HORNET250
「HORNET」英語でスズメバチ。
大きく左右に張り出した曲線美の美しいグラマラスなタンクから
流れるように絞り込まれたシート&サイドカバー付近でスリムになり、
テールに向かって強く絞り込まれたリアカウルがリアタイヤを強調させます。
これらにより上から見ると、まさに「ホーネット(スズメバチ)」を連想させるデザインになっています。
開発時にはまずダウンビュー(真上からの視点)のデッサンを手がけたそうです。

またこのデザインはシート&サイドカバーを絞り込むことにより足つき性向上に大幅に貢献しています。
この独創的なデザインを支えているのがホーネット用に新開発したモノバックボーンフレームです。
モノバックボーンフレームのお陰でこの大胆なアイデアが成り立ちました。
シートレールが2本のいままで通りのフレームでは、タンクの後ろからシートへとつながる部分や、
リアカウルエンドの大幅なシェイプはどう考えても不可能なのです。
リアまわりを包み込む新しい形状のリアカウルもこのフレームがあればこその形です。

そしてリアタイヤのサイズが「180/55ZR17」となっており、
リッターバイク並のワイドタイヤになっています。
このタイヤサイズはHORNET600やHORNET900はもとより、
CBR600RRやCB1300 SUPER FOUR等のリアタイヤと同じなのです。
そのお陰で路面の状態などにより多少滑ってもこの太いタイヤにカバーしてもらった事が何回もあります。
ホーネットはリアタイヤで乗るもの!といっても過言はないとでしょう。
数々のテストの結果、フロントタイヤを16インチ(130/70ZR16)にすることにより、
フロントの軽快感、リアの安定感を組み合わせることに成功し、
モノバックボーンフレームとの剛性バランスもあいまって、
接地感とゆとり、そして重厚な乗り味を生み出すフロント&リアタイヤになっています。

一方マフラーがオンロード車としては非常に珍しいアップマフラーでリアカウル右下面に配置されています。
これによりリアの足回りを引き締め、ホーネットの特徴の一つであるワイドタイヤをより強調させています。
また音質も「アイドリングからの心地よい低周波と高回転域での官能的な直列4気筒サウンド」を目標に開発されており、
アイドリング時や低回転域においては、心地よい太さ感のある低周波サウンドになっています。
それでいて高・中回転時には低回転時とは別のバイクのような音質変化がおこる構造になっておりライダーを飽きさせません。

そして主要部である86年CBR250Fでデビューし9年間で約11万台に搭載された、
信頼の水冷・4サイクルDOHC・16バルブ・直列4気筒・249ccエンジンをベースに、
街中でもストレス無く乗れるように、低・中回転域でのトルクを向上させ、
扱いやすさを大幅にアップさせたエンジンを載せています。
このCBR250譲りのエンジンは、ホンダ独自のカムギア・トレーン(カムシャフトを歯車で駆動する方式)機構を採用したもので、
一万六千回転から一万八千回転がレットゾーンというF1並みの超高回転型エンジンです。
フラットで滑らかなエンジンで低回転からストレス無くレッドゾーンまで回ってくれます。
カムギアトレーンの独特な機械音が非常に印象的で、
他のバイクは排気音を楽しむバイクと言えますが、
ホーネットはエンジン音を楽しむバイクと言っていいでしょう。
とりわけ一万回転以上のサウンドはエキサイティングで官能的、
もっとアクセルを捻り回転数を上げていきたい衝動に駆られます。
またホンダが長年かけて熟成してきたエンジンなので信頼感抜群です。
ホーネットでのエンジン系のトラブルは今まで聞いたことがありません。

このようにホーネットは250CCでありながら独創的なデザインや、
極太タイヤなどの非常に強い個性を持ち合わせつつ、
町乗りに適した信頼性抜群のエンジンや、
最新型ではサスセッティングを見直しシート高を15mmダウンに成功し、
カラーオーダープランにより全21タイプの中から自分好みの色にすることが出来るなど、
CS(カスタマーサティスファクション)を配慮した、誰でも気軽に乗れるバイクに仕上がっています。