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虹の谷つうしん

2010年4月〜6月



 6月27日
 おしどり探偵  作:アガサ・クリスティ

 トミーとタペンスが探偵事務所を運営する短編集。
 ブラウン神父は、トミーが服装をまねていました。
 人が音を聞いたときにおこる勘違いを、みごとに推理するところな
 どは、ブラウン神父風のような…? 本当のマニアの人には、はっ
 きりとわかるのでしょうけれど。
 そのお話の最後にはタペンスが「ブラウン神父風の事件ではなかっ
 た」と言っているので、そうなのかも。
 推理小説は好きなのですが、謎解きは作者にまかせて物語を楽しむ
 読者なので、ドラマティックなクリスティ作品は、何度読んでも
 おもしろいです!



 6月21日
 星新一ショートショートセレクション4 奇妙な旅行  作:星 新一

 7月の更新に使おうかと思って、久しぶりに読みました。
 (旅行以外の内容も多いので今回は見送りです。)
 ユーモアと皮肉がブレンドされた短編は、肩の力が抜けてほっと
 します。



 6月14日
 ブラウン神父の醜聞  作:G・K・チェスタトン

 1人の早とちりの新聞記者のために広まってしまった、ブラウン神
 父の聖職者にあるまじき行いのウワサの真相を含む9編。
 表題作はちょっと楽しいおはなしでした。
 ほかはブラウン神父のひらめきと小さなことも見落とさないこと、
 そして人間をよく知っていることが魅力的です。
 次はクリスティーの『おしどり探偵』で、ブラウン神父がどう語ら
 れていたか確認しようと思います。



 6月12日
 モスフラワーの森  作:ブライアン・ジェイクス

 レッドウォール伝説第2巻。
 次の更新のために久しぶりに読んでみたら、やっぱり面白かった!
 読むチャンスがない人が気の毒になってしまうほどです。
 残虐なヤマネコの女王率いるコター砦軍団と、
 森に平和を取り戻したい動物たちとの壮絶な戦い。
 厳しい戦いの中に、小さな動物のかわいらしさや、運命に立ち向か
 う強さも盛り込まれています。
 斎藤敦夫さんの『冒険者たち』と同じくらい心を揺さぶられる物語
 です。



 6月3日
 ようこそ、おまけの時間に  作:岡田 淳

 授業中に12時のサイレンが聞こえると…、という設定がいい
 ですね!
 小学校から高校生まで、お昼の12時は授業中ですよね。
 「お腹すいたな〜」とか、「もうお昼だな〜」とか、
 思っている人はたくさんいると思います。
 その一瞬を、別な世界への入り口に使うなんて、とてもおもし
 ろいです。



 6月1日
 妖怪アパートの幽雅な日常 H I  作:香月 日輪

 とうとう終わってしまいました。
 普通の人生を送ることを目標にしてきた夕士が、まわりの人と
 違う運命を与えられた感じの高校3年間。
 まわりの人と違っても、その人たちと一緒に過ごしながら幸せ
 でいられることを知った、大切な3年間だったと思います。
 普通と違う夕士には、それを生かせる人生が用意されていて、
 それもよかったと思いました。



 5月26日
 青い城  作:L・M・モンゴメリ

 角川文庫から出ていたこの作品、大好きなモンゴメリなのに、
 タイトルも初めて見ました。
 始まりは少し陰気だけど、主人公のヴァランシー(素敵な名前だ)
 が自分の好きなようにしようと決心してからはテンポが良くて
 とても楽しい。 あっという間に読めてしまった。
 最後の3つのサプライズのうち2つまでは、かなり早いうちに
 予想ができてしまったけれど、読みながら泣いたり笑ったり、
 心ゆくまでどっぷりと楽しみました。



 5月25日
 中世ヨーロッパの説話 東と西の出会い  著:松原 秀一

 ヨーロッパ各地とアジア地域に残る伝説や昔話を、共通する部分を
 軸に比較・解説しています。
 専門的なところは斜め読みですが、宗教的な逸話がまた別な宗教で
 伝えられていたり、言葉を翻訳する人によっていろいろに変わった
 らしいということは興味深く読みました。
 「シンデレラ」と日本の「落窪物語」はどうなのでしょうね。



 5月21日
 雨月・春雨物語  著:松崎 仁

 ポプラ社の古典文学全集。原作は上田秋成。
 怪談といっても、どこかあわれを誘う物語ばかりです。
 『春雨物語』からの「樊?(はんかい)」がおもしろかったです。
 乱暴で考えなしの大蔵が、自分勝手に生きながらも次第に何かを
 悟っていくさりげない筋立てが心に残りました。



 5月19日
 チェラブ mission1 スカウト  作:ロバート・マカモア

 親を亡くした少年ジェームズが、スパイとして訓練を受ける物語。
 「チェラブ」はこどもスパイの組織名。
 子どもを楽しませるために書いた作品だそうで、
 本当に楽しく読むことができました。
 子どもの世界の厳しさも、子どもだからこその楽しさも盛り込まれ
 ていて、読者がジェームズと一体になるような気分を味わえそう。



 5月16日
 ブラウン神父の秘密  作:G・K・チェスタトン

 ブラウン神父が自分がどのようにして犯人を特定したかを語ります。
 キリスト教の司祭であることが、人間を深く観察することにつながって
 いるようです。
 物証によって推理ではなく、誰かの性格や行動から推理する方法は、
 クリスティーの名探偵ポアロと似ているのかな、と思いました。



 5月11日
 源平絵巻物語 第八巻 静御前
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 源義経の妻となった美しい女性の悲しい物語。
 亡くなったとき19歳だったそうで、
 静御前が幸せにくらせたのは本当に短い間だったのだなあ、と
 しみじみと悲しく思いました。



 5月9日
 迷宮のミノア文明 事実になった神話
                 著:ルイズ・スティール

 ミノタウロスの伝説がある地中海のクレタ島の遺跡の解説。
 陽光に照らされたクノッソスの宮殿跡の写真がとても美しいです。
 解説もわかりやすくて、考古学初心者のわたしでもじゅうぶんに
 楽しむことができました。
 地中海周辺には伝説や遺跡がたくさんあって、
 時間とお金があれば、絶対に行ってみたいところです。
 宝くじでも買わないとダメかな・・・?



 5月6日
 青い図書カード  作:ジェリー・スピネッリ

 何も書いていない青いカード。
 でも、それは間違いなく図書館のカードです。
 カードのあらわれ方も、そのカードを見て案内してくれる図書館の
 職員も、ちょっと不思議。
 主人公の名前がタイトルの短編が4作収録されています。



 5月4日
 バカなおとなにならない脳  著:養老 孟司

 子どもたちの質問に養老先生が答えてくださっています。
 印象的だったのはあとがきです。
 「笑って答えるのと、怒って答えるのと、半々くらい」
 と、おっしゃっています。
 子どもの質問にではなく、そういう質問をする子どもに育てた大人
 に対して怒った、と…。
 このくらいはっきりと物を言える人物が教育現場にもっといたら、
 今の社会そのものが違っていたかもしれませんね。
 子供を教育する先生や親の世代が、その上の世代から引き継げな
 かった何かがあるのかな。それは何なのでしょうね。



 4月29日
 王国の鍵 4 戦場の木曜日  作:ガース・ニクス

 物語も佳境に入った感じです。
 サーズデーはとても恐い人ですが、悪い人ではなかったみたい。
 それよりも、サタデーとサンデーはどれほど強大なのでしょう。
 訳者さんのあとがきによると、英語圏の国ではすでに完結編(7巻)
 が刊行されたとのこと。
 日本では秋に第5巻が出る予定だそうなので、しばらくは我慢
 ですね…。



 4月27日
 王国の鍵 3 海に沈んだ水曜日  作:ガース・ニクス

 アーサーの学校の友達 リーフが巻き込まれてしまいました。
 よくわからない状況の中で機転を利かせて生き残った勇気と才能は
 すばらしいです!
 バラバラにされてしまった「遺書」には何が書かれていたのか、
 とても気になってきました。



 4月25日
 源平絵巻物語 第七巻 壇の浦のたたかい
                 文:今西 祐行 絵:赤羽 末吉

 平家が滅亡した壇ノ浦の戦いの激しさが伝わってくるようでした。
 攻め込む道筋が地図で描かれていて、興味深く見ました。
 人と人とが切り結ぶいくさはなんとも悲しく、あわれです。
 幼い安徳天皇が時代に翻弄されて命を失ったことも悲しいことでした。



 4月20日
 告白  作:湊 かなえ

 誰でも仮面をかぶっている。
 そして、誰にでも仮面をかぶせている。
 人と人の関係には「こう見せたい」という意思と、「こう見える」
 という判断が必ず存在している。
 その判断から感情が生まれる。愛情、友情、憎しみ、嫌悪。
 その感情はどれも、何かのきっかけで狂気につながることがある
 ・・・と、この物語は伝えてくる。
 これほど残酷になる前に、人を信じてみてほしかったと思ったけ
 れど、もうその段階を過ぎてしまった結果なのかな・・・。



 4月15日
 王国の鍵 2 地の底の火曜日  作:ガース・ニクス

 第2巻も快調でした♪
 “無”から生まれる怪物がとても独創的で気味が悪いのは
 もちろんのこと、アーサーがあくまでも普通の子どもであるまま
 なところが好きです。
 3巻も買いに行かなくては…。



 4月13日
 ネクロポリス 上・下  作:恩田 陸

 死者が一時的に実体化できる街、ネクロポリスで起きる奇妙な
 できごとの謎をとく物語。
 日本とイギリスの文化が混在する街という設定がまず興味深く、
 次々と起こる事件とその街独自の行事や解決方法が、薄気味悪
 さをいっそう盛り立ててきます。
 最終的に、謎解きを魔法的な方向に持ち込まず、人間的に解決
 しているところが、読み終わった後にすっきりしてよかったです。



 4月7日
 魔女の宅急便 その6 それぞれの旅立ち  作:角野 栄子

 去年発行された『魔女の宅急便』完結編です。
 購入後、時間が経ってしまいましたが、やっと読むことができました。
 「全巻買ってよかった〜。」というのが、一番大きな気持ちです。
 キキの成長物語は、私の大好きな『赤毛のアン』にも匹敵するのでは
 ないかと感じています。
 娘にも、いえ、10代の女の子みんなに読ませてあげたい物語です!
 本棚にあれば、いつでも娘にすすめることができるのでいいですよね。
 角野栄子さん、すばらしい物語を本当にありがとうございます!



 4月4日
 ココ ゴリラと子ネコの物語
            文:フランシーヌ・ペニー・パターソン 写真:ロナルド・H・コーン

 紹介している絵本『ゴリオとヒメちゃん』のモデルになったと思われる
 実話の記録です。
 手話を覚えたメスのゴリラ ココが子猫のマンマルボールと出会い、
 かわいがるようすを、子ども向けに写真と文章で紹介しています。
 ココはマンマルボールを「アカチャン」と表現することがあり、ゴリラの
 母親がするように抱いたり、背中に乗せたりしてかわいがります。
 でも、相手はネコであり、ゴリラではないこともわかっています。
 ココはマンマルボールのことを、人間がペットをかわいがるのと同じよ
 うにかわいがっていたのでしょうか?
 機会があったら、もう少し詳しく知りたいと思います。



 4月1日
 死の蔵書  作:ジョン・ダニング

 刑事をやめて古書店主になった主人公が殺人犯を追うストーリー。
 作者も古書店を経営していたそうで、古書の魅力や苦労話などが
 リアルで興味深かったです。





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