「はがき通信」in京都懇親会に参加するため、1年半ぶりに“新横浜駅”に行った。車イスは、駅から少し離れたトイレの横のエレベーターで、2階のホームに上がる。そのエレベーターが小さくて、私が乗り込むと同乗者は壁に張り付くような姿勢になってしまう。その状態になった時、駅員さんに「エレベーターが大きくならないですかね」と聞く。いつもは、「このままですね」と返事が返ってくるのに、今回は「2009年に改装があるから、その時に大きくなるかもしれません」と話してくれた。それを聞いてひとりで喜んでいたが、よく考えると、まだ5年先の事だった。それまで、辛抱だー!2階のホームに上がると新幹線の車イス席用車両まで移動しなれければならない。ホームにある待合室横の通路を通って移動しなければならないが、その通路の幅が2m位しかなく、途中に柱もあってとても危険なのだ。いつも、線路に落ちないように緊張しながら電動車イスの操作をしている。それが今回、なんと策が取り付けられていた。嬉しい事である。これで、車イスだけでなく、子供や高齢者も安心できる。次の改装時には、エレベーターを大きくしてユニバーサルデザインを取り入れた駅にして欲しいものである。ユニバーサルデザインとは、「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢や障害の有無などにかかわらず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインしていることだ。 のぞみで京都駅まで、約2時間。一緒に行った渡辺さんと話していたらアッという間であった。京都駅に着くと車イスは八条東口から出される。烏丸口へ向かうのにエレベーターの位置が分からずよく迷っていたが、最近はようやくエレベーターの位置を把握できるようになった。烏丸口に出て、電器屋を探した。デジカメのメモリカードの調子悪いので、新しいカードを購入するためである。通行人に聞くと“ポルタ”を教えてもらった。エレベーターで地下に行くと地下街が広くて、電気屋が一番奥の方にあった。そこで、メモリカードを購入して戻ろうとしたが、近くにレストラン街を見つけて寄り道した。どんな店があるのか見ていたら、美味しそうな“うどん屋”を発見。うどん好きな私は、かつお出汁のいい香りに誘われて店に入っていった。天ぷらうどんを注文して、麺をすすると麺が切れてなくて、そのまま続けてすすっていたら窒息しそうになった。渡辺さんに麺を箸でつまんで持ち上げてもらったら1m以上もあった。さすが手打ち麺。味は、美味でございまするー♪♪。 京都駅から、会場の西本願寺聞法会館まで約20分。西本願寺の前を通ったら、観光客で賑やかであった。NHKの新撰組の影響なのか?聞法会館に着くと参加者の発表が行なわれていた。40名の参加者が集まっていて、一緒にハワイ旅行に行ったメンバーも多かった。会場に入ってから、30分もたたずに指名され、昨年6月に「はがき通信」のメンバーとのハワイ旅行を報告した。皆にビデオを見てもらいながら発表していると思い出が蘇ってきて、とても懐かしく感じた。また、ディナーバイキングの場面で、刺身ばかり食べている自分に、はじめて気がついた。毎日、肉料理ばかりで無意識のうちに和食を食べていたのかなぁ? 懇親会の2泊3日のうち、中日の午後に空き時間があったので、友人達と嵐山に行くことにした。聞法会館から、電動車イスで四条大宮まで行って、そこから京福電鉄のチンチン電車に乗った。電車とホームの間にスロープを置いてくれたが、そのスロープが木の手作り風でポロポロなのだ。多くの車イスの人が利用したのだろうと思いつつ、私が乗ると割れるのではないかと心配だった。駅員の対応は、親切で良かった。家と家の間を大きく揺れながら走る電車に、とても懐かしく思った。高校時代にチンチン電車で通学していたのだ。実に31年ふりで楽しかった。 “嵐山駅”を出て、皆でどこに行こうかと話していると、突然 「こんにちは!伊藤さんですか?いつもエッセイを読んでいますよ。」と綺麗な女性に声をかけられた。「ありがとうございます。」と返事をしたが、頭の中では「なんで?京都なのに?」とパニくっていた。周りにいた友人達に、「有名人!」と冷やかされていたが、ツッ込む余裕がなかった。その女性に「なんで、私の事を知っているんですか」と聞いてみると「横浜から観光に来ました」と答えてくれた。それで納得。まさか、京都で声をかけられて動揺するとは…。でも、嬉しかった。帰宅してマリちゃんに話したら、「勇気がある人だね〜。 ゴリラに声をかけられるんだから」だって!渡月橋を渡って嵐山公園の方に行ったが、まだ紅葉には早く残念であった。初めて京都に行った時は、中学生の修学旅行であったが、神社仏閣や歴史など全く興味がなくつまらなかった。しかし、電動車イスに乗るようになって数回来るようになると京都が落ち着くのだ。歳のせいなのかなぁ? 京都は、バリアフリー化が進み車イスでも観光できる所が増えてきている。しかし、車イスで入れる店が少なく、食事する場所を探すのが大変だった。また、行く時までにユニバーサルデザインの施設が増えるといいと思った。 |
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