昨年、12月にショートステイのため“らいず”に2週間行った。らいずとは、身体障害者療護施設と地域ケアプラザとの複合施設のこと。ショートステイ中は、普段出会えない多くの人と接することができる。今回は、身体の小さい20歳の男性と知り合った。彼に何度話し掛けても返事が返ってこない。彼は、話すことができなかったのだ。毎日挨拶をしていると私に近寄らなかった彼が、ある日から私の腕をつかんで離れなくなったのだ。話すことができなくても話し掛けることによって、何かを感じ取ってくれていたことが分かった。嬉しい出来事であった。また、高校で柔道をしていたが病気で片マヒになった若者とも出会った。彼は、常に喋りまくっている。なかなか、人の話を聞かない。その彼が、元柔道部の先輩の話は聞いている。先輩達は、遊びに来た時、リハビリを兼ねて外に連れ出していた。高校を卒業しても、彼と接している先輩達に感激した。今回のショートステイは、クリスマスシーズンとあって、らいずのクリスマスパーティにも参加した。歌やゲーム、ショーなどで盛り上がり、久しぶりに大騒ぎできた。また、外出が自由なので、買物に行ったり、“ハリーポッター”の映画も観に行くこともできた。今は、映画館もバリアフリー化して、私の電動車イスでも楽に観られるのだ。今回のショートステイも、とても楽しく過ごすことができた。
その分、今年の年賀状作りがとても大変になってしまった。昨年は、絵を描く時間がないほど忙しく、絵の完成が遅れて、絵の撮影ができていなかった。毎年、新作の絵を近所のスタジオのご主人に撮影してもらっていた。その写真を年賀状にしていたが、今回は撮影ができなかったのだ。困って思いついたのが、“ごぼうハウスPC”だ。ショートステイ中に、いつもお世話になっている“ごぼうハウスPC”に電話をしてみた。ごぼうハウスとは、障害を持つ者が、PC…パソコンを通して、自らの社会参加を目指し、実作業に積極的に取り組んでいる新しいタイプの横浜市障害者地域作業所のことである。以前から、ごぼうハウスの職員の佐久間さんや大谷さんに、今まで描きあげた水彩画をスキャナで取り込み、CD−Rに焼き付けてもらっていた。それをホームページで紹介するためである。年末の忙しいときにもかかわらず、年賀状をお願いしたところ快く受けてくれた。新作の「陽だまり」の絵を持ち込み、年賀状に印刷してもらった。初めて、プリンターで印刷してもらったが、なかなかのできあがりで、原画より雰囲気がよかった。後日、追加の年賀状をお願いしたところ、ごぼうハウス所長の岡村さんがわざわざ自宅まで届けてくれた。岡村さんは、車イスに乗った明るくて優しい方で、ごぼうハウスを維持するため、いつも飛び回っている。また、スタッフや利用者の方も親切で、とても居心地がいいのだ。
ごぼうハウスの設立は、平成9年4月に障害を持つ16名のメンバーが集まり、1台のパソコンから作業所「ごぼうハウス」が誕生した。この作業所では、障害者にとってパソコンは、『可能性を秘めた箱』と捉えている。パソコンは、障害によって低下してしまった身体機能を補ったり、障害者が秘めている『能力』を引き出したり、高めたりできる。たとえば、手足に重い障害があっても、「音声認識機能」を用いることによって、ワープロを操作し、マイクに向かって話せば、文章や手紙を書くことができる。視覚障害のある方であれば、「点字ディスプレイ」や「読みあげソフト」を用いることによってパソコンの操作もできる。他にも、様々なパソコンのテクノロジーを組み合わせることによって、今まで不可能だったことが可能になり、困難なことが容易になるのである。さらには、インターネットを活用することによって、場所や時間を問わず情報が得られ、逆に情報を提供することもできる。また、最近では急激に浸透してきたE-mailを用いれば、友達や家族はもちろん、インターネットで知り合うことのできなかった人たちとの交流も容易に得られる。そして、これからの障害者にとってのパソコンは、可能性を発展させ、『就労』へと結びつけられる。就労することによって、得られる喜びというのは、障害者も健常者も変わらない。自分の力で得られる収入の喜び、家族の協力を得なければ手に入れられなかった物を買う喜び、自分の力で得た収入で生活をする喜び、など、パソコンを最大限に利用することによって、「障害者として」ではなく、「人間として」当たり前の社会参加や社会貢献が可能にできると訴えている。私もこの考えや趣旨には、同感である。今では、点字入り名刺、あいさつ状などのハガキ印刷、ホームページ作成と管理、パソコンによるデータ入力、大型展示カラーパネルの作成など、一般的な資料作りばかりでなく、企画・デザインを絡めたより品質の高いものを作成している。パソコンが好きな方、デザインが得意な方、お世話好きな方などなど…。詳しくはメールまたはTELにて受付けています。
今回もショートステイ中に、いろいろな人と出会いがあり、友人の和がまた広がった。
ごぼうハウスPC、E-mail:gobou@pc.email.ne.jp、TEL:045−948−5963。