29世紀、地球滅亡の後、AIと共存した人類は星間国家を作り上げていた。しかし、アウスターとの星間戦争勃発の危機の最中、惑星ハイペリオン<時の墓標>が開き始めたとの連絡が入る。
謎の生物シュライクを崇めるシュライク教団によって選ばれた7人の巡礼が<時の墓標>に向かう。巡礼達の、そして人類の運命は?
邦題「ハイペリオンの没落」。
前作「Hyperion」が多くの謎を抱えたまま終了。難しいのを承知で読んだのだが・・・。
そもそも背景に宗教がからんでるのがいけない。そういう知識は全く皆無だからだ。コンピュータとの問答もさっぱり。
これらは邦訳を読んでもすっきりしなかったので、英語力だけの問題でもなさそうだが・・・。結局わけわかんない謎がいくつか残ったのもなんだか納得行かない。
難しいのでオススメ度は、"★★"。
ピーチツリー探偵社のガナー・ブラッシュウッドとその片腕サニー・チャイルズは、売れっ子カントリーソング歌手ジョージア誘拐捜査の依頼を受ける。しかし、その誘拐は狂言だった。
そのことを知ったサニーは狂言と知りつつ売名のため捜査を続けようとするガナーと対立する。探偵社を辞め、悶々と暮らすサニーの元に届いたのは、ジョージア殺害と容疑者ガナーの逮捕の
ニュースだった!
サニー・チャイルズ・シリーズ第3弾。
お気に入りとなったこのシリーズだが、本作もかなりの出来である。
序盤の誘拐捜査から、殺人事件の捜査、そして裁判へを経てのどんでん返しまで、一気に読まされた。
有名な女性私立探偵V.I.ウォーショースキーやキンジー・ミルホーンと比べると、感情がストレート
に出る分、サニー・チャイルズに好感がもてる。新キャラであるFBI捜査官の活躍が今ひとつだったのが
やや心残りだが、きっと次作では活躍をみせるに違いない。2001/9発売予定の「Blue Plate Special」が楽しみだ。
オススメ度は、"★★★★★"。
"Hyperion"の時代から300年後。惑星ハイペリオンの狩猟ガイド、ラウル・エンディミオンは不当な殺人罪で処刑されたはずだった。しかし、不思議なことに見知らぬ場所で目を覚ました
ラウルは奇妙な老人から、過去からやってくる少女を助け出して欲しいと頼まれる。アンドロイドとともに教会軍が待ち受ける<時の墓標>に向かうラウルだが・・・。
邦題「エンディミオン」。
ハイペリオン二部作の300年後を舞台に繰り広げられる娯楽超大作!というべき作品。
凝りに凝り、わけのわかんないハイペリオン二部作とうってかわって非常にわかりやすく話が展開する。
SF文学的にはハイペリオン二部作の方が評価が高いらしいが、私は断然こちらが好みである。
オススメ度は、"★★★★"。
邦題「エンディミオンの覚醒」。
オススメ度は、"★★★★"。
公園で"Cremator"と呼ばれる連続殺人犯による第三の死体が発見される。死体は頭を切断され、黒焦げにされていた。同時に犯人の顔を見たという少女も保護される。
ミネアポリスの証人擁護プログラムに従事する元FBI捜査官ケイトは、少女から犯人像を聞き出すために捜査に呼ばれ、地元刑事コバック、FBIプロファイラー・クィンを中心とした
タスクフォースが編成される。しかし捜査を嘲笑うかのように第四の殺人が・・・。
一見よくあるサイコサスペンスだが、異なっているのは主人公の三人、ケイト、クィン、コバックの心の動きが丁寧に描かれている点だ。
その分、ミステリとしてのテンポは失われているが、終盤の追い込みでバランスは保たれていると思う。
犯人がすぐわかっちゃったのが惜しい。「Dust to Dust」というコバックを主人公にした続編あり。ちなみに「Ashes to Ashes, Dust to Dust」というのは葬儀の時に用いられる聖書の文句だとか。
オススメ度は、"★★★★"。