こんな夜には何を夢みようか?

黒い空を、

青い月を、

己の愛する人を。

 

お前は一体何を懐かしんでいる?

そう、自分には必要のないものばかり。

恋だとか、

愛だとか。

 

そんな物は捨ててしまったはずなのに。

あの人が自分の腕をすり抜けていってしまった日のうちに。

 

 

夢は、自分を癒してくれる?

貴女が現れるのを永久<とわ>に待っている自分を。

 

「愛してる」

 

その言葉を発する唇をただただ待っている自分を。

 

 

夢は・・・自分を苦しめる?

貴女が現れないのを刹那に悔やむ自分を。

 

「さようなら」

 

その言葉を否定できなかった自分を。

 

愛を認める術を知らなかった自分を貴女はまだ愛していてくれるか?

 

「愛してる」

 

その一言だけ、せめてこの五文字だけを、

夢の中で告げて・・・。

そうしたら僕は言ってみよう。

 

「さようなら」

 

貴女がいたとしても、所詮は夢の中。

傷つく前に、傷つけてしまおう。

 

僕の大事な、ガラスの貴女。