欲しいのはあなただけ

欲しいのはあなただけ
「欲しいのはあなただけ 小手鞠るい 新潮社」

女子大生のかもめと、男らしい人、遠藤元太との恋の話です。
かもめは、男らしい人が好きで、自由を奪われたい、あなたが欲しい、
あなたの欲望が欲しいと願っています。
男らしい人は、仕事に打ち込んでいて、結婚でけじめをつけると言います。
かもめは、私の思っている事は、そんな事ではないと思い・・・・・
高橋真梨子の歌「for You」の歌詞、「あなたが欲しい、もっと奪って私を」を
思い出しました。

女性でなければ書けない小説だと思います。
小手鞠るいは、才能の有る作家だと思います。

かもめは、男らしい人が、仕事が忙しすぎて、会える時間が少ないのが不満です。
また、ラブホテルでSEXした後、男らしい人が、泊まらずに、帰るのも不満です。

男らしい人は、仕事も大切だし、色々と事情も有るのです。
二人のベクトルは食い違い、ズレてぶつかるようになります。

かもめは思います。

ああ、違う、違うのや。
あなたは本当に、何もわかっていない。
責任とか、結婚とか家庭とか。
わたしが欲しいのはそんな、得体のしれないものではないのだ。
私が欲しいのは、あなただ。
あなたとの生活でもなく、あなたの子供でもなく、
あなた自身、あなたの欲望。
その愛人で、わたしはあり続けたいだけ。
あなたの一部でありたい。
同時に、全部でありたい。

男女の仲って、難しいですね。
永遠に、一致することは、無理なようです。


  • 入口に戻る