黒く日焼けした、右腕を見ていると横浜リバーサイドとつかホームでの生活が甦ってくる。酷暑の夏に8日間、お世話になったのである。妻の仕事や家族が忙しい時に、リバーサイドの一時入所を利用している。今回、3度目の利用とあって、入所している方や職員の方とも顔見知りになり、不安なく、楽しく過ごす事ができた。入所期間は、身体を焼こうと思った。左腕と右腕の色が余りにも違い過ぎるからである。自宅のベットは窓際にあるため、左腕が黒く焼け、右腕は白いままである。何とか同じ色に日焼けしようと試みたのである。 8日間で日に焼けたが、右腕が真っ赤になり痛々しい。痛みを感じないから楽であるが…。しかし、脳天がヒリヒリと痛む。体温調節するため、毎日、冷房の風が強く噴き出す所で身体を冷やしていた。涼しい所は、直ぐに分かるのである。ただ、ひとつ失敗したのは、腕の裏側を日焼けしなかった事である。真っ白いままである。
 リバーサイドの食事は、とても美味しかった。メニューも豊富で、毎日、食事が楽しみだった。昼にラーメンを食べた時、冷めていると思って一気に麺を啜たら、余りの熱さで舌を火傷してしまった。リバーサイドでは、出来上がりを食べさせてくれた。調理の人は大変だが、食べる私達は幸せである。なかなか、出来上がりを食べれるものではないのである。 私は、朝食を食べない(ダイエット?)寝起きは食欲がないため、遅くまでゆっくり寝ているのである。
 今回も入所している方々と話せる機会があった。色々な話を聞いていると、皆さん苦労されて生きて来られた人が多い。苦労を苦労と言わず、明るく優しく話してくれた姿に感激。障害の程度が違っても、人の心の痛みは同じ。またもや、私だけが苦しいのではない事を痛感したのである。 私は、職員の方にもとても親切にして貰った。着替えや洗面、電動車イスの移動、食事介助、入浴、排便まで。何から何までである。仕事とはいえ、なかなか大変で出来ない事である。 リバーサイドでは、週3回お風呂に入れて貰える。入浴は、大変疲労するので1回しか入らなかった。しかし、帰宅当日に職員の方が朝一番、忙しい中、お風呂に入れてくれた。職員の方の気持ちと入浴しての気持ち良さが重なり、とても感激し嬉しく思った。"風呂に入れる幸せ"を実感。
 福祉に携わっている人は、本当に素晴らしい人達である。人の痛みが分かる、心の暖かい人達だ。私が障害を持つようになって、病院、老人施設、障害者施設などでお世話になって、いつも思ってた事がある。それは、そこで働かれている人達の待遇を良くしなければならない事である。余りにも低すぎるのではないだろうか。介助される方は、誰もが人間味のある暖かい介助を求めると思う。介助者が、忙しすぎて疲れていたり、金銭的などで余裕のない生活では、良い介助はできないのではないか。笑顔一杯の介助をするには、疲れがなく、経済的にも保証されなければいけないと思う。
 私は今、瀬谷区の訪問看護ステーション(医師会)から週3回訪問看護婦さんに来て貰っている。不思議な縁で、七沢リハビリ入院当時によく喧嘩した看護婦さんが来てくれているのである。初めて電話で話した時はびっくりした。利用して4カ月になるが、私も家族も大変助かっている。15年間も在宅で、家族だけの介助で生きてきた。数年前、旭区の訪問看護制度を利用しようとしたが、介助の指導だけと言うことで利用できなかった事がある。旭区の訪問看護婦が少なすぎるためであったが、横浜市の怠慢か?。
 今でも障害者施設や老人施設が増えてきているが、そこで働く職員の方達の待遇を是非、市、県で考えて貰いたい。よく福祉関係でつかわれる『ボランティア精神』という言葉があるが、その言葉でごまかされていないだろうか。人間、生活にゆとりがなければ、なかなか奉仕活動に参加できないのではないかと思う。私が知り合った福祉関係で働かれている方達は、ゆとりがなくても笑顔で接し、休みでも遊びに誘ってくれる。本当に心優しい人々である。何も口に出して文句を言う人もいない。ただ介助されているとその人達の大変さや苦しさが伝わってくるのである。