先日、横浜駅西口のエレベーターが小さい事で、「横浜市福祉局福祉のまちづくり課」に苦情の電話をした。その時に「まちあるき点検」というのがあるのが分かった。「まちあるき点検」とは、障がい当時者、学識経験者、地元町内会、鉄道事業者、警察、行政等のメンバーで、実際街を歩きバリアフリーチェックをする事らしい。今回は、横浜駅周辺をバリアフリーチェックすると言うことなので、早速、担当者に電話をして「まちあるき点検」の参加を申し込んだ。受付は、「福祉のまちづくり課」がやっていると思っていたが、横浜市の「都市計画局都市企画部企画調査課」が担当しているという。「福祉のまちづくり課」と「都市計画局企画調査課」との違いは何なのだろう?
 6月の上旬、関東地方が梅雨に入り、曇り空を気にしながら友人の石井さんと、 「かながわ県民サポートセンター2階のホールに出掛けた。早めに着いたので、まだ受付の準備がされてなく、ホールの前で待っていた。ふと3年前に、このホールで「はがき通信」の全国総会を開催した事を思い出した。多くの方が参加してくれて、皆に喜んでもらい、やり遂げた事で自信になったのだ。
 受付を済まし、ホールに入ると6つのグループに分かれていた。私は、Fグループの班であった。Fグループには、目の見えない人や主婦、市の職員など約15名が集まっていた。グループごとに自己紹介をし、今日回るバリアフリーチェックのルートが手渡された。コースを見ると横浜駅周辺を6コースに分けられて、私の班は高島屋周辺とバス乗り場であった。早速、外に出て移動し始めたが、かながわサポートセンター前の歩道が斜めになって危険にも関わらず皆が素通りして行った。私が斜めになった歩道に止まり、傾いた電動車イスを市の職員に見てもらい写真を撮る。そして、その先の新田間川に架かる西鶴屋橋と歩道が急坂になっていて、角度を測ると14度もある。車イスに乗った人には、後ろにひっくり返る坂だ。歩く人は、意外と気がつかないものだと分かった。
私は、5年前に傾斜のある歩道で横転し、車道に倒れて右腕をトラックにひかれた経験がある。その時の恐怖は、今も忘れられない。このような事故が起こらないように、傾斜のある歩道は必ず直して欲しい。そこから、三越の横を通り、横浜駅西口の前を通って、高島屋を左回りし、横断歩道を渡ってバス乗り場へ、その後戻り、高島屋の裏を通ってかながわサポートセンターまで。途中、同じグループの年配女性の視線を強く感じた。何だろうと思っていたら、私の電動車イスのアゴで操作するジョイスティックに興味があるようだ。他の人に聞いていたので、操作方法を見てもらったらビックリしていた。私には、直接聞けない“恐さ”があるのだろうか…?マリちゃんに言ったら「そりゃそうでしょう!近くでゴリラを見たんだから!」だって…。いろいろな場所に立ち止まり、皆の意見を言い合ったりしていると段々と性格が分かってきたり、親しくなってくるから不思議である。また、ゆっくり歩いていると、普段気がつかなかったものが分かったり、視野が広くなってくるのを感じた。約2時間のバリアフリーチェックが終わった。
 サポートセンターに戻ると昼食となり、買ってきた“崎陽軒のシュウマイ弁当”を久しぶりに食った。中には、シュウマイ弁当が初めての人がいて、皆から冷やかされていた。午後からワークショップがあり、各班で回ったコースでチェックした“いい所”と“悪い所”を書き出してまとめ、最後に班の代表が発表した。私の班からは、エレベーターの表示が無い事や使用時間の制限、車道と歩道の段差、バス乗り場の点字案内、横浜駅西口から高島屋方面への点字ブロックが全くない事等を報告した。高島屋付近は、よく電動車イスで走っているのに、相模鉄道や市営地下鉄、バス乗り場への点字ブロックが無い事に初めて気がついた。他の班も音声案内やトイレの表示、エレベーターの小ささなど多くの問題が発表された。本来は、今頃バリアフリーチェックをして遅いと思うのだが…。早く課題に対処して欲しいもんだ。
 私が「まちあるき点検」に参加したのは、横浜駅のみなとみらい線に小さいエレベーターを設置させた都市計画の担当者に責任があるのではないかと言いたかったが、早とちりして関係ないコースの時に質問したため話がうまく伝えられなかった。興奮を抑え切れなかったのかな?マリちゃんに冷静になるように言われていたのに…!東急電鉄の担当者は、法律内でエレベーターを設置しているので、何も問題がないように言っていたが、ただエレベーターを設置するだけでなく、横浜駅の利用者数を考えればあんな小さいエレベーターを設置できないと思うのだが…。建設前から、当事者を入れて意見を聞く配慮が欲しい。今の小さいエレベーターのまま、横浜駅が完成する18年度まで、辛さが続くのか…!?車イスのためだけでなく、高齢者やベビーカー利用者等、多くの人にとって必要なのだから。台数を増やして欲しいもんだ
 今回、初めて「まちあるき点検」やワークショップに参加したが、普段あまり出会わない方とコミュニケーションを深めながら、一緒に体験し学びあったていい物を創り出す事も素晴らしいものだと思った。