最近、私の講演が、クチコミで広まって増えてきている。今回は、初めて釜利谷小学校の4・5・6年生と保護者を対象に講演した。小学生に話をしても分かってもらえるものか疑問に思っていたが、やってみなければ結果はどうなるか分からない。その後、手作りの感想文を戴いた。その中から抜粋した感想文を紹介。
 4年生:『私は、話を聞いてがばんなくちゃだめだと思います。私は、ぜんそくがよくでるから息ができなくなったりします。その時は、諦めないで頑張るようにします。』
『伊藤さんは、恐怖の底から自分の力で広い世界に、出てきた様な気がします。話を聞いていると命と心の強さが分かってきました。』
 5年生:『人は、考え方を変えればこそ、とてもいい人生になると思いました。伊藤さんは、人は1人で生きていくのではなく、みんなで生きていくと言っていました。私は、その言葉が凄く心に残りました。』
『私は、今悩んでいる事がたくさんあります。伊藤さんを見て、「ずっと悩んでいても本当にしょうがないな」と思いました。悩んでいても、実行しないとそれは解決しないのだし、実行するとよい結果がでるかもしれません。落ち込まないで、「あしたに向かって頑張ろう」と思う事が、今一番大切だと思いました。』
『苦労を乗り越えた人が、本当の「優しい人」だなと思いました。手足は動きませんが、心は人一倍大きい人。』
『僕が印象に残った言葉は、「与えられた命を捨てないで下さい」と言うところです。僕は、電動車イスは楽だと思いました。でも、本当は楽じゃなく難しい事だということが分かりました。』
『僕は、凄く心に思った事がありました。「諦めたら、だめ」と言う事です。その話が出た時、僕は心がキーンとしました。』
 6年生:『私は、障害を持った人に、差別された時の気持ちはとてもいやなものです。そう思った時、どんな人でもその
人は同じひとりの人間なんだと思えてきました。』
『親からさずかった命を大切に、自分の未来のために開かれた道を歩こうと思います。伊藤さんが言っていた「人間いろいろな人がいるけれど、心は同じ」という言葉を忘れないようにしたい。』
 保護者:『手助けが必要な時には合図を送り、誰かが答えられる町になって欲しいと願っています。』
『5年生の子供も「今日のお話よかったね。伊藤さんすごいね。」「パパ、伊藤さんて身体がとっても大きいんだよ…」と話をしていました。心でいろいろ感じている様子でした。また、障害を持っている方と、もっと自然に友達になれたらいいと思った様です。』
『人を差別しない事、感謝の気持ちを忘れない事、とても大切な事。私達もその気持ちをしっかりと持ち、子供達に伝えて行かなくてはならないと思います。』
『この世の中には、どう逆らっても逆らっても思う方向には、いかない事が多々あるなあとつくづく思います。なによりも、家族の人、奥様は心の大きな強さを持っている人なのでしょう。』『最後に挨拶をした、6年生の女の子の涙がこの講演会の成功を語ってくれている。』
『子供達も関心を持って、聞き入っている様子がうかがえました。事故にあわれた時のこと。入院中、障害の重さを知らされた時の辛さ、苦しみ、私達にはとうてい想像もできぬような身体や、そして、心の痛みを経験してこられた事などをさらっとお話される事に、とても驚きを感じました。この日本の社会で私達と私達の子供が、障害のある人もない人も、個々の個性を認め合い、幸福に暮らしていけるようにするために担う役割は大きい。私にも7才になる生まれながらの重度の障害を持つ甥がいます。その両親が行く末を不安に思う事のない、社会になるよう願わずにはいられません。』
『車イスの人、白い杖を持った人、手足にマヒがあって思うように動きのとれない人は、小さい子供には、とても怖い人に見えたらしいのです。「違うのよ、みんなと同じよ」と言葉で云っても子供には伝わりません。大人が偏見を持たず、自然にお付き合いするのが一番なのだと思います。』
『夜、いつものように雑談をしていると、自然に講演会の話になり、自分の置かれた状況を逃避せずに受け入れ、プラス思考に考えていく伊藤さんの姿に人間のたくましさを感じ、努力を続ければ何でも出来るんだという希望が見えたようでした。』
『社会全体が、もっと優しくあるようになれば、私自身も親として、母として、家族のひとりひとりに愛情をもって接し、育てていくことがどんなに大切か、そう育てる事によって子供達が成長した時、優しく、広い目で見ることができる人間になるのでは…。』
 本当に話が下手なのに、こんな素晴らしい感想を頂き、まいりました。小学生もなかなかしっかりしていると思いました。他の講演に行った多くの中学生達からも、いつも素晴らしい感想を頂き、感激しています。皆さんありがとう!