★緊急企画 「私が読んだ洋書ベストはこれだ!!2001年版」★


☆今年読んだ作品から、ベストだと思うものを挙げて下さい。今年出版されていなくてもOKです。
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★2000年版は、こちらから

ごろんちょ さん

『Boy's Life』
Robert R. McCammon

私の今年度のベストは何といっても、ロバート・R・マキャモンのBoy's Lifeです。 マキャモンといえば、ホラー作家ということで、長らく敬遠していたのですが、この作品は、ひとりの作家が少年時代を懐古するという設定で描かれていて、とてもファンタジー色の強い作品に仕上がっています。

ひとりの少年とその父親が、殺人事件(とおぼしき)現場を目撃したところから始まるこの物語は、 けれども犯人探しは二の次で、その過程で遭遇する様々な経験が少年の視点から瑞々しく綴られています。

YK. さん

『Perdido Street
Station』

China Mieville


『The Sea Came in
at Midnight』

Steve Erickson

うーん、今年読んで一番面白かったのは、Greg Egan のDistress (長編)とAxiomatic(短編集)だった気がするけれど、この作家は去年も上げたので、、、China MievilleのPerdido Street Stationにしましょう。 これは人に紹介してもらって読んだもの。最初、背景が今一つ立ち上がらなくて頭上に???を散らしながら読んでいましたが、ストーリーが転がり始めると、ええい、細かいことなんかどうでもいい!とばかりに、頭上の??何ぞむしり取って物語の奔流に身を投じてしまいました。そうこうしているうちに、舞台となった大都市New Crobuzonが、圧倒的な質感を持って立ち上がってきたのには驚嘆。一時は、この奔流のような物語もこの都市を描きたいがために造られたのではないかと思われたほどです。ラストの苦さは生半可な犯罪ミステリーなど太刀打ちできないものになっています。次回作も、同じ都市が舞台だということで楽しみにしています。

普通の小説からあげるのなら、The Sea Came in at Midnightかなあ。Steve Ericksonらしい幻想性の強い話ですが、あいかわらず展開されるイメージの濃密さはすごい。それにちょっとした細部がよく利いていて、うまいなあ、とわくわくさせられました。でも、この作家の頭の中は、ちっと謎です。同じ作家のAmnesiascopeも今年読みましたが、The Sea Came in at Midnightの方が好み。

ぷらむ

『The Last Coyote』
Michael Connelly


『Hot Six』
Janet Evanovich

新しい作家・シリーズを開拓していって、お気に入りのものをみつけていくのも読書の楽しみの1つです。 今年気に入ったシリーズから2つピックアップしたいと思います。

1つはマイケル・コナリーのハリー・ボッシュ刑事シリーズ。ミステリもさることながら、ハリーの内面にぐいぐい食い込んでいく手法は凄い。 対照的に「お気楽」に読めるのが、ジャネット・イバノビッチのステファニー・プラム・シリーズ。どたばたあり、ラブコメありでとても楽しいシリーズです。

どちらのシリーズも読んだことのない方には是非オススメしたいです。ここには、代表作をのせていますが、もちろん最初から読んで下さいね。

mika さん

『The Hottest State』
Ethan Hawke

読んだ冊数が少ない割にはアタリが多かった年 といえるかな。まず、Thomas H. CookのPlaces in the Dark。 はずれもあったけど、やはりクック大好き。特にこの作品は 彼のベストと思います。 そしてOrson Scott CardのLost Boys。これはすごかった。 そして読了したばかり、Ethan HawkeのThe Hottest State。 あの俳優イーサン・ホークですよ〜。 彼は間違いなく作家の才能もあると思います。って、 私に太鼓判押されてもしかたないだろうけど。

この3作品ですが、でも一つにしぼりなさいと言われたら、1番目と 2番目は有名な作品ですし…。 あまり読んでる方が少ないかもということで、 「The Hottest State」とさせてください。来年は、2作目、 「Ash Wednesday」が出ます。ぜひこれも読みたい!

Shira さん

『Places in the Dark』
Thomas H. Cook

本年度の「この一冊」は T. H. Cook の Places in the Dark ですね。Breakheart Hill もよかったけど、登場人物の陰影の 深さという点でこちらが印象に残りました。

永橋さん・ピカードさん・mikaさんなど、Cook愛好者がたくさん いらっしゃるのですね。

その他には・・・ Angela's Ashes (Frank McCourt) The Economist (はい、週刊誌の、です)

Economist と TIME との両方を読む時間がないので、TIME とは来年1月でおさらばです。1年契約を1回、3年契約を 3回。飽きずに楽しく読める雑誌でした。

shu さん

『The Constant
Gardener』

Johan Le Carre

うーむ、悩みましたがJohn Le CarreのThe Constant Gardenerにさせて頂きます。アフリカに巣食う欧州の巨大製薬会社vsアフリカのケニアはナイロビの英領事館駐在員の奥さん、という構図で、十分読ませる内容です。Le Carreは実は初めて読んだのですが、とても読み応えがありました。この「読み応え」とは何か、というのは少々説明が難しいのですが、要は、決してすらすら読めた訳では無いけれでも、もう一度読み返したいと思わせる何かがある、という感じです。Nativeだったら、言葉の障壁無しにどっぷり物語に浸れたらどんなに感動できただろう、と少々悔しく思った本でもありました。

KEI さん

『The Wind-Up Bird
Chronicle』

Haruki Murakami

私の今年の 1冊はHaruki MurakamiのThe Wind-Up Bird Chronicle です。日本原書だけどUSAの書店で買ったので洋書の部類に 入れていいかと?いづれにしても99年頃の小説だから 新しいものではないけど御許し下さい。村上春樹は英語で 読んだ方があっさりして爽やか度が高いと思います。日本語 ではややくどい感じになり、表現が好きではありません。

Roadrunner さん

『Mystic River』
Dennis Lehane


『Darkness More
Than Night』

Michael Connelly

フィクションは良い本を多数読んだから10冊にしぼる事もできない。…と言うわけで、今年アメリカで出版された本に限らせていただきますと、Mystic River (Dennis Lehane)とA Darkness More Than Night (Michael Connelly)が一番気に入りました。あとThe Bottoms(Joe R. Lansdale)も入れたいところですが、これは去年の終わり頃の出版でした。お気に入りのR.CraisとS.Hunterの新作がイマイチだったのは残念。

ノンフィクションの方は今年は新しいものをあまり読まなかったのでいずれも数年前に出たものですが、Homicide: A Year on the Killing Streets (David Simon)とMarine Sniper: 93 Confirmed Kills (Charles Henderson)がベストでした。両方とも激しく感情移入しました。


『Homicide』
David Simon


『Marine Sniper』
Charles Henderson

オリーブさん

『Hard Frost』
R. D. Wingfield


『Mystic River』
Dennis Lehane


『Tell No One』
Harlan Coben

うーん、迷ってしまいます。で、結局フロストにいっちゃうんだなあ。はい、そんなフロストおじさんシリーズの中でも"Hard Frost"で、いかがでしょう。
手堅いプロット、随所に光る読ませどころ、強烈なインパクトを与える脇役陣。スリル、笑い、感動の三拍子つき。あ、ぷらむさんは随分昔に読了なさっているんですよね、この一冊。
では、レヘインとコーベンから"Mystic River""Tell No One"を挙げさせていただきます。
ピカードさん

『Section31:
Shadow』

Dean Wesley Smith
Kristine Kathryn Rusch

今年のベストワン。よくわからんしあまり覚えてないけど、その中で 印象に残ったのは
Shadow by Dean Wesley Smith and Kristine Kathryn Rusch
Seven of Nineが主役となるこの本はVoyagerファンで、かつ Sevenファンにはたまらん作品でしょう。もっともこれはスタートレック のVoyagerシリーズではなく、Section 31 というシリーズの3作目と いうことです。旧スタートレックとDS9がそれぞれ1作目と2作目だった ような気がします。それぞれのシリーズに共通なテーマということで スケールが一層大きくまた不気味でもあります。
Voyagerシリーズとしてみてもかなり質の高い作品でした。
ま〜くさん

『Places in the Dark』
Thomas H. Cook

ま〜くは,今年は山ばかりで,余り読みませんでしたが,

Places in the Dark / Thomas H. Cook

がベストでした。 雰囲気が素晴らしかったです。

ニヤリ本舗さん

『Hard Frost』
R. D. Wingfield

今年のベストブック…。結局読みかけのはもう読み終わりそうにないので決めてしまいました。
ベストはオリーブさんと重なりますが、"Hard Frost" R.D.Wingfield で。あれだけいろいろ詰め込んで、何とかしてしまう力技! 平伏してしまいます。フロスト警部のオヤヂの魅力も捨てがたいし(笑)。
パンプキンフェイスさん

『Changing Places』
David Lodge


『A Fish Caught
in Time』

Samantha Weinberg

今年は10冊くらいしか読んでいなくて、絶対これ!というのもないのですが、(Moby Dick は結局未読だし)期待してなかったのに面白かった、続編を読みたい気持ちにさせられたというところで、David Lodge の Changing Places を選びました。アメリカとイギリスの大学教授(モデルになっているのはバーミンガム大学とカリフォルニア大学バークレー校だと思われます)がお互いに交換教授(というのですかね?交換留学の教授版)をする話です。笑えます。

ノンフィクションでは、A Fish Caught in Time by Samantha Weinberg シーラカンス発見記です。

rain voice さん

『The Green Mile』
Stephen King


『The Night Listener』
Armistead Maupin

1. "The Green Mile" by Stephen King
2. "The Night Listener" by Armistead Maupin
3. "Code To Zero" by Ken Follett
4. "The Empty Chair" by Jeffery Deaver

この順番は形式的なもので、どれがより優れているか、というものではありません。 まず、"The Green Mile"ですが、キングの数ある作品の中でも、もっとも優れた作品の一つだと思いました。神とは、良心とは何か、というテーマが、いつもの不可思議なキング節で語られ、素晴らしいです。

"The Night Listener"は擬似親子関係を通して、本当の信頼とは、について書かれていてウーン、と唸る作品です。所謂ミステリーではなく、純文学になるのでしょうが、ミステリー部分もあって、読まされました。

"Code To Zero"は、主人公がいきなり記憶喪失になっているところから始まり、自分はいったい何者か、なぜ記憶喪失にならねばならなかったのか、を探す話です。でもそこから結末まで、怒涛の勢いで読ませます。流石、ケン・フォレットですね。

"The Empty Chair" はおなじみリンカーン・ライム物です。いつも通り最後の最後までハラハラドキドキ私たち読者を追いつめてくれます。このシリーズは読者を裏切りませんね。次作も楽しみです。


『Code To Zero』
Ken Follett


『The Empty Chair』
Jeffery Deaver