今回は、車イスでの移動手段の情報入手方法を紹介。この情報で、結構いろいろな所に外出できる事が解るはず。横浜市では、『ゆめはま2010プラン』や『福祉のまちづくり条例』にもとづき「リフト付きバス」や「超低床スロープ付きバス」を導入していた。平成9年度から、誰にもやさしいバスとして「ノンステップバス」が主に導入されている。このバスの特徴は、前扉が広く、中扉の下に電動スロープ板が出るようになっているので、乗降口の高さが約20pと低くなり、車イスの方には特に乗降時間がかからず、利用しやすくなっている。車イスが使えるという事は、身体の弱い方やお年寄り、乳母車利用の方にも、乗降がしやすいという事になる。実は私、まだ一度も利用していないのだが…。誰にも利用しやすい「ノンステップバス」の導入を1日も早く、日本全地域どの路線にも広めて欲しいものである。横浜市内の詳しい『車いすガイドマップNO5』は、横浜市福祉局福祉のまちづくり課(TEL671-2387)で発行している。
 先日、神奈川県障害者自立生活支援センター(キルク)で活躍している友人から、『車イス鉄道ガイドブック(かながわ版)』と『障害者MAP鉄道路線図(かながわ)』が送られて来た。この『車イス鉄道ガイドブック』は、県内ほとんどの駅の改札・構内・ホームまでのエレベーター、エスカレーター、スロープ、昇降機、点字手すり、階段(明暗)、電話(車イスでの)、駐車場、トイレ(洋式・車イス用)、自動券売機の点字表示、点字の案内、点字ブロック、改札口(車イスで通れる幅があるか、いつも使える状態か)、ホームまでの段差が何センチにいたる細部まで、2年間かけて調査してある。また、主要駅の乗り換えルートやリフト付きバス、車イスの介助方法等も掲載されている。『障害者MAP鉄道路線図』には、車イスで使用可能なトイレやエレベーター、スロープ、エスカル(箱型階段昇降機)、段差スケット(油圧式上下移動機)、チェアメイト(キャタピラ式階段昇降機)まで表示されている。JR東日本では、車イス対応の設備機器(エスカル等)は、可能なかぎり高齢者やお困りの方にも使用が出来るとのこと。驚くほど細かく調べあげられたガイドブックとMAPは、『だれもが使える交通機関を求める全国大行動神奈川実行委員会』が1998年4月1日に発行したものである。これは、キルクで販売している。『だれもが使える交通機関を求める全国大行動』とは、毎年、10月10日に車イス当事者が車イスで利用出来ない駅に集い、エレベーターやエスカレーターの設置を求めて要望している会の事である。車イスで利用出来る駅は、元気な人でも利用しやすいはずである。
 *車イス鉄道ガイドブック(かながわ版) 1冊1000円(MAP付き、送料300円)
 *神奈川県障害者MAP鉄道路線図 MAP300円送料込み
  発行:だれもが使える交通機関を求める全国大行動神奈川実行委員会
  問い合わせ先:〒243−0035 厚木市愛甲953-2 神奈川県障害者自立生活支援センター(キルク)
  TEL:0462-47-7503 FAX:0462-47-7508
 神奈川県障害者自立生活支援センター(キルク)は、自立をしたい人に『今、何がしたいですか。どこへ行きたいですか。どう暮らしたいですか。そして、あなたが創る生活。みんなで暮らす地域や一緒に創る社会』と呼びかけ、ピア(仲間)・カウンセリング、情報提供、介助者の養成などを行い、障害者自信の立場から障害者の自立生活を総合的に支援している。人権権利擁護や障害者施策の研究、提言、障害者問題の社会への啓発などを障害者自身の視点から行い、真に『共生の社会』を目指している。障害を持つ人が、地域で自然に生活するためには、介助やアクセスのある住宅や環境・働く場などが必要。どのように生きるかを自分で決定し、選択し、自立生活を実現させるために、何が必要か『キルク』はその人と共に考え、支援している。やはり、障害を持つ者の悩みは、同じ障害を持つ者の方が、具体的によく解る事が多いのだ。
 急速に高齢化社会が進み、障害者の社会参加やノーマライゼーションが叫ばれつつあるなか、障害者や高齢者が自由で安心した社会生活を送るには、現在の社会環境は必ずしも充分とは言えない。どんなに健康な人も必ず老いていくのだから…。