昨年も、いろいろな所で講演をさせて戴き、多くの方と出会う事ができた。公田小学校では、講演後、『贈り物』という歌を全校生が手話をしながら合唱してくれて、とても感動した。今でも、みんなが一生懸命歌ってくれた姿が眼に浮かぶ。小学校での講演は、2度目の経験になるが、今回は小学校低学年の生徒達も聞くとの事で、『どう話したら、分かるかな?』と考えてしまった。小さな子供とは言え、その感想にビックリ。きちんと話を聞いていたんですね。マリちゃんに、感想文を見せると驚いていた。小さな子供でも、なかなかしっかりしたもんだ。なかなか良い感想がたくさんあるので、その一部を皆さんにも紹介しましょう。なかなか立派なものなので、将来の日本が素晴らしくなるような気がする。
【小学1年生】
『いとうさんがくるのをたのしみにしてたんよ。れんしゅうして、あんなきれいな絵がかけると思いました。』
『いとうさんと、また、あいたいと思っています。』
『わたしは、いとうさんのはなしをきいてびっくりしました。先生がなみだがでてました。わたしもかんどうしました。』
『いとうさんは、くびのほねをおっていたかったでしょうね。わたしは、かいだんにあった絵をしゃしんと思いました。いとうさんて、くちでかいてたんだな。すごいんだなと思いました。』
『いとうさんすごいね。だって口ですごいじょうずな絵ができるんだもん。』
『このまえ、そのはなしをきいて、じぶんがあんなことになったら、いやなきもちになってしまいます。でも、あんなきれいなな絵がかけるなんて思わなかった。』
『このまえのおはなしをきいていたら、ふしぎに思いました。いとうさんのおはなしをきいていたら、ねむくなりました。』
『でんどうくるまいすは、みたことはなかった。』
【小学2年生】
『トイレは、どうやっているんですか。』
『そんな体でも、頑張っている伊藤さんが、光のような人だと思います。命が、そんなに大切だなんて、思ってもいませんでした。』
『肩と首の所ぐらいしか動かなかった。』
『伊藤さんは、手も足も動かないなんて、かわいそうで、私が代わってあげたいです。』
【小学3年生】
『体が大きいので、立てたらどのくらいかきなと思いました。』
『絵がとても好きになってしまい、ずっと絵を見てました。』
『伊藤さんが帰った頃、とても寂しくなりました。』
【小学4年生】
『伊藤さんが、"2つの壁を乗り越えた"と言っていました。僕だったら2つじゃすまないと思います。』
『私もまねっこをして、家で筆を口にくわえて、絵を描いてみたんですが、なかなか四角も描けませんでした。』
『生きる事を絶対に、忘れないで下さい。』
『俳句:伊藤さん 口にくわえて 絵を描くぞ!』
『僕は、"死んでもいい"と言う時があります。でも、この"生きる"と言う言葉を聞いたら、"生きなくちゃーいけないんだ"と思いました。』
『ここで1句:伊藤さん 人生なんて そんなもの』
【小学5年生】
『たった1つの気の緩みだけで、あんな一大事になってしまうなんて…。伊藤さんに、力をくれたのは看護婦さんでしたね。看護婦さんの力で立ち直れたと思います。あの看護婦さんがいなければ、一生苦しみに落ちていたと思います。』
『僕は、凄く、命の大切さを知りました。そして、伊藤さんはこう言いましたね。"たとえこんな体でも、生きているだけで充分じゃないか"この言葉を聞いた時、僕は心にぐっとくるものがありました。』
『サッカーの練習で、伊藤さんと同じように、電動車イスに乗った少年がいた。友人が"それ自動?"と、たずねると"うん"と小さな声で言った。その後、練習の時に少年を見てみると、一生懸命歩く練習をしていた。"あ、そうか"その時、何故車イスに乗ったいたか分かった。』
『生きる事が嬉しく思います。この命、地球でたった一人の私、大切に育ててゆきたいです。』
【小学6年生】
『体が動かなくなった時のお話をしている伊藤さんの表情は、雨が降りそうなほどの顔をしていました。けれど、絵を描くようになった時の事をお話する伊藤さんの表情は、空が晴れたような表情をしていました。その顔を見て、私の心はスーッと晴れました。人は、いくら気持ちが沈んでいても、大好きな事ができれば、また、立ち直って、その夢に向かって、頑張っていくんだなぁと思いました。』