しらなみごにんおとこ べんてんこぞうきくのすけ
これは、2001年巳年の年賀状です。プリントゴッコに水彩絵の具で、彩色してあります。今年の干支は巳。蛇と言えば、これしか思い浮かばない、歌舞伎「白波五人男」の弁天小僧菊之助です。
年賀状は、時期が過ぎたら消してしまうのですが、今回は歌舞伎ネタなので、ここに移してきました☆
女と見まごう、美貌の少年。今話題の17歳ですが、衝動犯罪の17歳とはわけが違う。12歳の時から、悪の道に入り、盗みはすれど非道はしない、二千人の配下を持つ大盗賊団「白波五人男」の幹部の一人なんです。
美少年なので、お化粧は白塗り、目と唇には紅をさしています。岩本院の稚児あがり、江ノ島育ちのため、「弁天小僧」という異名があります。江ノ島は弁財天の島ですから、それにちなんで着物の模様も、弁天さまのお使いの『白蛇』、音楽の神様でもあるので『琵琶』、そして『大輪の菊』なんです。
このシーンは、「稲瀬川勢揃の場(いなせがわせいぞろいのば)」 5人がそれぞれ、同じ地色に名前にちなんだ柄の衣装を着けています。額の傷は、前の幕でお嬢様に化けて、ゆすりにいった先で受けた傷。そんな物まで、絵になってしまう、歌舞伎の美学。錦絵には及びませんが、ちょっと拝借してみました。
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