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虹の谷つうしん

2006年10月〜12月



 12月29日
 真夜中のピクニック  作:恩田 陸

 高校生活最後の行事 “歩行祭” を通して、
 主人公2人の悩みや想いが淘汰されていく過程が描かれている。
 ひたすら歩くこと、暗闇で信頼できる友といられること。
 たったそれだけのことが、
 枷を振り払い、本当の望みを見出す舞台となる。
 こんな経験は高校生だからこそ、
 その年齢と、学校という背景だからこそ生まれるのではないかな。
 私にはこんなに具体的な経験はないけれど、
 高校時代のことは、今でも鮮やかに思い出すことがたくさんある。



 12月27日
 点子ちゃんとアントン  作:エーリヒ・ケストナー

 ケストナーの物語は、子どもが子どもらしいところが好き。
 もし、点子ちゃんが自分の子どもだったら、
 毎日がとても楽しいだろうなあ。
 それとも、あまりにも無邪気すぎて、
 親が困らせられてばかりになってしまうかな。



 12月25日
 盗神伝 W 新しき王  作:M・W・ターナー

 おもしろい!
 “王なんてやりたくない”と態度で示しているジェンが、
 その実、何をたくらんでいるのか、
 女王はどこまで彼の意図を知っているのか、
 後半の展開が非常に楽しみな4巻でした。
 早く読みたいから、5巻は買っちゃおうかなー・・・。



 12月20日
 マーリン 魔法の島フィンカイラ  作:T・A・バロン

 激しい戦いのシーンや派手な魔法は少なめで、
 心の中を見つめなおすような、少年の成長の物語。
 彼に記憶がないために、本当の親子だと信じてもらえなかった
 母親の気持ちを思うと悲しい。
 たぶん、二度と会えないと思われるだけに、余計にそう思う。



 12月18日
   作:ルイス・サッカー

 表紙とタイトルからはストーリーやジャンルを想像しにくい
 本だったけれど、先入観なく読んだあとに、
 「ああ、この本、好きだな。」と、素直に心に浮かんできた。
 昔の約束が、時間と場所を越えて、
 それぞれの子孫の間で果たされるという不思議さと、
 合い間に語られる昔のできごとが、とくによかった。



 12月10日
 うしろの正面  作:小森 香折

 かわいくて、ほのぼのとした物語かと思って選んだら、
 むかでにとり付かれた一族の、ちょっと恐いファンタジーだった。
 こんなダークなお話も好きだけど。
 初めのほうで、大人の男たちが“かごめかごめ”の
 練習をしているシーンはものすごく不気味。
 時間をわたっていくことが、とてもうまく使われていると思う。



 12月8日
 からくり からくさ  作:梨木 香歩

 「りかさん」のおばあちゃんが亡くなったあとの物語。
 人形の想いを垣間見るような不思議な体験はないのだけれど、
 容子が気配で物事を察することができる、というところに、
 りかさんと一緒に過ごした日々を思い起こさせられた。
 人形師 澄月をめぐる因縁が込み入っていて、
 途中で系図を描いてみようかと思ってしまった。



 12月2日
 ねこのばば  作:畠中 恵

 若だんなシリーズ 3巻目。
 今回もとっても楽しめた。
 このシリーズを読んでいると、活気のある町中の様子が浮かんできて
 自分も江戸の町にいるような気がしてくる。
 ハードカバーでは4巻まで出ているようなので、
 文庫化されるのが楽しみ。



 11月29日
 皮膚の下の頭蓋骨  作:P・D・ジェイムズ

 探偵コーデリア・グレイの2作目。
 ほかの探偵ものと違うのは、コーデリアがとても身近に感じること。
 名探偵という称号もなく、資金も十分ではなく、
 仕事はもっぱらペット探しの依頼ばかり。
 そんな毎日でも、彼女の責任感と正義感は揺るぐことがなく、
 犯罪事件に対しても、同じ誠実さで挑んでいく。
 謎解きよりも人間性の物語が中心の作品だと思う。



 11月20日
 パーラ 上・下  作:ラルフ・イーザウ

 久しぶりにイーザウさんの作品を読んだ。
 学者たちが言葉を失った人々を病気だと決めつけて、
 隔離したり、研究したりする中で、
 自分の見たこと、聞いてきたことを信じて友だちを助けようとした
 パーラの人間的なあたたかさがきわだっていたと思う。
 他人と話をすることが、私たちにとって大切だと強く感じた。



 11月15日
 幽霊が多すぎる  作:ポール・ギャリコ

 『トンデモネズミ大活躍』、『ジェニイ』、
 「ハリスおばさん」シリーズと、どれも気に入っているので
 文庫本コーナーで見つけたこの作品を借りてみた。
 今までに読んだ作品とは全然違う本格的なミステリーで驚いた。
 登場人物もトリックもとてもおもしろかった。
 ハリスおばさんが主人公の家のお手伝いさんとして登場したのは
 旅行先で知り合いに会ったような楽しい気分になった。



 11月5日
 弟の戦争  作:ロバート・ウェストール

 以前からこの作者さんの作品はよいと聞いていたのだけれど、
 今回やっと読む決心がついて、手に取った。
 今まで読まなかったのは少し恐いイメージがあったからで、
 この作品も、その出来事はわたしには恐い。
 (本当に起こったらと想像してしまうから。)
 でも、その出来事のために知った少年兵の生活は、
 たぶん本当に起こっている状況そのものだ。
 それを知らせてくれるこの作品を、私は感謝して受け取りたい。



 11月3日
 時の彼方の王冠  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 デイルマーク王国史 4 完結編。
 読み終わったあとすぐに、もう一度、1巻から読みたくなった。
 細かい設定がすべてこの最終巻でひとつにまとまり、
 まるで美しく織り上げられた1枚の布のように感じる。
 二百年という時を経て、魔法が科学に取って代っても、
 そこに生きる人々の中に何かが受け継がれていると考えると楽しい。



 11月1日
 美乃里の夏  作:藤巻 吏絵

 5年生の美乃里のせつない夏休みの物語。
 話さないのはつらいけど、話してしまったら相手が傷つく。
 そんな状況を初めて経験して気持ちが沈みがちな美乃里が
 不思議な偶然の出会いを通して、それを乗り越えていく。
 だれでにでもつらい経験はやってくるのだろうけれど、
 そのときにそれを乗り越えられるような助けや励ましが
 必ずあると信じたいと思った。



 10月26日
 イサナと不知火のきみ  作:たつみや 章

 たつみや章さんの古代を舞台にした新しいシリーズ。
 以前の月神シリーズよりもだいぶやわらかい感じ。
 綿津見の一族の謙虚な気持ちや他人への純粋なおもいやりの心が
 今のわたしたちにも受け継がれているかもしれないと思うと、
 (あくまでも物語だとわかっていても)ちょっと誇らしく感じる。
 受け継がれていなくても、そうありたいと思う。



 10月24日
 わたしが幽霊だった時  作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

 前半は姉妹たちのあまりのめちゃくちゃぶりに驚いて、
 物語を読んでいくことさえ、ままならなかった。
 中盤は7年の時を隔てて話と人がつながらず、
 なぞ解きが始まっているのに、お話に集中できなかった。
 全体的にちょっと読みにくいけれど、
 印象に残る場面がたくさんあって、おもしろかったと思う。



 10月24日
 ぬしさまへ  作:畠中 恵

 体の弱い若だんなが、妖(あやかし)たちを使って
 事件を解決する短編集。
 体が弱くても誰かを守れるように心は強く、やさしくありたいと
 願う若だんなの気持ちが、この本全体を包んでいるように感じる。
 「しゃばけ」では描かれていなかった腹違いの兄の物語も○。



 10月18日
 つくも神  作:伊藤 遊

 つくも神という存在(というか考え方というか)がとても好きだ。
 長く使われた物が生命を得るなんて、ワクワクする!
 不良になりかかっている主人公のお兄ちゃんが
 つくも神たちを自然に受け入れるところが特によかった。



 10月18日
 しゃばけ  作:畠中 恵

 この題名に引き寄せられて買った文庫本。
 血なまぐさい事件が起こるのだけれど、
 おっとりした主人公とちょっとおどけた妖たちのおかげで
 明るい印象の楽しい作品になっていると思う。
 たしか新聞で続編の広告を見たような・・・。



 10月16日
 背後霊倶楽部  作:山中 恒

 すごーくおもしろくて一気によめちゃった!
 もう一冊、背後霊の話があるってきいたから、
 次はそれを借りてこよう。
                             by(の)



 10月15日
 クローディアの秘密  作:E・L・カニグズバーグ

 家出って、子どもなら一度は考えてみるのではないかと思うけど、
 こんな風に、案外かんたんにできてしまうのかも。
 美術館に寝泊りして見つからないかどうかと、
 お金が足りるかどうかが読んでいて一番気になった。
 それにしても、メトロポリタン美術館はよほどの大きさらしい。
 いつか、何日も通って見に行ってみたいな。



 10月10日
 蒼穹の昴 4  作:浅田 次郎

 ドラマティックで、ものすごくおもしろかった!
 知られている歴史の裏には、
 たくさんの人たちのたくさんの想いがあるのだと、改めて感じた。
 この物語の中では、愛情とやさしさを心に閉じ込めて、
 国のために非情に振舞う西太后が一番あわれだった。



 10月10日
 蒼穹の昴 3  作:浅田 次郎

 天命に守られて道を行く者、
 自らの力で道を切り開く者、
 世の中の流れの中で大切なものを守ろうとする者。
 それぞれに目指すところは違うけれど、
 悩んだり、迷ったり、悲しんだりして優しさを失わないことが
 人間として大切なのではないかと思った。



 10月5日
 蒼穹の昴 1・2  作:浅田 次郎

 夫が買った本を何気なく手にとって読み始めたら、
 予想外におもしろくて一気に読み進んでいる。
 予備知識がまったくなく、初めは中国の物語だということで驚き、
 官吏の試験のことで驚き、歴史もまったく知らなかったので、
 日本の明治維新後の話だと知ってまた驚いた。





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