拡散する風景
ある休日の午後、自宅からいつもとは反対の方向へ歩いてみました。
近所なのに、意外と知らない路地があることに驚かされます。
自宅のある横浜近郊には、築年数の様々な住宅や雑木林などが雑然と存在します。
そんな都会でも田舎でもない曖昧な空間に魅力を感じて撮影するようになりました。
時間が経つとその空間は徐々に変化していきます。古い建物や雑木林は、整然とした街へ変化していきます。
そういう変化を見ていると、現在は過去から未来への過程の混沌とした時間だという感覚になります。
撮影においては、対象をまとめようとする意識をできるだけ排し、曖昧な空間をとりとめなく再現するようにしました。
つまり、これらの作品の主題は孤立している個々の物体ではなく、場や空間そのものと言えるでしょう。
制作にはモノクロフィルムとゼラチンシルバープリントを使用しました。
作品の主題が曖昧なものだからこそ、塩化銀粒子が凝集して画像を生成する実体としての質感が重要だと考えました。
ゼラチンシルバープリント:9点
![](cIMGP1581.jpg)
2006.9.2(土) - 9.15(金) 木曜休廊 10:00 - 18:00(最終日17:00まで)
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GALLERY Private
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