私は虫である 熊田 千佳慕 求龍堂 | |
絵本画家として生きた熊田千佳慕さんのエッセーです。 絵も何点か紹介されています。 98才まで生きましたが、最後まで、現役の画家でした。 この本には、熊田さんの言葉が書かれていますが、それが素晴らしいです。 「よく親父に言われました。 乞食になっても王様になっても、愛は忘れるなって」 愛にめぐまれた時は、 その喜びを心にいっぱい詰め込んでおきましょう。 不幸がおとづれた時は、 その喜びをすこしづつ取り出して、なぐさめましょう。 生きるということは、 ある一つの目的に向かって、 一日一日を積み重ねていくことです。 一般の人は定年が近づくと、すぐ老後という言葉に迷わされる。 そんな時その人はすでに老後期に入っているのである。 人間は何でもいい、ある仕事を一生懸命にしていれば(結果を先に考えず)、 かならず生き甲斐を見つける(出会える)ことができる。 それは70になってからでも、また80になってからでもいい。 生涯の中にこうしたすばらしい一時期を味わえることが最も幸せでないか。 いたずらに老後のことなんか考える前に、今の時間を大切にすること。 定年という言葉は会社の経営的なことによってできた言葉で、 人間の生涯にはないことである。 小川に流れる木の葉みたいに、流れて生きる。 他力で活かされていると思うと楽ですよ。 僕の生涯は、小川に流された木の葉のようなもの。 流れのままに身をまかせ、あっちこっちにぶつかって、 ある時は激流に飲み込まれ、 ある時はキラキラ輝く波間にたゆたいながら、 やがては大海に流れ着くのでしょう。 いかがですか、是非お読みください。 くじけそうな心に力を与えてくれるおすすめ本です。 花祭りのお客さま 恋のセレナーデ |