今年も横浜市社会協議会が主催する「第7回 よこはま福祉保健研究発表大会」に行って来た。今回は、福祉の仕事を目指している女子学生2人と一緒に上大岡のウィリング横浜へ。 午前中は、「企業がみつめる福祉と暮らし」というテーマで、イオン株式会社、象印マホービン株式会社、株式会社ナムコ3社の福祉への取り組みについて発表を聞いた。象印マホービンは、“みまもりほっとライン”という無線通信機器を取り付けたポットを製品化していた。ひとり生活のお年寄りがポットを使うと、家族がその様子を携帯電話やパソコンで知らせる事ができる。ポット使っているうちは、元気だという合図になるらしい。 また、ナムコが介護事業に参入していた事に驚いた。ナムコは、トーキングエイドが有名で、2004年グッドデザイン賞を受賞いている。トーキングエイドとは、携帯型意志伝達装置のこと。会話や筆談が困難な人が、意思を伝えるために作った端末で、50音とプリセットのメッセージが並べられた文字盤があり、文字盤を押していくことで、会話やメッセージを作成できる。グッドデザインで受賞した“トーキングエイドIT”は優れもので、単語予測辞書、漢字辞書、音声辞書の3つの辞書が搭載され、スピーディーな入力となめらかな発声ができる。それに、電話や電子メールもでき、いつどこからでもコミュニケーションを取れるようになった画期的な製品だ。昔は、ひらがなだけで読みづらく、発音にも抑揚がなく聞き取りづらかったのだ。今回は、介護事業の方で、“かいかや”というデイサービスセンターを開設していた。デイサービスの事業コンセプトは、”スピリチュアルヘルス”という。初めて聞いた言葉でチンプンカンプン。調べてみると“魂の健康”といい、「楽しい時間を過ごしているうちに結果として心身の活性化を図る」こと。ようするに、ゲームの要素を取り入れながら、高齢者や障害のある人が機能回復訓練や筋力トレーニングを行うことを目的としたゲームになっている。新開発の「太鼓の達人RT〜日本の心〜」や「ワニワニパニックRT」など、車イスでも利用できる様々なゲーム機があるらしい。これを“リハビリテインメントマシン”という。最近、カタカナが多くて覚えられない!場所は、みなとみらいの“横浜ワールドポーターズ”の6階にあるらしい。大正ロマンをテーマに洋風の食堂やサンルーム、畳敷きの和室など、文化の違う様式を取り入れた和洋折衷で、木材や竹など自然の素材を随所に使用した落ち着ける空間らしい。昔懐かしい映画も観られる素晴らしい施設のようだ。ワールドポーターズには、よく買い物に行っていたが、全く知らなかった。一度、覗いてみようと思った。 午後からは9つの分科会があり、2つの分科会に参加した。1つ目は、“地域の交流ネットワーク形成を考える”の部会に行くと、たろさん(服部一弘)と会った。毎年、この大会で発表されており、今回は、“場作りとコミュニティ・ビジネス”について話してくれた。彼は、みなとみらいに“NPO法人アニミ”を立ち上げ、インターネットカフェやパソコン初心者教室、コンサートなどを行っている。障がいによってマウスが違うので、いろいろな種類の物が用意されている。また、海外旅行、キャンプなど多くのイベントも企画している。 その他は、まちづくりフォーラム港南が「ストリートガリバーマップ」といって、上大岡駅を中心とした5メートル四方の巨大地図が床に広がり、その上に乗ってなんでも書き加えてもらおうというイベントをやっていた。いろいろなコメントがありそうで面白いと思った。その後も、発表が続いていたが、“障がい者・高齢者に対するITサポートの課題と今後のあり方”の部会に移動した。 会場には、作業場関係者やパソコンボランティア、電動車イスの方が二十数名集まっていた。パソコンボランティアの中には、シニアの方が多かった。ちょうど“ピアサポート”代表の岡村さんが司会をしていた時、目が合ったので会釈をした瞬間、若い女性が大きな声で、「障がい者は分かっていない!」と言う発言が聞こえた。話を聞いていると、先程の若い女性は作業所の責任者で、任せた仕事の納期を守らない障がい者に怒っていたのだ。「自分から仕事がしたいと訴えてきたのに、納期の大切さが分かっていない」と報告していた。また、ボランティアをしている方から、パネラーの方たちにいろんな質問があったが、その中で「視覚障がい者の漢字変換の指導方法」の質問があった。文字の入力をして漢字に変換する時、音声ソフトが読み上げていくが、ソフトの種類によって読み方が違うのだ。たとえば、“管”を表示するのに、水道管の管と言ったり、管理の管と言うなど…日本語は難しい。聞いてみないと分からないものだ。そして、普段パソコンボランティアをしている方たちに感謝したいと思った。 よこはま福祉保健研究発表大会は、毎回勉強になり、自分の視野を広げてくれるのに役立つ。ただ、宣伝が足りないので障がい者の参加が少ない。 今年は、予算の関係で交流会がなかったのが残念である。交流会は、多くの方と知り合い、情報交換できる大切な場なのだから、会費制にして続けて欲しいと思った。障がい者が、直接いろいろ話が聞けるチャンスなのだから…。 |
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