日本画は有形の物象を籍り来たって、無形の霊性を創造し、物象とその奥に潜む無形との渾然一如の相を表現し又は象徴する。客観的事物を単に写実的に説明するのではない。 近時の日本画は、絵を心で描く事なく、単に手を以って描いているに過ぎない。単に眼の命ずるところによって駆使される技法では、それは、事物の客観的に形象を、ただ表面的に説明するにとどまっている。物象の真実なる生命を表現することは出来ない。心の命ずるところに手が従ってこそ、始めて事物の形象との、渾然たる相を表現することが出来るのである。 |
ジョブスの目指すのは、光も闇もある混沌とした大都会のようなインターネットの世界から、制限区域内を歩く分には塵一つ落ちておらず、いつでもにこやかな接客が受けられるディズニーランド的世界を切り出して利用者に提供することなのである。そこにこそ最大の価値があると信ずるジョブスは、さまざまな自由を束縛することをいとわない。 グーグルはインターネットをインターネットたらしめている開放性と自由を信奉し、オープンなイノベーションが生まれやすい環境を用意しようとしている。ただそこには「技術の進歩を妨げる閉鎖性や不自由には徹底抗戦する」というグーグルのやや危険な技術進歩至上主義思想も垣間見える。 |
レヴィ・ストロー(1908年11月〜2009年10月) |
最近、米国政府関係者がインターネット空間を、空、海、宇宙と併置して「グローバルコモンズ(共有地)」と呼ぶことが多くなってきているように思う。 これからのウェブ世界は、欧米の価値観やイデオロギーに強く牽引された「共有地たるグローバルウェブ」(主に英語圏)と、「政治体制や文化・言語圏に閉ざされたローカルウェブ」がせめぎあい、分断されて林立する時代を迎えるであろう。 |
人間の脳の最も重要な働きに「偶有性への適応」があります。「偶有性」とは、”ある程度規則性はあるが予測はできない」ということ。 現代においては予測しきれないことも多く、それに対してわれわれがいかに適応するか、また適応できる次世代をどう育てるかが、研究・教育のもっとも重要ではないかと思います。 |
日本の作庭家の仕事は、海外の場合とは異なります。海外の場合は、「こうやろう」という作者の意思が先にたちますが、日本の場合は全く逆。庭園のデザインをするよりも、まずはその場の特徴を汲み取り、その場に漂う空気を考えることからはじめます。 その場所を、誰がどのような時に使うのか、ということを明確にする必要があります。なぜなら、作庭家の哲学や自然との向き合い方、さらには価値観や美意識、教養というものが集約され、一つの庭園空間が作る出されるからです。 現場では「石心を読む、木心を読む」といって、一つひとつの石や樹木が持つ個性を引き出し、一つの空間造形芸術にまとめてゆきます。 |
幼稚な人間とは知能指数が低いとか、ものをよく知らないということではない。何が肝心かということを考えようとしない者のことだ。 |