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虹の谷つうしん

2007年 1月〜3月



 3月30日
 魔法つかいのチョコレートケーキ  作:マーガレット・マーヒー

 まるで、アイシングとドライフルーツで飾ったお菓子を
 「さあどうぞ」 と差し出されたような気がした。
 作者のやさしいまなざしが感じられる、かわいらしい短編集。



 3月29日
 バレエダンサー 上・下   作:ルーマ・ゴッデン

 何年かぶりに徹夜しそうになる作品に出会った!
 止まらなくて、上・下巻とも1日ずつで読んでしまった。
 前半は、親にかまわれない末っ子のデューイが哀れなのだけど、
 後半は、自信と不安の間でもがいているクリスタルが哀れ。
 それぞれの問題を乗り越える強さが、夢へつながる道だと感じた。



 3月27日
 どろぼうの神様   作:コルネーリア・フンケ

 久しぶりに読んで、堪能しました。 この本、大好き!
 幸せは一人ひとり違う。
 みんな、自分の幸せを探しながら暮らしているんだよね・・・。
 見つかったら本当に幸せになるのだろうけど、
 見つからなくても、探しているときも幸せなのではないかな。



 3月15日
 キャノン姉妹の一年   作:ドロシー・ギルマン

 ギルマンさんのおばちゃまシリーズ以外の作品の中で、
 一番好きな作品。
 この物語を読むと、すがすがしい気持ちになれる。
 「最低限必要なものをどうやって得るか?」という問題を
 アイディアと “1,2の3!” という潔さで解決していく2人が
 とてもうらやましく感じてしまう。
 こんな風にシンプルな暮らしは逆に心が豊かになるような気がする。



 3月12日
 スープ   作:ロバート・ニュートン・ペック

 「わんぱくでもいい。 たくましく育ってほしい。」
 という昔のCMのセリフそのままの少年2人のわんぱく物語。
 どのイタズラも今の日本ではありえないと思うけれど、
 やってみたらおもしろいだろうな・・・とも思う。
 でも、見つかったらムチでお仕置きされるのもあたりまえの時代
 だったから、逆にそこまでやる勇気が出たのかも。



 3月10日
 マーリン 時の鏡の魔法  作:T・A・バロン

 マーリンもいろいろな経験をして、ずいぶん謙虚になっている。
 将来の自分に会うのは、楽しい反面、おそろしい気もする。
 アーサー王やマーリンの伝説は詳しくは知らないので。
 ニムエとの戦いの深い意味がつかめなかったことが心残り。
 そのうち、そちらのほうも勉強してみよう。



 3月6日
 リズム  作:森 絵都

 “どうしたらいいのかわからなくなったときは、
          自分のリズムを思い出すといい。”
 いろいろな環境の中で、
 いろいろな人たちに囲まれて生きていく私たちにとっては、
 こんなメッセージがとても必要なのではないかな。
 つらいとき、自分のリズムを思い出して、
 自分のペースでもう一度やり直してみよう。



 3月4日
 海賊ジョリーの冒険2 水上都市エレニウム  作:カイ・マイヤー

 やっと2巻が読めた。
 この作者さんが考え出す生き物と世界は独特だと思う。
 ちょっと、ほかでは出会えないというか、
 もしほかの方が考え出したとしても、
 こんな風にはならないだろうという気がする。
 ジョリーと仲間たちが、みんな颯爽としていて爽快。



 2月25日
 シュトルーデルを焼きながら   作:ジョアン・ロックリン

 あたたかくて優しい、家族の歴史の物語。
 と言っても悲しみの歴史ではなく、
 とっさのひらめきでピンチを乗り切ったお話や不思議な話など、
 一族の伝統的なお菓子シュトルーデルを作りながら
 大人から子ども達に語られた物語集。



 2月22日
 つきのふね   作:森 絵都

 “おせっかい”なのか、“友だち思い”なのかは
 どこで決まるんだろう。
 親友なのか、普通の友だちなのかは、
 どうすればわかるのかな?
 もしも、大切な友だちがピンチのとき、
 私は助けることができるのだろうか?
 「空色の地図」に続いて、友達との関係を問いかける作品に出会い、
 自分の中で、たくさんの疑問が渦巻いている。



 2月20日
 かかし   作:ロバート・ウェストール

 怖くてなかなか手を出せなかったけれど、やっと読みました。
 やきもちからの小さな憎しみが昔の憎悪を呼び起こして、
 だんだんと大きくなっていく過程が、不気味に描かれている。
 何より恐ろしいのは、信じていた家族の言葉や態度さえも
 その後ろに怒りや憎しみが潜んでいるように感じてしまうこと。
 児童文学として、「よくぞここまで」と思うくらい怖かった。



 2月17日
 空色の地図   作:梨屋 アリエ

 人と人との関係は目に見えないものだから、
 友だちが自分をどう思っているのかと悩んでしまうことは、
 きっと誰にでも経験があると思う。
 そんなときに、思いがけないところで手が差し伸べられたり、
 ほっとできる相手が見つかったりするかもよ。
 それは、あなたがその人の心に何かを残してきたからなんだよ
 ・・・というメッセージが込められているような気がした。



 2月15日
 ドミノ   作:恩田 陸

 バラバラのできごとがだんだんと大きくなり、
 終盤には人質たてこもり事件まで起きてしまう。
 その中にひとすじ通っているのが、“ 保険会社の一支社の
 成績をかけた契約が、締め切りに間に合うかどうか ”だ。
 途中までのそれぞれの経過も一つひとつ丁寧に描かれて面白く、
 それらが混じりあって同じ場面に立ち会っていても、
 そのまま個人の立場で描かれているところが贅沢な作品だと思う。



 2月12日
 イワンの馬鹿   作:レフ・トルストイ

 子どものころに読んで知っていると思っていたのだけれど、
 改めて読んでみて、作者の平和への呼びかけが聞こえてくるよう。
 昔読んだのは、子ども向けに編集された本だったのかも。
 今回読んだのは理論社から2006年に刊行された
 「トルストイの散歩道」というシリーズの2巻目で、
 小学生高学年から大人まで楽しめそうな作品が集められている。
 物語の素朴さとわかりやすい文章がマッチして、
 楽しく、どんどん読めてしまう一冊。



 2月9日
 トラベリング・パンツ セカンドサマー   作:アン・ブラッシェアーズ

 1本のジーンズを軸にした、レーナ、ブリジット、カルメン、ティビー
 の4人の女の子たちの青春物語。
 夢を追いかける、恋をする、本当の自分を探す。
 それぞれが失敗したり、後悔したり、自信を失ったりしながらも、
 お互いのことを心配して、勇気づけるやさしさを失わない。
 そして彼女たちの決心を後押しするおまじないのようなジーンズ。
 一つひとつのできごとは日本では起きそうにないけれど、
 どの世代の女性でも、どこか共感できる部分があるのではないかと
 思う。



 2月7日
 トムは真夜中の庭で   作:フィリパ・ピアス

 名作と言われている作品は、心に感じる深さが違うように思う。
 物語の中の出来事にドキドキ、ハラハラする高揚感よりも、
 登場人物の心に自分の心が同調して、喜びやさみしさをたどっていく。
 柱時計の呼び起こす不思議と日常の世界を絶妙にミックスした
 いつまでも心に残る物語だと思う。



 2月4日
 バーティミアス サマルカンドの秘宝  作:ジョナサン・ストラウド

 スピーディで派手な戦闘場面が繰り広げられるファンタジー。
 主人公の魔法使い見習いの少年のしたたかさが
 これからどう変わっていくのか気になるシリーズ。
 戦いは魔法というよりも肉弾戦で、いつも建物がこわれてしまう
 ところが今までの魔法使いものとはちょっと違うと感じた。



 2月2日
 空を駆けるジェーン  作:アーシュラ・K・ル=グウィン

 「空飛び猫物語」というシリーズの4作目。
 羽が生えている猫というファンタジー的な設定ではあるけれど、
 物語は幻想的ではなく、現実的で素朴な印象。
 絵が精密で美しくて、猫の性質まで写しとっているみたい。
 未知の世界に心惹かれるジェーンの冒険に、
 自分も未来を切り開いてみたいと思ってしまう。



 1月30日
 ランプの精2 バビロンのブルー・ジン  作:P・B・カー

 もしかすると1巻よりも面白かったかも!
 子どもたちも含めて、ジンの魔力をむやみに使わないところが
 物語に無理がないように感じる理由なのかな・・・。
 全体的に人と人とのいろいろなつながりが登場して、
 気の毒だったり、感動したり、感心したりしながら、
 楽しくて一気に読んでしまった。



 1月26日
 マーリン V 七つの魔法の歌  作:T・A・バロン

 事件が起きるところまでは、マーリンの行動にちょっとイライラ。
 逆にリアのひたむきさや真実を感じ取る直感にほっとする気がした。
 最後に真実があきらかになってみると、あらためて
 自分の出自を知っていたリアの勇気とやさしさに感動する。
 この経験を経て、次の巻ではマーリンが
 もっと大人になっているといいなあ、と思っている。



 1月22日
 不思議を売る男  作:ジェラルディン・マコーリアン

 年末から今月にかけて、図書館の棚にはめずらしいことに
 気になっていた本があれもこれも戻ってきて並んでいる。
 この作品もそれらの本の一冊で、
 「見つけたからには借りなくちゃ!」と、借りてきた。
 この中の登場人物が物語を語るというつくりになっていて、
 その一つひとつの短編もテーマはさまざまで、
 まるでサクマのドロップを取り出しているみたい。
 佐竹美保さんの挿し絵がまた美しくて、
 (版画のようなのだけど、それにしては繊細すぎるような・・・。)
 特に柳の皿の絵が私は気に入ってしまいました。
 この本も、そのうち我が家の本棚にも並ぶ日が来そうです。



 1月21日
 古王国記T サブリエル  作:ガース・ニクス

 一度読んで、ものすごく気に入ったので買ったシリーズ。
 初めに読んだときには、先が気になって大急ぎで読んだので、
 今回はじっくり読もうと思ったのに、
 やっぱり止まらなくなって、また大急ぎで読んでしまった。
 主人公のサブリエルはとても魅力的だし、相棒の猫 モゲットが、
 本当は猫ではないのにいかにも猫らしいところがいい。



 1月18日
 死が最後にやってくる  作:アガサ・クリスティー

 クリスティーの作品の中でも、特に好きな作品の一つ。
 主人公の言葉遣いが未熟さと純粋さを感じさせるところは、
 原作そのものなのか、翻訳のうまさなのかといつも考えてしまう。
 何度も読んでいるので、もちろん犯人はわかっているけれど、
 読んでいると目の前でドラマが展開されているようでドキドキする。



 1月11日
 おばちゃまはイスタンブール  作:ドロシー・ギルマン

 大好きなおばちゃまスパイシリーズの中でも一番好きな作品。
 どんなときにも機転を働かせること、そして、あきらめないこと。
 それがミセス・ポリファックスの大きな武器ではあるのだけれど、
 それだけではなく、人や状況に対する勘が鋭くて、
 自分の受けた印象を頼りに行動するという大胆さにあこがれてしまう。



 1月3日
 盗神伝 X 新しき王  作:M・W・ターナー

 Wの後編だったので、気になって結局、買ってしまった。
 今回の物語で、私はジェンもアトリアの女王のことも
 ますます好きになった。
 どんなに大きな財産や権力も、人として生きていく限り
 心から信頼できる友や家族にはかなわない、
 ということが物語の中にちりばめられていて、
 そういうところも私は気に入っている。





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