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しばしなりとも

Merry & King Theoden

〜「Ride on!2」より〜


アイゼンガルドで、旅の仲間が再会したのもつかの間、パランティアを覗いたピピンは、ガンダルフとともに去り、アラゴルン、レゴラス、ギムリも死者の道へと進むことになります。

ただ一人、セオデン王の元に残されたメリーは、ヘルム峡谷で「スティッバ」という灰色の小馬をもらい、セオデンやローハンの騎士たちとともに、山道を馬鍬砦へと向かいます。


メリーとセオデンは轡をならべ、ホビット庄の事やローハンの歴史を語り合います。
真っ白で美しい軍馬「雪の鬣」に跨った、凛々しいセオデン王と粗い毛並みの小馬「スティッバ」に跨った、小さい人の組み合わせは、周りの騎士の微笑を誘っていたのですが、メリー本人は、まるで気がついていないようでした。
目立たないながら、私の大好きなシーンです。

実際この行程では、断崖絶壁のような険しく細い道が多かったようで、このようにのどかに並んで歩ける場所は少なかったようです。
後でゆっくり話そうと約束したパイプ草の話も、とうとうすることが出来ませんでした。
メリーは後年「ホビット庄本草考」を執筆しながら、きっとこの時の事を、幾度となく思い出しては、胸を詰まらせていたのではと思います。
ローハンの騎士の称号を授かった彼はその生涯に、何度かローハンとホビット庄を行き来していますが、この時と同じ道を通ることはあったのでしょうか?


再会

 Shadowfax & Gandalf

〜個人誌「Ride on!2」より〜


白くなったガンダルフと再会した3人でしたが、ローハンへ急ぐと言われても、馬たちは逃げてしまったし…
と、思っていたところへ、いずこからともなく草原を駆けてくる馬の足音。
大きな体と銀色の毛並み軽い足取り、彼こそが馬の王「飛蔭」でした。

ガンダルフと飛蔭も、フロドを探す旅の途中で別れたきり、久しぶりの再会だったのです。
ガンダルフの飛蔭を三人に紹介する言葉の、自慢げなことといったら。
ほんとうに、固い愛情で結ばれているのですねえ。


この、気位の高い馬が、ガンダルフに鼻先をすり寄せているシーンは、なんとも、うらやましいところなのでした。


ケオルの馬

 Keol's Horse

〜個人誌「Ride on!2」より〜


ガンダルフの言葉に勇気を取り戻したセオデン王とエオメル達が、エドラスを出発しアイゼンガルドへ向かう途中、夕日の中を走ってくる黒い影がありました。
それこそが、ローハンの騎士団とヘルム峡谷の領主エルケンブランド軍の惨状を伝える騎士ケオルでした。
彼の話を聞いたガンダルフは、セオデンにヘルム峡谷へ向かうように言って、飛蔭とともに去っていきます。


ケオルの兜はへこみ、盾は割れていました。きっと馬も傷ついていたことでしょう。
よくがんばって走りました。
このあと、ケオルは別の元気な馬に乗り換えています。
馬は多分引かれていったことと思います。鞍もはずしてもらえたでしょうか。


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