暗殺者「Conffin Dancer」。彼は、現場に全く証拠を残さない。唯一わかっているのは腕に、死に神が少女と踊っている入れ墨をしていることだけだ。
マフィアの犯罪の立証の鍵を握る3人の証人。その暗殺を阻止しようと立ち向かうのは、捜査中の事故で全身不随となった犯罪捜査官 Lincoln Ryme。
Coffin Dancerと Ryme との壮絶な駆け引きの幕が切って落とされた。
証拠の解析と犯罪者の心理から犯人を追いつめる、全身不随の犯罪捜査官 Lincoln Ryme シリーズ第2作。
前作は次の犯行のヒントを現場に残す犯人を相手に、いかに早く証拠を解析するかが勝負の知恵比べだったが、今回は暗殺のターゲットとなる証人、さらには自分さえもおとりに使い、犯人逮捕を試みる。
その犯人との手に汗握る裏のかきあいが大きな見所だ。
推理サスペンスとしての出来は一級品で、最後には私の大好きな"どんでん返し"もちゃんと用意されている。
オススメ度は、"★★★★"。
いじめられっ子 Stanley は、ある日学校の帰り道、空から降ってきたスニーカーを拾う。神の啓示と喜んだ Stanley だが、警察に逮捕されてしまう。
有名野球選手が孤児院に寄付した高価なものだったのだ。
無実の罪で少年更正施設に送られた Stanley は、毎日「穴」を掘らされる。しかし、その「穴」はどうやら違う目的があるらしいのだ。
邦題「穴」。数多くの賞を受けた児童文学。主人公の「ひいひいじいさん」が受けた呪いと、少年更正キャンプのある場所で過去に起こった出来事が絡まり合い、主人公の運命を変えていく。
伏線の張り方も見事で、楽しく読み進むことが出来た。英語も簡単でとても読みやすく、ペーパーバック初心者には特にお勧めしたい一冊。
オススメ度は、"★★★★"。
Hannibal Lecterが逃亡してから7年。Lecter に恨みを持つ大富豪 Verger は、復讐のため Lecter を捕まえ、生きたまま豚に食べさせようという計画をたてる。
一方、7年前 自分自身の情報と引き替えに、Lecter から情報を得て事件を解決したFBI捜査官 Clarice Starling は ある事件からスケープ・ゴートにされ出世の道を断たれながらも、Lecter の捜査を続けていた。
Verger の追っ手から優雅に逃げ延びた Lecter は、逃亡地フィレンツェからアメリカに舞い戻る。そしてついに2人の運命が再び交わる時が訪れる!
邦題「ハンニバル」。サイコスリラー・ブームの発端となった「羊たちの沈黙(Silence of the Lambs)」の続編。
サスペンス・スリラーというよりも、ハニバル・レクター個人に焦点の当たった作品となっている。残虐なシーンが多く、そしてさらに衝撃的なのがラストシーン・・・。
amazon.co.jp のcustomer review が平均の3つ星だったのが、納得できる。おそらく絶賛する人と、まったく受け付けない人に極端に二分されているのではないか。
スティーブン・キングは前者らしいが、残念ながら私は後者だった。
英語は非常に難しく、辞書なしでは読み進むことが出来ない部分がほとんどだった。しかもラテン語、イタリア語も頻繁に現れる。
あくまで個人的な感想だが、まったくオススメできない1冊だ。オススメ度は、"★"。
Louisiana 州 Bayou Breaux の女性保安官補 Annie Broussard は、仲間の保安官 Nick Forcade が男を袋叩きにしている現場に遭遇し、Nickを逮捕する。
しかし襲われていた男 Marcus は、ストーカー行為の末に女性を殺したものの、Nickが証拠をねつ造したとされ釈放されたばかりの男だった。
この事件が元で、Nick は停職処分となり、殺人犯を助け仲間を逮捕したことで Annie は保安官事務所で孤立する。
殺された女性の第一発見者でもある Annie は、自分で真相を究明することを一人決意する。犯人が Marcus だと信じるNick は停職中にも かかわらず捜査を続けようとする。
利害が一致した二人は、手を組むことにするが、果たして、真犯人は・・・。
差別意識・暴力意識が高い南部が舞台。そのため正義感の強く、しかも女性である主人公 Annie は保安官事務所、いや世間からも孤立する。
しかも捜査を続けるうち、自らもいじめやストーカー行為にあい、次々と怪しい人物が浮かび上がる。そして、最後に正体を現す真犯人・・・。
非常によくできたミステリ/サスペンスだといえるだろう。
オススメ度は、"★★★★"。
下着会社のバイヤーだったStephanie Plum(30才、♀)は6ヶ月前にリストラされ、無一文。
困ったあげく、賞金稼ぎになることに。保釈金を踏み倒した犯罪者を警察に突き出すと、
保釈金の1割が手に入るというわけ。さっそく目を付けたのは、保釈金10万ドルの殺人犯。
しかし、いかんせん素人、捜査中に襲われるわ、監禁されるわで、もう大変。果たして無事に
賞金を手にすることが出来るのだろうか?
邦題「私を愛したリボルバー」。ステファニー・プラム・シリーズ第1作。
ありきたりの「女探偵物」ではなく、まったくの素人が犯罪者を追うドタバタ劇が楽しい。
ステファニーのふっきれた性格が面白さに拍車をかける。さらにこの話を盛り上げている
のが、脇役達だ。おばあちゃんを筆頭にユニークなプラム家の人々に加え、捜査術のイロハを
ステファニーに教えるプロの賞金稼ぎレンジャー、そしてステファニーとの過去に訳アリのジョー。
「お気楽」な話を読みたい人には、是非オススメしたい1冊。
現在シリーズ6冊目まで出版されているようだが、バウンティー・ハンターに慣れてい
くにつれ、その面白みが減っていかないかだけが心配だ。
オススメ度は、久々の"★★★★★"。