4日目は、休養日。前夜、ライブと海からの夜風が気持ち良くて、ロイヤルハワイアン・ホテルのマイタイバーで酔っ払ってしまった。マイタイバーには、“ピンクパレス”という美味しいカクテルがあったらしいが、あとで知ったので飲めなかった。残念。朝寝坊して、サンドイッチとサラダで遅い朝食。久しぶりにのんびり。
 宿泊したコンドミニアムは、ワイキキから少し離れた“ワイキキバニアン”で、フルキッチン付き1ベッドルーム。21階の部屋からの眺めは素晴らしく、目の前がダイアモンドヘッドで右側に海が見える。その海が、ターコイズブルーとウルトラマリンブルーのコントラストで心が癒される。
ベランダに出ていた石井さんが「アー!瀬出井さんが泳いでいますよ」と叫んだ。ベランダの真下にプールがあるらしく、泳いでいる瀬出井さんを発見してデジカメで撮った。ライフジャケットを着て仰向けで泳いでいた。早速、プールに行ってみるとジャグジーから出た所だった。プールとジャグジーは海水で、プールで冷えた体を温かいジャグジーで温めていた。ジャグジーは、「温泉のようで気持ちが良かった」と話していた。私もお風呂代わりに入りたかったナ〜。
 午後から買い物。今日も天気が良く、ワイキキの海岸には大勢の人が楽しんでいる。4日目もなるとビキニ姿の女性が普通に見えてくるから不思議だ。最初は、“ナイキ・タウン”へ向かった。でかいビルの中は、スポーツの種類ごとにブースがあり、さすがに品そろえがいい。サングラスを探してもらったが、私に似合うものがない。顔がデカ過ぎるのかナ〜。次に“DFSギャラリア”で、お土産のブランディーや香水、チョコなどを購入。1階でチョコとナッツを捜している時、デジにいた日系のオバちゃんがやってきて「このチョコが美味しいのよ」と味見をさせてくれた。「本当に美味しい」と言ったとたん傍にいた日本人のオバちゃんたちが「私も味見させてー」と集まって来て、アッという間に身動きできなくなってしまった。日本のオバちゃんパワーは凄い!そう言っている自分もオヤジかー!
 石井さんにワイキキの海で泳いでもらった。本当は、ノースショアのサンセットビーチで泳ぐ予定だった。アラモアナショッピングセンターで水着を購入して気合が入っていたのだが、電動車イスが故障してサンセットビーチに行けなかったのだ。水泳が得意とあって、あっという間に沖の方まで泳いでいった。沖の方で頭が小さく見え隠れし、海から上がって来るまで心配で目を離せなかった。それにしてもワイキキの海岸が7年前より、砂浜が狭くなって海水が増えているのだ。こんな所にも環境汚染の影響が…。
 5日目は、とうとう帰国。早朝4時半に起こされ、帰国するメンバーの見送り。私の電動車イスが6台は乗れるリフトタクシーで、グループごとにホノルル空港まで移動。無事、皆を見送った後、9時に空港へ。ノースウエスト航空でチェックインするとテロ防止のため、機内に持ち込む荷物が細かく調べられ、履いていたスリッパまで脱がされた。ここまで調べられると安心でき

る。キャビンアテンダントの1人が往路と同じ日本人の方だったので、電動車イスから座席までの段取りがスムーズにいった。しかし、座席に床ずれ予防のためロホクッションを敷くと、とうしても頭が座席から出てしまい頭の支えがないので辛い。食事が運ばれて来た時にひらめいた。おぼんと枕で頭の支えを作る事をキャビンアテンダントに相談したらテープでくっつけてくれた。早速、背中に挟み込むと頭の支えが楽になり、ぐっすり眠れる事ができた。また、外国女性の年配のキャビンアテンダントも親切で、声をかけようとすると「どうしましたか?」と先に声をかけてくれるのだ。丁寧で、親切で自然な対応であった。一緒に写真を撮ってもらった時、「あなたに出会えて良かった。」と手を握ってくれた。優しさが伝わってきて、目頭が熱くなってしまった。
 無事、成田に着いて電動車イスを見た時、右の手すりがないのにビックリ。ホノルル空港で、貨物に積み込む時に手すりを持って壊したらしい。シールに“Don’t touch”と貼ってあるのにもかかわらず…。早速、瀬出井さんたちと“ノースウエストのお客様相談室”へ。文句を言ってやろうと気合を入れて行ったら、瀬出井さんが先に文句を言い出したのだ。その迫力に驚いた。結局、私は名刺を渡しただけで不完全燃焼!
 今回、ハワイ旅行に参加したメンバーにはアクシデントもなく、ハワイを楽しんでいただいたようで嬉しかった。私は、電動車イスが故障するトラブルがあったが、曽我さんやハワイの多くの方に助けられ、人の優しさを感じられた旅行となった。皆さんに感謝。特に、一緒に旅行に行ってくれた石井さんには心より感謝です。ありがとうございました。