夢日記 第二十二夜 死体の多い山 |
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遊園地や動物園などもある広大な行楽地で休暇を過ごしている。昨夜は桟橋の客船から花火大会を見て、そのまま客室で一晩を過ごした。海の反対側には美しい照明に輝く大きなプールが見え、そこにもたくさんの人々がいた。客船の天井が開いて夜空が見える仕掛けには驚かされたが、船自体がアトラクションの一つであるからには当然のことだった。 翌朝、海沿いのレストランにみんなと朝食をとるために向かう。どうしたわけか、なかなかたどり着けずに焦っている。レストランは目の前に見える二階建てのかなり大きな建物で、二階の半分ほどが海にせりだしている。ときどき階段を昇って入っていく客も見える。 その階段のある岸辺へ行くには敷石を伝っていかなければならないのだが、敷石の間は海の水が来ていて、うまく渡らなければ靴を濡らしてしまう。そのうえ敷石は迷路のようになっていて、ところどころそれ以上行かれないようにロープが張ってあったり、石が途切れて水辺に取り残されたりする。迷路の中央には赤い小さな社が建っていて、その辺りからレストランに行く道につながりそうでつながらない。結局は辿り着けないので諦める。 いつの間にか皆とはぐれて一人になっている。 海岸伝いに山のほうに向かっていくと、ハイキングコースになっていて、そこを登りはじめる。二〜三メートル幅の道が頂上までらせん状についているようだ。全体が赤土のようで、植物は雑草以外にほとんどない禿山である。 晴れていると思ったが、遠くの景色は霧がかかってよく見えない。のんびり歩いていると、先を急ぐ様子の屈強な男たちに次々に追い抜かれた。いかにも山男といった格好だが、こんな低い山では不似合いだ。その後から来た若い夫婦も急いでいるらしく、右手の近道らしき急なスロープを四つん這いに登っていく。背中のかごに赤ん坊を入れているが、危なくはないのだろうか。草むらに見え隠れする夫婦を時々見上げては、そのまま進んだ。 夫婦の姿が見えなくなっていくらも経たないうちに、いきなり崖崩れの音が聞こえた。しばらくいくと岩につぶされて落ちてきたらしい男の死体が四つ。ぐちゃぐちゃになっている。すぐ後ろから来ていた救助隊員らしき二人の男が、その死体をそのまま軽々と拾い上げるのを横目に見ながら、関わるまいとさらに登っていった。途中にもごろごろと無残に潰れた死体が転がっており、気持ち悪いので見ないようにしながら歩く。ともかく先に進まなければならない。頂上をめざさなければ気がすまなかった。もっとも、最初よりはずいぶん早足になった。頂上まで登ったらすぐに降りてくるつもりだった。 山頂は十メートル四方ぐらいのところで、五、六人が休んでいた。先程の若夫婦は無事だったようで下山していく。それと入れ違いに大男で赤ら顔の外人が屍体を背負って登ってきた。さっきの屍体とは違う。その母親らしい汚らしい老婆が「犬に噛み殺された」と言い訳するが、どうも話がおかしく護身の必要を感じる。近くの少年が本物そっくりの水鉄砲を持っていたので、威嚇に使うつもりで借りる。外人は屍体を埋めるつもりらしく、辺りを見回している。急いで下山しようとすると、今度は竹駕籠を背負ってくる男に出会う。中には赤ん坊の死体が入っている。 |