★ペーパーバックのススメ★


ペーパーバックを読むといいことがたくさんあります。
ここでは、ペーパーバック普及活動の一環として、思いつく限りの理由を挙げてみます。

◆1.英語の学習になる◆
やはり、まずこれでしょう。
時々、「TOEICの点が伸び悩んでいます。何かアドバイスをお願いします。」といったメールを頂くのですが、 いつも「多読・速読をしましょう」とお答えしています。
それは、下に述べる理由からです。そして、最も楽しんで読めるのが、ペーパーバック(洋書)なのです。


あるMLへの投稿より抜粋して加筆

私は、昨年(1998年)の短期語学留学前後の3ヶ月で 660点から840点にアップしました。 そのとき感じたのは、「Reading」の重要性です。

留学していたときは、確かに語学学校に通い、文法についても仮定法を中心に復習しまし たし、たくさんの英語を聞きました。 でも、学校で習った文法なんてTOEICに出ても数問だったでしょうし、Listeningが 伸びた、とは全然実感できませんでした。

では何が伸びたかというと、Readingの速度です。
授業などを含め、多くの英文(テキスト、Newsweek)を読まされましたし、自分でも ペーパーバックを読みました。

TOEICは、問題数が多いので、設問を解くスピードが大切です。
Readingのパートは読む速度がそのまま影響しますし、実はLesteningのパートも選択肢 を読むスピードが非常に重要です。パッと選択肢が読めれば、聞くことに集中できます。

またTOEIC対策だけではなく、多くの英文を速度を意識して読むことによって、英語を語順のまま理解すること、 知らない単語の意味を文脈から類推する能力が身に付きます。これはリスニングにも非常に役に立ちます。

ですから、壁に突き当たっている方には(壁に突き当たってなくても)、私は大量の英語 を、ある程度 速度を意識して読むことをオススメしたいのです。

では、何を読むか。
つまらないもの、興味のないもの、難しすぎるものを読んでも3日坊主か、すぐ眠たくなるのが 関の山です。
そこで、ペーパーバックです。 児童向けや語彙数が制限されているペーパーバックもありますし、お気に入りの シリーズや作家のものを読むのもいいでしょう。
また、映画のノベライゼーション版なんかもいいかもしれません。
シドニイ・シェルダンなどは、簡単で面白いという話です。ジョン・グリシャムは割と 易しくて、全ての作品が映画化されていますので、映画を見てから読むのもいいでしょう。 とにかく自分の興味のあるもので簡単なものから入るのがベストです。

もし壁に突き当たっている人は、是非騙されたと思って、まず1冊読んでみて下さい。 伸び悩んでいる間に積み上げた基礎体力が、必ず結果となって現れると思います。

◆2.邦訳より早く読める・未訳の本が読める◆
これは好きな海外作家・シリーズのある方には、堪えられないメリットです。
英語の勉強としてではなく、こちらからこの道に引きずれ込まれた方も多いと思います。

例えば、私の大好きな「Harry Potter」。
日本語訳はまだ第1巻ですが、原作は既に4巻目が発売されています。(2000年7月現在)
この4巻目が日本の読者の目に触れるのは、おそらく2年以上先のことでしょう。

また、これまた私の大好きな「Frost警部シリーズ」。
「このミステリが面白い」に選ばれておきながら、第3巻以降の翻訳がどうしたことか 止まっています。原作は既に5巻目が発売されているというのに・・・。

他の人に先駆けて、好きな作家の本が読める。これにまさる幸せはありません。
もう翻訳されるのを首を長くして待つことはないのですから・・・。

 注)超有名な作家になると、ペーパーバックの発売よりも邦訳の方が先に出る場合もあります。

◆3.翻訳というフィルターを通すことなく原文を味わうことが出来る◆
私もまだまだその域まで達してはいないのですが、英語で読んだイメージが日本語と違う、というのはよくあります。
英語で原書を読んだ後、邦訳を読むと違うんですよ、イメージが。

例えば、一人称の使い方からして気になり始めます。「オレ」じゃなくて「僕」だろう、とか。
原作本を読んだ後で映画をみるとイメージが違うのと一緒です。
あるいは、字幕の映画をみてから、吹き替え版を聞くと、声の違いに愕然とするのと似ているかも知れません。
また、造語が使われている場合も、英語ではなんとなくイメージできても、無理矢理日本語にしてしまうとしっくりこない、 というのもよくあります。

また翻訳本の出来は、訳者の力量に左右されます。
翻訳をお仕事にされている方には耳が痛い話かも知れませんが、好きな作家の本は上手な訳者で読みたいというのは、 読者としての願いではないでしょうか。原作が読めれば、そんな不満を持つこともないのです。

とにかく、英語で書かれた本は、英語で読んだ方が自然だと思います。

◆4.邦訳を読むより安い◆
日本の本って高いんですよね。
昔(20年前)は、単行本っていったら200円台とか300円台だったのに、いつのまにか単行本で1000円以上もするものもある。
それに比べてペーパーバックは安いです。どんなに厚くてもだいたい$7.99。厚めのペーパーバックは日本語になると(上)(下)2巻、なんてこともよくありますから、倍近くすることも普通です。

特に酷い例を挙げますと、ロバート・ジョーダンのファンタジー、「時の車輪」シリーズ。
原作はこれはもう小さい字がぎっしり詰まった700ページ以上あるペーパーバックなのですが、値段は$7.99(1ドル110円で880円)。 一方、翻訳本は、これを4分冊して各600円ですから、なんと2400円にもなります・・・(^_^; 。

最近は、skysoft や amazon.com を上手に使うと、ほとんど原価前後で手に入りますので、もうそれは原書で読んだ方がお得なのです。