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歌舞伎の馬、猪、四天

歌舞伎の馬です。人が二人入っています。これは「當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)」より。『馬の足』なんて役者を馬鹿にするような言葉になっていますが、なかなかどうして、技がいるようです。ただ人を乗せて歩くだけでなく、こんな風にクールベットしたり「碁盤乗り」といって、碁盤の上に四本の足をのせて立ってしまったりするんです。


ついでに、忠臣蔵五段目に出てくる猪です。こちらは一人だけ入っています。前足は作り物でぶらぶらしている。花道から出てきて舞台を駆け抜けて行くだけ。いつも笑いをとっています。


おまけに「花四天(はなよてん)」。歌舞伎で立ち回り等をやる、取手の人たちその他大勢の事を「四天(よてん)」といいます。たいていこんな柄の衣装を着ている。武器は武器らしい物を持っている事もあれば、舞踊的な演目の場合、このように桜の枝だったりします。「とんぼ」と呼ばれる宙返りなど、アクロバティックな事もします。とんぼの基本は、片足を伸ばした尻餅みたいなポーズで着地するのです、ちょっと面白いのですが、笑わないように。


以上は昔作った歌舞伎の個人誌に描いたカットです。また古い物を引っ張りだしてきてすみません。

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