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虹の谷つうしん

2009年7月〜9月



 9月28日
 源平絵巻物語 第一巻 牛若丸
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 全十巻の絵本シリーズの第一巻です。
 赤羽末吉さんの絵はやっぱりすばらしいです!
 物語もしっとりと落ち着いていて、セットで欲しくなりました。
 でも高いな〜…。



 9月24日
 陰陽師 瀧夜叉姫 上・下  作:夢枕 獏

 平将門を甦らせようとするたくらみをめぐる長編でした。
 わたしの歴史の知識はとても乏しいのですが、
 その多くが本を読んで得たものです。
 平将門が関東地方の人だということも、今回知りました。
 征夷大将軍であったという坂上田村麻呂のことも、
 つい2、3年前まで歌人だと思っていました。
 (柿本人麻呂と混乱していたらしい)
 でも、物語はその一時期を取り上げてあることが多く、
 歴史そのものに興味が広がらないままのわたしには
 体系的な知識として身に着いていないのが残念です…。



 9月20日
 パディントンのクリスマス  作:マイケル・ボンド 絵:ペギー・フォートナム

 なんてかわいらしいおはなしなのでしょう!
 何にでも興味津々でためしてみるパディントンと
 ちょっと困りながら彼を見守るブラウン家のひとびとにほっとします。
 楽しみながら、イギリスの習慣にも触れることができるところも◎。



 9月18日
 ワーキング・ガール リディの旅立ち  作:キャサリン・パターソン

 150年以上前のアメリカで生きる少女の物語。
 頼りにならない母親に代わり、一家の借金を返すために働きに出て、
 たった14歳で世間に立ち向かうリディの強さに感動しました。
 苦労のあと、借金からも、家族を養うことからも解放されたリディが
 こんどは自分のために生きようと決心するところが強く心に残ります。



 9月13日
 猫の帰還  作:ロバート・ウェストール

 とてもよい物語でした!
 戦争という現実の中で、猫がおとずれたことで気持ちが前向きに
 変わる人間の強さに勇気をもらったような気がします。



 9月10日
 ドロレス・クレイボーン  作:スティーブン・キング

 あまりにおもしろくて、一気に読みました。
 全編が一人の女性の一晩にわたる告白という変わった趣向の作品。
 彼女の過ごしてきた日々の幸せや苦悩、そして罪がリアルに語られ、
 飽きることも、止まることもなく読まされてしまいました。
 日蝕の日を鍵に使っているところを読みながら、
 今年、日本でも日蝕が見られたことを思い出しました。
 べつにたいしたことではありませんが、
 こういう偶然も、導かれたように考えるのが、わたしは好きです。



 9月2日
 ミラート年代記 2 タリンの秘密  作:ラルフ・イーザウ

 久しぶりに大きなファンタジーを読んだなあ…、という感じです。
 『ネシャン・サーガ』『見えざるピラミッド』とは、世界の創造の部分で
 つながりがあります。
 また、主人公のあり方が、『ネシャン』では2つの世界に1人の存在、
 『見えざる…』では3つの世界にまたがる三つ子、
 『ミラート…』では1つの体を共有する双子、というように
 運命を感じさせる存在となっているところも印象的です。
 3巻では、騎士となったポピの活躍が楽しみです。



 8月25日
 陰陽師 付喪神ノ巻  作:夢枕 獏

 今回はすさまじい女の執念のお話もありました。
 自分が鬼になってしまうほどのうらみや嫉妬の心というものは、
 今の時代にもあるのでしょうか。
 それほどの強い想いは、時代の移り変わりとともに
 人の心に生まれなくなってしまったのでしょうか。
 それとも私たちが気付かないだけで、今でも存在するのかな…。



 8月24日
 ユリエルとグレン 3 光と闇の行方  作:石川 宏千花

 急な展開を見せる最終巻。
 グレンの将来がとても心配だったけれど、
 希望がもてるラストでよかった。



 8月23日
 虎の弟子  作:ローレンス・イェップ

 フェニックスの卵を守るために戦う少年とその師匠の虎の物語。
 虎といっても、魔術で人間に化けて人間として暮らしている。
 祖母のあとを継いで守護者になることを拒否するトムが
 いかにも普通の少年で、この物語がどうなるのかと心配しながら
 読み進みました。
 龍とサルの仲間も楽しくて、続編が楽しみ。



 8月19日
 山からきたふたご スマントリとスコスロノ
 影絵芝居・ワヤンの物語より  再話:乾 千恵  絵:早川 純子

 ジャワ島に伝わる影絵芝居をもとにした絵本。
 本当に影絵芝居をそのまま写しとったような絵が印象的です。
 ダイナミックで勇ましい部分と悲しい部分を兼ね備えた物語は、
 本でも十分に堪能できました。
 実際に徹夜の影絵芝居で見たらどれほど素晴らしいのかと、
 読み終わってからもわくわくしました。



 8月18日
 屍鬼 五  作:小野 不由美

 “起き上がり” と村人の血みどろの戦いと炎の終焉。
 戦いの幕を開けた医師 敏夫の狡猾さ、
 災いの元凶である沙子の心を理解し、寄り添う決心をする静信、
 憎しみと恐怖の反動で、かつては知り合いだった屍鬼を狩る人々。
 人々も屍鬼も、正気と狂気の境い目が失われたような成り行きが
 とてもおそろしいと感じた。
 そういえば、戦いの場面がすさまじいのは『十二国記』もでした。



 8月10日
 天と地の守り人  作:上橋 菜穂子

 長かった物語が終わってしまいました。
 小さくて悲しみの中に生きていたチャグム王子が、
 強い心と民を想うやさしさを兼ね備えた指導者になりました。
 バルサもタンダも、そのほかの人々もみんな、
 それぞれの未来としっかりと向き合う体験をしました。
 そんなことを感じながら、わたしの未来は…? と、
 あらためて考えてみるきっかけにもなった物語でした。



 8月7日
 人は何で生きるか  作:トルストイ

 とても読みやすくてわかりやすいシリーズの1冊です。
 文豪と呼ばれるトルストイが、素朴な民話のかたちで
 人間にとって大切なことを伝えようとしたやさしさを感じます。
 よいシリーズなのに、図書館ではあんまり借りられていないようで
 もったいないなぁ…と思います。



 8月4日
 プリンセス・ダイアリー  作:ミア・キャボット

 メールや日記などの一人称でつづられている高校生プリンセスの
 たくさんの悩みごと。
 シリーズの途中をいきなり読んだので、
 背景や人間関係がよくわからなくて楽しみきれなくて残念。



 8月2日
 星条旗よ永遠なれ  作:アヴィ

 最後まで救いのない物語でちょっと驚きました。
 この作者さんの今まで読んだ作品は、
 一つの枠…というか立場にとらわれている主人公が、
 何か(または誰か)のきっかけや応援でそれを打ち破って、
 自分にとって本当の自由を獲得するといった物語でした。
 この物語は少年の学校でのちょっとしたわがままが、大人たちの
 都合と勝手な解釈によって全米中の大騒ぎに発展します。
 当事者である少年と担任の教師はどちらも望まない道を歩まざるを
 得なくなったのに、騒ぎを大きくした大人たちは自分たちが少年を
 救ったと、的外れな満足感に浸っているのです。
 マスメディアの影響力の大きさと、親と学校との関係のありかたを
 考えさせられた作品でした。



 7月31日
 七つの人形の恋物語  作:ポール・ギャリコ

 表題作と『スノーグース』の2作品が収録されている。
 どちらもすばらしい物語でした!!
 今年読んだ中では1番です。
 『スノーグース』はやさしさと純粋さが深く胸に沁みこんで、
 感動がいつまでも残ります。
 『七つの人形…』は人形と若い女性ムーシュとの温かいやりとりと、
 人形遣いの暗く恐ろしい行動が、明と暗の対極を成しています。
 その中でも最後のクライマックスは、不吉な様相を呈しながら、
 疑問と希望をかき立てる、臨場感あふれる場面になっています。
 もともと好きな作家さんなのですが、
 この本を読んでますます好きになりました。



 7月28日
 天と地の守り人 第一部・第二部  作:上橋 菜穂子

 前作を読んでからずいぶんたってしまいましたが、
 あっという間に、物語の世界に入り込むことができました。
 バルサとチャグムが本当の親子のように心配しあうことが、
 用心棒という生き方のために家族を持たないで生きてきたバルサの
 心の支えの一つだと思うとほっとします。
 戦争にかり出されたタンダも、無事で帰れることを願って第三部へ。



 7月23日
 その歌声は天にあふれる  作:ジャミラ・ガヴィン

 読んでいて、胸が苦しくなるような作品でした。
 生活や名誉のために捨てられる子が少なくない時代に、
 他人の子を平気で殺める恐ろしいオーティスが、
 障害のある息子ミーシャクを乱暴に扱いつつも見捨てられないこと。
 そのミーシャクの荒々しい純粋さと一途さ。
 その中で、子どもたちの生き生きとした様子が
 光をはなっているようにも感じられました。



 7月17日
 屍鬼 四  作:小野 不由美

 いよいよ村が“起き上がり” たちに占拠されはじめました。
 生き残っている人にとっては恐ろしいけれど、
 全部の住人が入れ替わったら、その後はどうするつもりなのかと
 的外れな心配をしています。



 7月15日
 陰陽師 龍笛ノ巻  作:夢枕 獏

 静かな文章で創り上げられる、現実とあやしい世界の境目のような
 このシリーズが気に入っています。
 『むしめずる姫』の露子姫の純粋さにほっとしました。
 (でも、私は毛虫も蝶も嫌いです。)



 7月11日
 DZ  作:小笠原 慧

 家の本棚にあったので読んでみた。
 遺伝子と進化をキーワードにした推理小説。
 遺伝子のことは詳しくないので読み飛ばしながら進みました。
 殺人現場から消えた少年の謎が一つ一つ解けていくところが
 気持ちよく読めました。



 7月6日
 夜の子どもたち  作:芝田 勝茂

 ある町で不登校となった5人の子どもたちと、
 その対応に呼ばれた心理学の研究者が一緒に夜の謎に挑む物語。
 そこで進められている計画や伝説もこわいけれど、
 それよりもその町の大人たちの様子のほうがずっと不気味。
 誤植が多いような気がして残念でした。



 7月2日
 復讐プランナー  作:あさの あつこ

 不穏なタイトルだけど、ストーリーはもう少し優しい作品。
 復讐ノートがきっかけとなって、
 行き詰まっていた世界を広がっていくところがいいなと思った。
 スカイエマさんの絵も雰囲気に合っていてよかった。 





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