アトランタの不動産王 Charlie Croker は、破産の危機に瀕していた。黒人の召使いを多く抱えた広大なプランテーションも差し押さえされそうなのだ。
一方、黒人カレッジフットボールスターが、アトランタの金持ち一家の娘をレイプする事件が巻き起こる。アトランタは再び人種騒動に巻き込まれるのか?
アトランタ黒人市長は、騒ぎを静め選挙戦を有利に闘うため、借金の肩代わりをえさに白人のCharlieを黒人擁護に巻き込もうと算段するが・・・。
「The Right Stuff」のTom Wolfe の大長編。
787ページ、しかも1ページあたり41行とかなりハード。そのかわり細かい描写はうならせるものがある。
(馬の交配の場面や、ある男がタイピストの面接に行き車をレッカー移動されついには暴行容疑で捕まるまでのくだり、など)。
ただラストがちょっとなんだかなぁ、という感じ。
難しいし量も多いので、オススメ度は"★★"。
1942年、イギリスはエニグマ暗号機によるナチスのUボート専用暗号「シャーク」の解読に苦戦していた。
天才数学者 Tom Jerico は暗号解読に一矢を報いるが、すぐにコードを変えてられてしまう。そして、不自然なまでにタイミングを同じくして Tom の彼女が失踪。
暗号の解読に挑みつつ、彼女の行方を追う Tom。果たして彼女はナチスのスパイだったのか・・・?
「Fatherland」より面白いと思う。とりわけラストがいい。最近どうも納得いかないラストが多かった ので、満足感が残った。暗号関係の説明部分をよく理解できず未消化に終わったのが残念(大筋には関係なし)。この部分を除けば、英語は平易。 オススメ度は"★★★★"。
Washington D.C.の殺人課刑事 Alexのもとに、Durham大学に通う姪が失踪したという連絡が入る。早速、現地に向かった Alex だが地元警察に加えFBIまで乗り出していた。
Casanovaと名乗る、若く美しい女性ばかりを狙う連続誘拐殺人犯の仕業らしいのだ。唯一、秘密の隠れ家から逃げ出したKateと共に、Casanovaを追う。
一方、L.A.でも同様の事件が多発していることをFBIによってしらされる。果たして、彼らは同一人物なのか、それとも美しい女性の収集を競い合っているのか。
Washington D.C.の黒人刑事、Alex Crossもの第2作。モーガン・フリーマン主演で映画化されている(邦題『コレクター』)。
偶然先に映画をみてしまったため、犯人の正体を知った状態で読んでしまったが、それでも映画にはないどんでん返しには驚かされた。
458ページだが、なんと123章もあるので、非常に読みやすい。終盤には続編に向けての布石もうってあり、次の作品が楽しみだ。
オススメ度は"★★★★"。
元警官で元アル中、Mack Malloy は Kindle County の大手弁護士事務所に勤める弁護士。ここ数年閑職にあった Mack だが弁護士事務所のの重役達から、
依頼人のお金と伴に姿を消した同僚の行方を探してくれと頼まれる。捜査を続けるうち、彼のアパートで死体をみつけ、さらに彼が賭博の「のみ屋」と関係があることが
判明するが・・・。
映画「推定無罪」の作者、Scott Turow の弁護士もの。
期待して読み始めたが、とにかく難しい。ストーリーが主人公の口述レポートの形で進行するため、口語、俗語の山である。
ストーリー展開も遅く、後半ではとにかく読むのが苦痛であった。
オススメ度は"★"。
Harry Potter は魔法使い学校 Hogwarts の3年生。夏休みを Dursley 家で過ごしていた Harryだが、大叔母に両親を侮辱され魔法で風船のように膨らませてしまった。
人間界で魔法を使ったため、退学になるかと心配した Harry だが、退学などないどころか大人達はことのほかHarryに優しい。
どうやら Harry を狙って Black という男が、刑務所 Azkaban を脱走したらしいのだ。
なぜ Black は Harry を狙うのか、そして謎に包まれた Harry の両親の死と Black は関係があるのだろうか。
Harry Potter シリーズ第3作。
ペーパーバック化が待ちきれず、はじめてハードカバーを買ってしまった。
今回も前半はお決まりのパターンで話は進む。Dursley家でのトラブル、新しい Defence Against the Dark Arts の教授、Hagrid のモンスタートラブル、Quidditchの試合などなど。
悪く言えばマンネリになりつつある前半だが、その中にもしっかり伏線が散りばめられていて、これが終盤一気にまとまり話が展開する。
4作目はタイトルも決まり(Harry Potter and the Doomspell Tournament)、2000年7月英米同時発売。
オススメ度は"★★★★★"。