トリニトロンブラウン管の寿命が短いとのクレームに対応するため、或る販売会社(ソニー商事)に出向きました。 販売会社・社長以下、30名弱の社員が会議室で待ち構えていました。最初に社長からクレームについて説明を受け、本社としての回答を要請されました。 社員の皆様のご苦労への謝辞のあと、全員にメモ用紙を配布し、お客様に満足していただけるブラウン管の寿命(年数)を記入してもらい回収しました。社長も大変興味を持ち、「他人と相談せず、自分の思う年数を書け」と号令し、メモ用紙を回収してくれました。 ホワイトボードの横軸に年数を書き、該当する年数が記入されたメモ用紙を縦方向に貼って行きました。2年~7年のきれいな正規分布になり、参加者全員が驚きの表情でした。 ブラウン管寿命クレームのバラツキ、お客様の累積使用時間(ブラウン管の寿命に影響)、ブラウン管自体の寿命のバラツキ等も同様の分布になることを説明しました。 同時に、トリニトロンブラウン管の技術・製造部門が、ブラウン管自体の長寿命化とバラツキを小さくする努力をしている具体例を説明しました。 上記の説明を参考にして、個々のクレームや問い合わせに対応していただく様にお願いしました。幸い、社長以下参加者の皆様には理解していただい様で、和やかな雰囲気で会議を終わりました。 数多くのクレーム処理や説明の場に立ちましたが、何を、どの様に理解していただくか、その場で臨機応変に対応するには、緊張感と工夫・努力が必要でした。 |
2,016年6月5日 掲載 |