大 山 不 動
    「左 藤沢道、右 大山道」 わかれ道で
もないのに、いずみ野の道端にこんな道標が
ありました。 手でたどってやっと読みとれる
「大山道」の文字が、江戸時代の大山参りを
静かに回想させてくれます。
    気の合った仲間が今でいう 「歩こう会」 を
つくり、ちょっとした山歩きを愉しむのと同じよ
うに、江戸の人達にもそんな洒落た感覚を持
ち合わせていたのでしょうね。
  大山道が高台にさしかかると、大根畑とキ
ャベツ畑の向こうに大山を望むことができまし
た。 どうひいきめに見ても隣の富士山にはか
ないっこないのに、 どうしてもこの大山が気
になります。
  道路工事で、いつものバス停のだいぶ前で
降ろされました。  おかげで「とうふ坂」という
旧道を歩くことができ、 また茶湯寺のお地蔵
さんや、 寝姿の仏像を拝することができまし
た。 歩くことに勢いをつけて、ケーブルにも乗
らず「大山寺」へ。
  みなさん、大山寺に詣でたことあるますか。
今ではこのお寺はコースから外されているよ
うになってしまいましたが 「おふどう様」 に願
いごとをかなえてもらうには、 ここをちゃんと
歩かないと聞いもらえないかもしれません。
   鉄仏を訪ね歩いていたという話を思い出し、
たぶんこの不動明王もだいぶ前に拝してい
たのだろうと、その友人のことをおもい、参道
の庚申塔や石仏群の風情をたのしんでいま
した。