東戸塚の石仏                  目次に戻る
歌舞伎 屋根付き道祖神
北天院 双体道祖神
        熊野神社
 
<コース案内>
東戸塚駅の西口は斜面を利用した小公園になっている。

線路から出来るだけ離れないようにビルの前の遊歩道を保土ヶ谷方向に進むと、
線路の方に下っていく車道にぶつかる。線路脇の道にて2番目の歩道橋を渡ると、JRトンネル近くに北天院がある。長い石段を登っていくと途中に踊り場があり、数体の石仏が安置されている。@
ここでは双体道祖神が立派で、地元の郷土資料などに写真がよく使われている。
双体道祖神は、このように性別不明の同じ大きさの僧体の神様を2つ並べるのが本来の姿とされるが、後になってこれを男女雛に見立て男女の神様を並べた姿に作られることも多くなった。
線香立てに右から左に彫られた「おおやまみち」の文字に注意。この付近から、名瀬を経て岡津へ出る道が大山道の枝道であった。
他にとろけかけているが、四つ足の動物にまたがった石仏がある。馬に乗った三面の馬頭観音であろう。

もとの駅前に戻り、バスターミナルを左に捲くように進むと駅前の広い車道に出る。左に下っていくと5分ほどで川上町から大池公園方面への道に合する。
ここはは横浜バイパスの川上町出入口に当たる部分で車の出入りがはげしい。
車に注意して少し進むと、右に川上第2団地入り口の道があり、熊野神社の階段が見える。A
熊野神社の社殿は建て替え工事中。(1994/5現在)
境内に元禄4と元禄7の青面金剛、阿弥陀立像庚申(年号不明)、天保2と天保3の地神塔、双体道祖神と3つの石祠が集められている。

元禄4の青面金剛は両側面の三猿のポーズに注目。見ざると言わざるは片手で目と口を押さえている。これとまったく同じポーズの猿を彫った青面金剛が戸塚の親縁寺(元禄7)、和泉中央の宝心寺にあり、同じ石工の作である。
阿弥陀庚申では、申し訳程度に小さく彫られた三猿が変わっていて面白い。
天保3の地神塔には「大山道」「二俣川道」の道しるべがあり、川上村−二俣川の道から左に分かれて(名瀬経由?)岡津へ出る道が「大山道」だったことを示している。

歌舞伎の「笠付き双体道祖神」(横浜市指定有形文化財)を訪ねる
 「歌舞伎」は地名。横浜市の石仏で市や区の文化財に指定されているのはこれだけではないかと思われる。
石で彫った建物の中に双体道祖神が入っている様式で他では見られない。

横浜新道料金所近くにあり交通の不便な場所だが、川上入口のガソンリンスタンドから 横浜新道を絡むように進むと約1.5kmである。
 すぐ先の大神宮に2体の青面金剛(一体は元禄)がある。
帰路は戸塚、東戸塚、緑園都市、弥生台などへのバスがある。

 
◆東戸塚の古道

東戸塚付近は、ごく最近まで山深い田舎の村であった。
駅が出来、駅前が大開発されて、もとの姿が想像出来ないほどに変貌したが、様々な古道がこの付近を通過しており、その名残も残っている。
●東口遠方に見える丘の上を旧東海道が通っており、品濃の一里塚が残っている。これを左に行くと東海道の相武国境に当たる境木地蔵に至る。
●駅西口の川上町から大池公園経由で二俣川、鶴ヶ峰方面の道は、「鎌倉中の道」の古道があったルートとされている。
●道しるべで述べたように、「大山道」が通過していた。北天院の先から、ゴルフ場を越えて今井に抜ける街道?
    

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