『N is for Noose』 Sue Grafton 322 pages (1998)
Nota Lakeの保安官、Tom Newquistは心筋梗塞で死亡した。過労と深酒をしていた彼の死因に、誰も疑問はいだかなかった。
ただ彼の妻は、死の直前数週間、彼を悩ましていたのが何だったのかを知りたがる。
カルフォルニアの女性探偵、Kinsey Millhone は、街の人々の冷たい視線の中、調査を開始する・・・。
スー・グラフトンのアルファベットシリーズ第14作。マンネリを避けるためか、いつもの舞台 Santa Teresa を離れ、見ず知らずの街 Nota Lake でKinseyは奮闘する。
しかしそれが、Kinsey の大家 Henrry Pits をはじめとした名脇役達の登場を妨げ、つまらない出来となっている。
オススメ度は、"★★★"
Nick は子供の頃殺されれた父親の殺人犯を捜し、ウォールストリートでのキャリアと婚約者を捨て、父のかつての勤務先United Swiss 銀行に潜り込む。
真実を探す Nick がそこでみたものは、金、権力、そして死。銀行の裏の世界に関わるうち、彼の父親の殺人犯を捕まえるためには彼自身が犯罪者にならねばならなくなる。
ユニオン銀行ジュネーブ支店に勤務していた作者の処女作。銀行を舞台としたサスペンス小説だが、
スイスの銀行にはつきものの中東のマネーロンダリングや、知り合った女性の正体が実は・・・など、ストーリーはありきたり。
オススメ度は、"★★★"
「パーンの竜騎士シリーズ」最新作。竪琴の師ロビントンを主役に、彼の生い立ちから「竜の戦士」直前あたりまでを描いてある。
洋書で読んだはじめてのSF。好きなシリーズなのだが、邦訳の最新作を最後に読んでからかなり経っていたので、登場人物を思い出しながら読んでいた(巻末に全登場人物のリストあり)。
「パーンの竜騎士」の主要登場人物の幼い頃なども出てくるので、ファンには必読の一冊だが、初めて読む人は少なくとも「竜の戦士」、「竜の探索」「白い竜」は先に読まないと全然面白くない。
オススメ度は、"★★★"
英国の元新聞記者、Robert Harrisお得意のヒトラーもの。
第二次世界大戦でドイツが勝った後の世界。ベルリン警察の刑事Xavier Marchは、高級官僚の殺人事件を捜査する。アメリカの女性ジャーナリストとこの殺人事件を追ううち、その裏にある陰謀に気付く・・・。
ドイツの固有名詞がところどころに出てくるのがちょっととっつきにくいが、話自体は面白い。
第二次世界大戦 勝利20年後のドイツ帝国もよく描かれている。
この本を読みながら、ワシントンで訪れたホロコーストミュージアムを思い出した。オススメ度は、"★★★★"。
『Harry Potter and Sorcerer's Stone』 J. K. Rowling 309 pages (September 1999)
世界中に旋風を巻き起こしているHarry Potterの第1作(全7巻予定)。
孤児のHarry部屋は、叔母の家の階段下の物置。11年間誕生日を祝ってもらったこともなく、いとこのDudleyにいじめられてばかりの毎日だった。
そんな惨めな生活を送っていたHarryにある日手紙が届く。それは魔法学校への招待状だった!
一応児童書ではあるが、使われている単語はそんなに簡単なわけではない。が、ストーリーの面白さに引き込まれ読み続けてしまった (今までで最高のスピードを記録)。ファンタジーとしての出来は、ファンタジー通の家内の感想を引用したい。
「すっごく面白い。続きが読みたい。これなら英語で読んでみていもいいかも。」
ちなみに彼女の中では、「指輪物語」「ゲド戦記」「時の車輪」に次ぐ4番目にランキングされたらしい。
とりあえず私からのオススメ度は、"★★★★"。