メモ帳

出合った書籍や人の言葉から、気になったセンテンスを抜書きしたメモ帳です。


情報氾濫のもたらすもの/石原慎太郎(2006年12月4日 日本よ/産経新聞)

  • 人間はさまざまな体験によって育まれ成長し、それぞれの個性、感性に依る試みを成就することで社会に対する己の人世の意味合いを感知し、さらなる生きがいを知り、新しいい意欲を造成していくものだが、情報の氾濫が既知性で社会を覆えば社会そのものが衰退していくのは道理だろう。

「IT」革命から「I革命」の時代へ/梅田 望夫(2006年11月18日/産経新聞)

  • 「情報についての革命的変化」が、私たちの想像を遥かに上回るスピードで進行中である。
  • 今起きていることは、「情報(I)」そのもののありかたが劇的に変化しようとしていることこそがその本質だと理解すべきである。
    10年後、20年後には、ありとあらゆる情報がさまざまな角度から整理され、誰もが瞬時に入手できるようになる。
  • 新しい情報環境をイメージした時に重要性を増す能力とは何なのか。
    たとえば、能動的に情報を検索する能力、断片的な情報から物事を俯瞰する能力、情報の真贋を判断する能力、異質な情報を組み合わせて新しい価値を生み出す能力・・・

阿久悠 書く言うより(2006年11月4日)
  • たぶん、ぼくらは傾いて立っている。背景も隣人も同じ角度で傾いているので、傾きに気が付かないという状態にあるのだ。倒れて初めて気がつくという、怖い状態にあるのではなだろうか。
  • その国にはその国の、その民族にはその民族の、それぞれが美しいと思えたり、心地いいと感じられる生き方の規範ーたぶん、文化というものがそれであろうーのようなものがあるのだが、ある時ぼくらは、それを曖昧にしてしまった。

「ウェブ進化論」(梅田望夫)より(2006年9月)

  • 「インターネット」「チープ革命」「オープンソース」という「次の10年への三大潮流」。
  • ネット世界の三大法則
    第一法則:神の視点からの世界理解(全体を俯瞰する視点)
    第二法則:ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
    第三法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=Something あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積
  • 「オープンソース」とは「知的資産の種がネット上に無償公開すると、世界中の知的リソースが自発的に結びつき」しかも集権的リーダーシップが中心に無くとも、解決すべき課題に関する情報が共有化されるだけで、その課題が次々に解決される」という原理原則に基づき、複雑な構築物でも開発できるという発見を意味していた。
  • グーグルは自らのミッションを「世界中の情報を組織化(オーガナイズ)し、それをあまねく誰からでもアクセス出来るようにすること」と定義している。

「富の未来(アルビン・トフラー、ハイジ・トフラー)」より(2006年9月)

  • 現在、「時間・空間・知識」という基本的な領域で、急激な変化が起こっている。
  • 第三の波の革命的な富では、知識の重要性が高まってゆく。その結果経済は大きなシステムの一部という地位に戻り、よかれ悪しかれ、文化、宗教、倫理などが舞台の中央に戻ってくる。文明全体にわたる変化なのだ。
  • 個人も企業も組織も政府もすべて、過去のどの世代も経験しなかったほどの急激な未来への旅に直面している。

「森村誠一の写真俳句のすすめ」より(2006年6月)

  • あらゆる創作のジャンルにおいて、受け取り手がいなければ創作物は存在しない。受け取り手なき表現は表現たりえない。
  • 芸術分野においては、受け取り手が作品にどんなに感動しても、簡単に受け取り手から作家に変わることは難しい。
    ところが、特に文芸の俳句においては、読者から作家に最も簡単になれる。凡句であっても俳句であることに変わりない。
  • 俳句は凝縮の芸術である。知識や情報の集積でなく、情緒の凝集といってもよい。「夏草や兵どもがゆめの跡」や「荒海や佐渡に横たふ天の川」のように、莫大な歴史が凝集されていても、そこにはディテールの記録はない。歴史の情緒が凝集されているのである。

「偶然とは何か」(イーヴェルエクランド)より(2006年6月)

  • 株式市場で、価格を決めるのは市場(マーケット)である。そして市場とは、世界中の投機家たちが、他の投機家たちの出方を想像して立てる予想の総体のことなのだ。
  • おそらく真相は、株式市場の95%で起こる値動きの95%が、ブラウン運動で(予測とまではいかなくても)説明でき、残りの部分で人間の才覚が発揮される。

「音楽と人世」(中田喜直)より(2006年6月)

  • 音楽にとって一番大切なものは、先ず静か、という事である。そこから音楽が生まれるのだから。
  • 絵を描こうとする時、キャンパスが非常に汚れていたり、既にもう何か描かれていたら、本当の絵は描けないと同じように、雑音、騒音の中からは、本当の演奏も作品も生まれない。




「砂漠の戦争」(岡本行夫)より(2006年4月)

  • イスラムは世界に約13億人の信者を擁し、なお拡大を続けている。
  • 永遠の来世を天国で過すか地獄に閉じ込められるかは、ほんの一瞬の現世の間に決まる。現世は来世のためにあるのである。これが、信者の五臓六腑にしみわたっているコーランの重要なテーマである。
    天国にいく最も確実な方法は、神のためのジハード(自己犠牲)である。
  • 今のアメリカは、イスラムに対する警戒心がある。特にシーア派への怖れが固定化しつつある。スンニー派は基本的には政教分離だが、シーア派は政教一致で宗教が政治をコントロールしようとする。

「ローマから日本が見える」(塩野七生)より(2006年3月)

  • あらゆる特権の中で最も強力なものと言えば、拒否権にほかなりません。拒否権を持つか持たないかによって、その人物の権力は天と地ほども違ってくると言っていい。
  • もし、リーダーが大衆に迎合することだけを考えていたら、民主政治はたちまち衆愚政治にと堕落してしまいます。かといって民主政のリーダーが世論を無視すれば、たちまち失脚の憂き目に遭う、又これも事実です。
    市民がみな等しく政治プロセスに参加するという民主政は一見理想的に見えながら、それを機能させようとすれば、優れたリーダーが不可欠という矛盾を秘めている。
  • ローマ連合が機能するには、何よりも先ずローマと同盟国、言い換えるならば勝者と敗者が運命共同体を形成いすることが不可欠であることに、ローマ人は気づいていました。
    それには口先だけの友好を唱えていては意味が無い。物心ともの交流があってこそ、はじめて勝者と敗者は融合していく。ここに気づいていたローマ人の知恵はやはりすごちと率直に感嘆するしかありません。
  • 国際化とはたしかに美しい単語です。しかし、それは一つ道を誤ると自分自身のアイデンティティーを失った根無し、単なる根無し草に終わる結果になりかねない。ローマ人はその危険性を良く知っていたのだと思います。
  • 単に統率力があれば、それでリーダになれるわけではない。人を率いる才能と同時に、人に慕われる才能を持っていなければ、周囲は彼をリーダーとして認めない。
  • あらゆる歴史の物語りはそのディテールにこそ本当の醍醐味がある。不十分なあらすじは、歴史を読む愉しみを失わせるだけなのである。
  • ローマ人とはあくまでも現実主義の民族であり、観念論でかくあるべき、と考えるギリシャ人とは違うメンタリティーの持ち主であった。
  • 「寡頭政治」は、その組織力や安定度においてたの政体よりも優れているかもしれない。だが、広大な領土をコントロールするには、何よりも効率が要求されるようになる。言い換えればスピードである。
  • 真の改革とは、結局のところリストラクチャリング、つまり再構築することである。自分達の体質に全くないものを外部から持ってきて移植してうまくゆくはずはない。改革とはまず自分達の持っている資質や特質の、どれを生かし、どれを捨てて組み合わせていくかという再構築の形を取るしかないのです。
  • 広大なローマ領を統治するには、中央集権一本槍ではできない。あくまでもケース・バイ・ケースで行う。これは古くからローマ人が活用してきた知恵です。
  • 人間の行動原理の正し手を
    ・宗教に求めたユダヤ人
    ・哲学に求めたギリシャ人
    ・法律に求めたローマ人
    同じ信仰を持っていなくても、同じ知能レベルになくとも、法というルールを守って生活している限り一緒に生活してゆける。
  • 国家に限らずあらゆる組織が衰退するのは、人材が払底するからではありうません。人材はいつの世にも居るし、どの組織にもいるのです。ただ衰退期に入ると、その人材を活用するメカニズムが狂ってくるのです。

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