆船の手前には、タグボートがいます。
「日本丸」「海王丸」ともとても大きな帆船です。後ろにいる「あこがれ」が陰に隠れてしまいますが、三隻の帆船が帆を広げて並んだ姿は、圧巻です。
後ろからだと、「あこがれ」の縦帆も良く見えます。「海王丸」はとても大きな旗を船尾に掲げていました。
「日本丸」と「海王丸」は姉妹船でほとんど同じ形をしているので、遠くから見ると見分けがつきません。両船とも独立行政法人航海訓練所の所有で、主に学生たちを乗せて実習航海をしています。「海王丸」では一般の人も体験航海が出来るそうです。
「海王丸」は先年の台風で座礁した姿がテレビなどで報道され痛々しかったのですが、元気に復帰しています。大きな旗を掲げているのが、とても嬉しそうな表情に見えました。
12日のパレードでも、「日本丸」は総帆ではありませんでしたが、「海王丸」は総ての帆を広げて航行していたそうです。「あこがれ」は大阪市所有の帆船です。私は昨年の6月に横浜で一日体験乗船をして、ミズンマスト(後ろのマスト)に登らせてもらいました。当日は時間も短く、帆も少ししか広げなかったので、今回、帆を広げた姿が見られるのを楽しみにしていました。
縦帆なので、正面から見るとマストと重なって、広げた帆があまり見えないんですね。写真は横から撮った姿が多いので、実際に見てみてわかる、新しい発見でした。
この写真ではわかりにくいですが、ほとんど同じ位置に停泊していて、ヤード(横桁)の角度もほぼ同じに見えるのに、向こうの「日本丸」の帆は風にばたついていて、手前の「海王丸」の帆はほとんどまっすぐです。国旗もなびいていません。とても不思議。風をつかまえると言いますが、本当にこんなに微妙なところで違いがあるんですね。
「日本丸」と「海王丸」はどちらも二世です。初代「日本丸」は横浜みなとみらいに、初代「海王丸」は富山県射水市の海王丸パークにいます。
本日の2隻は、厳重にもやってあるとはいえ、海に浮いているだけですので帆を広げると風をはらんで海側へ動いてしまう可能性があります。舵を反対向きにするのと同時に、タグボートが脇で押さえていました。もちろんエンジンで航行するのですが、小回りの効く動きはなかなかかっこよかったです。
写真は「海王丸」をサポートする、タグボートの「天城丸」。
ヤードで作業する実習生の人たちです。本当に裸足ですね。人の姿があると、船の大きさが良くわかります。一番太いヤードは太さ40センチもあるそうです。
人が鳥のようにマストにとまっているように見えますが、実際は横に渡したロープに足をかけて立っています。陸上でも風が結構ありましたから、この高さだとずいぶん強かっただろうし、揺れもあると思います。命綱をつけているとはいえ、すばらしいバランス感覚ですね。もちろん、そこにただ立っているだけでなく、力のいる作業をしているのがまたすごいです。怖そうだけど、やってみたいな。
「あこがれ」は縦帆なので、畳帆(じょうはん)もマストに縦に人が並んでだ状態で行われます。
縦帆の方が、風を捉えやすく風上への切りあがり性能が高いんでしたよね。帆走している姿も見てみたかったです。
すっかり畳帆の済んだ「あこがれ」。イベントも終わった対岸から。
鴎はいませんでしたが、港の反対側はこんもりと木が茂った森なので、鳶らしい鳥が数羽、悠々と羽を広げて飛んでいました。帆船に鳶というのは、奇妙な取り合わせでまた面白かったです。(写真には上手く撮れなかったのが残念)
展帆が済んで、畳帆が始まるまでの間、Salty friends さんのテントの横で、お手伝いをされているTさんやGさんとお話をしていました。海賊船の船長もいたので、写真も撮らせていただきました。バックは「日本丸」です。この船を襲うのは、かなり大きな海賊船でないと難しそうです。でも、大砲は積んでいないので、反撃はされないかな。
3隻の美しい帆船の展帆した姿が堪能できて、とても楽しい一日でした。本日お目にかかった皆様、ありがとうございました。今度はぜひ、海の上を走る姿を見たいと思います。もちろん、乗ることが出来れば最高ですね。
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