第3話 『ママも忘れないでね。』
9月6日(月)
今朝も昼過ぎまで眠ってしまった。 結局起きたのは正午過ぎの12時30分。
部屋からバルコニーに出てみると、今日もよい天気である。
昨晩にダニエル・ステイールの小説 「パリの5日間」を読み終えてしまったので、今朝からは喜多嶋隆の「夏物語」を読むことにした。
南の島を題材にした10代向けの短編小説集である。 南の島にでかける時には1冊、往の機内で読むなりして気分をリゾートナイズするようにしている。
テラスで一編読み終えたところで 「パパ!」 と呼びかける裕太の声が聞こえた。
その日の最初の食事はにはトーストと卵料理を食べたいが、昼食時にはもうそれはかなわない。
ミックスサンドイッチとツナサンドイッチをオーダーする。 何枚かデジカメで写真を撮っているとウエィターの一人がこのデジカメをやけに気に入って自分もそのカメラを買って孫を撮りたいと言った。
食事を終え、一度部屋へ戻り身支度を清ませ出かける。
今日の予定はシュガートレインに乗ってラハイナへ出かけること。 以前このシュガートレインに乗った時は
Kaanapali 駅から乗ったが今回は Whaler's villeage からバスに乗ってシュガートレイン起点の
Puukolii(ブウコリイ) 駅から乗ることにする。
Puukolii から Lahaina まではおよそ 4mile で途中には Kaanapali 駅があるだけだ、この駅で5分間の途中停車があり全線を約40分で結ぶ。
電車や汽車が大好きな裕太は喜ぶものと思ったけれど、どうも元気がない。 風通しの強いバスに乗ってビックリしてしまったのだろうか?
体調が悪いのだろうか...と心配してしまった。
シュツ シュツ シュツ と蒸気を吹きながら汽車が入線してきた。 裕太はあっけにとられた顔をしている。
チケットを購入してホームで待つ、立っていた位置は3両目の車両にあたるので
人をかきわけて先頭車両までホームを移動する。 先頭車両には10名くらいしか人がいない。
前から3列目のシートげをゲットした。
汽笛をならして汽車が出発だ、まだ裕太の緊張の顔色は変わらない。
汽車は赤茶けた大地を走る、Lahaina に向かい右手には Kaanapali のホテル群と青い海・空が見える。
左手には赤茶けた大地の斜面と 山々が見渡せる。 ポッポツ...汽笛を鳴らして汽車は走る。
Lahaina の駅にはついた、汽車はここでたーんテーブルで回転させられ新たな乗客を乗せて
もときた Puukolii へ戻って行く。 線路は単線、汽車は一台だけで 一日に7往復だけである。
Puukolii の駅には売店があり、機関車トーマスの模型はおもちゃを売っている
そんなものを一度見てしまったらもうその場を動くはずのない裕太であった。
僕は外で Shave Ice(かき氷)を買って食べた、フレイバーテイストはオレンジにグレープである。
このかき氷を餌に裕太を店から引っ張りだした。 でも、かき氷を食べ終えるとまだ店に走り戻って行く裕太であった。
一緒に下車した人々が駅を後にした後も我がファミリーは20分以上その場に止まったわけである。
Lahaina 駅のすぐ脇を走る Honoa Piilani Hwy(Root 30) を横断するのは大変である、信号と横断歩道があるところまで300M以上歩かなければならない、横断したら今度はそのハイウエィの反対車線をまた300M戻るのである。
駅からラハイナのメインストリートまで裕太を肩車して20分の道のりであった。
以前来た時と変わらぬ町並みだった。
今回はこの街でブルーハワイも飲まず、土産物屋にも寄らず
ただ通りの散歩に徹した。 ママがクレイジーTシャツ コヒーの香りがするやつを買った。
この旅行のために作った AMEX Gold が輝いていたね。
Lahaina から Kaanapali のホテルにはシャトルバスが出ているけれど、次の出発時間までは1時間近くある。
空きタクシーかなぁ? と一台のタクーバンをみてみると 客待ちらしい、そのドライバーが無線で一台他のタクシーを呼んでくれた。タクシーが来るまで7、8分待たされたけれど...。
タクシードライバーは女性だった、自分でドアを開き 「アローハ」と声をかけ、裕太を抱きかかえて乗り込む。
裕太も得意の「ア!」と声をかける、「このこの "ア" はアロハの意味なんだよ。」と説明する。
このタクシードライバーも週に7日間働くのだと言う、お金をためて祖国のベトナムへの旅費を貯めるのだと言っていた。
ホテルに戻ると裕太も疲れたのか、なかなか水着に着替えようとしない。
水分補給の間が開いてしまったので皆で沢山のジュースを飲む、時間はもう5時20分を回っていた。
陽もかなり低くなってきている。 ようやく全員 着替えをすませいざプールサイドへ、昨日よりは多くの人々がプールサイドで日光浴を楽しんでいた。
今日は浮き袋も持参である。 太陽はプールサイドから眺めるとプラックロックへ向かって沈んでいく、ブラックロックの影にかくれたのは6時20分、浜辺へ出てみると同じ方向に6時30分に自然でいった。
日没と同時に行なわれるトーチセレモニーは今日 6時45分であった。
暗くなってもなかなか裕太は浜辺を去りたがらなかった。
暗くなるまでその場にいたら、何か裕太も寂しさを感じてきたようだ。 「また、明日来ようね。」ママの声に
「アックン」 と返事し、座っていた裕太は立ち上がった。
温かいお風呂で体につけた日焼け止めを洗い落とす。
新しいTシャツに着替え、Whalers village へ出発だ、 今日は和食のファーストフォードショップを目指す。
ママは うどん そして 僕はかきあげ丼を食べる。
食事のあと Whalers village 内を少し散策する。 一流ブランドショップが多数あり、
Dutty free shopperes もある。 それ砂の城の展示があり、数々の海をテーマにしたオブジェ、今日この場についた時にはフラダンスショーも行なわれていた。1コーラス目にすることができた、写真を撮ろうとしたところでダンスが終わってしまって残念だった。
あきない街である。
ABC ストアーでいつものよう飲み物の買い物をすると、もう顔見知りの店員さんが笑顔で挨拶してくる
それに答えて 「毎日来てますよ、そして毎日お会いしますね」と言うと 「明日の正午に入るわよ、あといくつ必要なの?」
ってな感じである。
荷物はママが持ち、僕は重たい裕太を肩車しホテルへの道を歩む。
欠伸をしている裕太、すぐに寝るのかな? そんなはずはないだろう...と思う、部屋についたらあっと言う間に裕太は床で電車遊びをしながら寝入ってしまった。
現地時間10時過ぎの事である。 真夜中に目を覚まさなければよいのだが。 明日は午前中からプールで過ごしたい。
今は夜の11時20分、 すでにママもベットに入ってしまった。
僕も 歯を磨いて ベットで本を読むことにしよう。 宮本輝の「海岸列車」を読む。