イギリスはデントン警察署の警部ジャック・フロストは今回も多くの事件を抱える羽目に。少女誘拐殺人、娼婦連続殺人、空き巣、コンビニ強盗、発掘された白骨死体、宝石店の強盗・・・。
さらには、逮捕した男が無実を訴える遺書を残し自殺したことから窮地に陥る。
ジャック・フロスト警部シリーズ第5作。
フロストは警部としては決して有能ではない。下品な冗談を飛ばし、偶然に事件を解決することがほとんどだ。
しかし多くの事件を同時並行に扱い、上ばかりみて予算を削る署長、へまばかりやらかす部下に挟まれながらも、なんとなくにせよ事件を解決していくフロストは、
実はスーパー中間管理職なのだ。
オススメ度は、"★★★★"。
あたしの名前はステファニー・プラム。保釈金を踏み倒した犯罪者を捕まえるのが
仕事。今回は追っかけているのは、実の叔父フレッド。なんだか買い物に出たっきり行方不明になったらしくて、人捜しが商売の私にそのお鉢が回ってきたというわけ。
しかも最初の事件で私がつかまえた変人・ラミレスが出所してきてストーキングをはじめたものだから、もう大変!
ステファニー・プラムシリーズ第5作。4作目からまで順調に訳出されていながら、パタっと止まっていたのだが、原書を読んで理由がわかった。
今回登場する新キャラの1人が、いわゆる小人なのだ。アメリカでは映画やテレビ(コメディー)でもこの手の人たちが結構出ていて、あまり抵抗ないのかもしれないが、
日本ではおそらく問題になるだろう。かなり差別表現も使われてるし・・・。
オススメ度は、"★★★★"。
あたしの名前はステファニー・プラム。保釈金を踏み倒した犯罪者を捕まえるのが
仕事。今回、保釈金を踏み倒して逃げているのは、なんとバウンティー・ハンター仲間のレンジャー。
マフィアの三男の死体が発見された現場から出てくるのを隠しカメラで撮影されていて、警察も行方を追ってるの。もちろんレンジャーを捕まえる事なんて私には無理。
でも私とレンジャーが関係有りと見た奴らが私の後をうじゃうじゃと追っかけてくる。もううざったいたらありゃしない!
ステファニー・プラムシリーズ第6作。
実は前作のラストシーンには次の話を早く読みたくてたまらなくなるなる仕掛けがしてあった。いいところで話を切る手法で、アメリカのドラマシリーズではよく使われるのだが、本でお目に掛かったのは初めて。
のせられてすぐ買ってしまったのだが、今回も同様にジョーの驚くべき発言でラストを迎える。ううっ!早く第7作が出ないかなぁ。どうなるんだろー。
オススメ度は、"★★★★"。
カルファルニア州サンタ・テレサの私立探偵キンジー・ミルホーンはひょんな事から15年前に別れた夫の持ち物を手に入れる。その中にはキンジー宛に書かれた1通の手紙があり、彼女の知らない事実が書かれていた。
彼の身を案じ、居所を突き止めようとするキンジーのもとに刑事が現れる。彼は数日前何者かに撃たれ意識不明の重体に陥っており、そして犯行に使われたのはキンジーが彼から買ってもらったスミス&ウェッソンというのだ!。
アルファベットシリーズ第15作。
序文を読んではじめて気が付いたのだが、この本は1986年が舞台となっている。そいうえば、携帯電話もパソコンも出てこない。
これまで14作も読んでいながらまったく気が付かなかったのも情けない。
キンジーの過去が明らかになる本作は、おそらくシリーズ最高傑作だろう。
オススメ度は、"★★★★"。
カナダ国境に近い小さな街パラダイス。元警官・元私立探偵アレックス・マクナイトは父親の遺したコテージを貸してひっそりと暮らしていた。
ある日アレックスは、インディアンの女性から「男から逃亡したいので力を貸して欲しい」と頼まれる。アレックスはコテージの1つに一晩泊めるが、翌朝彼女は何者かに連れ去られていた。
責任を感じたアレックスは彼女の行方を追い始める。
邦題「ウルフムーンの夜」。心臓に銃弾を持つ男、アレックス・マクナイト・シリーズ第2作。
1作目は、私が2000年に読んだ本の新人賞に推した良質の作品だったが、簡単でかつインパクトのある文章は
第2作でも健在。警察をやめる原因となった事件に十数年も苦んだり、親友の女房との不倫を引きずるなど、
時々垣間見られるアレックスの弱さとパラダイスの寒さが心にしみる。
前作は最後にネタが割れてしまい減点1だったが、今回はミステリとしての完成度も上がったように思う。
オススメ度は、"★★★★★"。