『アー疲れた!』8時間以上寝たのにどうした事か。すると隣に居るマリちゃんも『私も疲れたヨ』と同意見。いったいどうしたのだろう。マリちゃんは、大学のロッカー室で着替えをして、荷物をまとめはじめ、下を向いてカバンの整理をしていた。顔をあげ、ロッカーを見ると自分のロッカーがなくなっていた。さぁー大変。大声で『私のロッカー誰が持ってたのヨー』と叫びながら、体格のいい男連中の中に入りながらも、怒りながら走り回ったのだ。大声を出し、怒りながら…そこで目覚めた。夢だったのだ。夢も現実も同じ性格のようだ。学生時代、怖かったから…。私も、何故かダウンタウンの浜ちゃんや松ちゃんと走り回って遊んでいる。どうして走り回っているのか分からないが、目覚めた時は、グッタリ。夢の中では、大好きな水泳をしたり、車の運転をしたりしながら楽しく動き回っている。夢で結構いろんな運動をして楽しんでいるのだ。寝ながら見る夢もいいが、別の夢もある。
 先日、大阪のプロップステーションの会報、FLANKERに次の記事が載っていた。昨年、大阪でリハビリテーション工学カンファレンスが開催された。今回が10周年記念の特別企画として、基調講演にフランスからジャン・ジャック・ヴィヤールさんを招いた。彼は、南フランス・プロバンス地方のニース市に住み、市長室直属の専門官として『福祉のまちづくり』の推進に向けて政策提起と個々の建築物のチェックを担当されている。大学時代に交通事故で脊髄損傷者になり、車イス生活となった。今回の来日には、1ケ月間に渡って滞在し、大阪、京都、東京各地を訪問された。基調講演では、1ケ月間の日本滞在の感想を中心に、今後の日本でのまちづくりや交通アクセスの問題について提言を話された。『なぜ、日本ではエレベーターの車イス対応ボタンは、いくつかあるエレベーターの1つにしか付いていないのか。費用的には変わらないはず。車イス対応ボタンは、すべてのエレベーターに設置されるべきだ』との日本の印象を語られた。よく観察されていることに感心した。そして、日本の『少なくとも1つ以上』との『最低基準』がともすれば『1つ付けておけば十分』という『最高基準』として受け止められがちな風潮への批判だと思った。また、JR東京駅で荷物用通路を通られたことに心底ショックを受けられ、『私達障害者を荷物のように扱って平然としている』と厳しい批判を述べられた。そして、今後の課題として、政策決定者や関係者が直接障害者と対話をはじめ意見を反映させていく、『コミュニケーション』の重要さを強調されたと書いてあった。全く、現在の日本の『まちづくり』をめぐる状況の核心にふれた提言だと思った。私は、今まで電動車イスで利用できるだけで儲けものだと思い、『荷物のように扱って平然としている』と思ったことがなかった。今の日本には、障害をもつ人が普通に生きる事のできる環境が大切だし、車イスで建物や電車に自由に乗れる、温かいまちづくりに声を大にして、行政に訴えていきたいと思った。私も障害者というプライドを持って、障害者だからと諦めらず何事にも挑戦し、対応していきたいと思った。このプロップステーションの『プロップ』とは、『支柱』『つっかえ棒』『支え合い』を意味し、コンピュータを活用して、障害を持つ人たちの自立と社会参加、とりわけ就労の促進を支援するために生まれたNPO(非営利団体)である。コンピュータセミナーは、企業による機材の支援を受け、ボランティア講師による指導で行われている。現在は、インターネットで在宅での就労への道を開拓している。私もいずれパソコンを始めるので、とても興味のある会である。
 先日、新聞にみなとみらい21地区の臨海パーク内に、障害者が働くふれあいショップ『みなと』がオープンしたと載っていた。横浜市内で6店目の出店で、コーヒーやジュースなどの飲み物やハンバーガー、ドライカレー、焼きそばなどメニューも豊富。また、障害者地区作業所で製作された作品を展示販売されている。このような店がもっと増えると、障害者と健常者がふれあいをとおして交流し、理解が深められたらと思う。生き生きと障害者の働く姿勢が、皆の励みとなり、障害者の就労へとつながって行くと思った。また、雇用における差別をなくし、障害者が支えられるばかりの存在じゃなく、誇りを持って、社会を支える一員として活躍できる状況になればと思う。このような福祉の向上が私の夢である。