『ディズニーランドは、待ち時間が長くて疲れるだけ』と妻のマリちゃんが言う。私も、『ディズニーランドなんてどこが面白い!まして電動車イスで行って何が楽しめる』と、常々、話していた。しかし内心は行ってみたいと思っていたのである。大の男が自分から『ディズニーランドに行こうか』なんて口が裂けても言えなかった。そんな時、友人の岩村真由美さんから電話があった。なんと!ディズニーランドへの誘いの連絡である。マリちゃんの手前、堂々と『行く行く』と喜びを表す事が出来ず、渋々、了解の返事をした。マリちゃんは、私の思いが分かるのか『良かったね、やっと、ディズニーランドに行けるね』とニヤニヤしながら笑っていた。何もかも見破られていたのである。下手な演技なんかするものではない。
 最近、私の外出が多くなっているのは、岩村さんや藤城実君のお陰でもある。二人とは、私が入浴サービスを受けている老人ホームで知り合った。今は、別々の所で働かれているが、私を家から引っ張り出してくれる、心優しい友人である。以前から一度、ディズニーランドへ行こうと話していたが、実現するとは…思いもよらなかったことである。 曇りの中、ハンディキャブで岩村さん、運転してくれた藤城君と藤城君の同僚の橘さんの4名で東京ディズニランドへ向かった。前日は、天気も心配で寝不足ぎみだったが、小学生時代の遠足前日のワクワクする高ぶった気持ちを久し振りに味わった。
 さぁー入場!しかし、ゲートが狭く電動車イスが通れない。係員の女性に、小さな扉を開けて貰う時、面倒臭そうな嫌な顔をしたのを私は見逃さなかった。ディズニーランドで嫌な顔をされるとは…悲しい。電動車イスや健常者も、同じゲートを通れるようにすれば、嫌な思いで気分を悪くしなくてすむのにと思った。ワールドバザールの前で写真を取って貰っていると、後ろからミニーマウスが現れてビックリした。一緒に写真に入ってくれ、ほほにチュとキスをしてくれた。照れ臭かったが、嬉しかった。また、白雪姫と7人のこびとのドックも一緒に写真を撮ってくれた。今まで気分が悪かったのが、一変に吹っ飛んでしまった。
 早速、キャプテンED、マイケル・ジャクソンの3−D立体映像を見た。車イス席は、一番後ろでメガネをかけ、薄暗い中、キョロキョロしていると、いきなり大きな音と大画面の映像が現れ、飛び上がるほど驚いた。SFXや最新技術による映像で臨場感がありとても楽しめた。明るくなった出口で、藤城君にメガネを取って貰う時、私の顔を見るなり急に笑い出した。何かと思うと余りにも似和ない私のメガネ姿を見て笑い出したのである。失敬な!まあ顔がでかいからしかたないか!また、ビジョナリアムにも入った。タイムマシンの実験現場で、タイムマシンのロボット、ナインアイガジュールベルヌに出会う旅である。ここは、360度の迫力のある大画面で実体験しているような錯覚に陥るのである。特に、空を飛んでいるシーンは、乗り物酔いしたように胸がムカムカしたが楽しかった
 食事をとることになり、藤城君推薦のレストランに入ったが、段差や階段で入れなかった。藤城君も私もガッカリ!ディズニーランドで段差や階段があるとは、大ショック!ディズニーランドでは、車イスで利用できるようにスロープや車イス用化粧室が完備され、車イスに優しい施設だと思っていたが、とんでもない話である。車イスの人は、違う所に行けと言われているようで寂しい気持ちがした。アメリカでも同じなのか…。違う所を探すと南国風のわらぶき屋根のポリネシアンテラスレストランに入った。ここも、階段があったが、2テーブルだけ車イスで利用出来るようになっていたので安心した。食事をするのにもひと苦労なのである。レストランは、トロピカルな雰囲気とハワイアンのショーがあり、料理は、ボリューム満点のわりには、リーズナブルでおいしかった。ハワイアンを聞いていると、1昨年のハワイ旅行を思い出した。また、ハワイにいくぞ!
 食事のあと、パレードやシンデレラ城でのアラジンの大冒険のショー、買い物など、色々な経験をした。久々に童心に返って楽しい一日であった。一緒に行ってくれた皆さんに感謝します。有り難うございました。車イスのまま利用出来る所は、魅惑のチキルーム、カントリーベア・シスター、ミッキーマウス・レビュー、ミート・ザ・ワールドなどで、蒸気船マークトウェン号とトムソーヤ島いかだは、段差が越えられれば利用出来るようです。
 新しくできる施設に段差や入口が健常者用と障害者用とが別だったりすることは、絶対に無くして欲しいものです。日本は、段差のある所が多すぎますネ。差別から来ているのでしょうか…?