最初は
Aco を取り上げる。なぜ Aco かと言えば、プレーヤーに音楽ファイルを一括登録したときに、ABC順で一番最初になるからだ。さて、
『 悦びに咲く花 』のプロモーションビデオでは巨大な白い立方体に横たわって歌っている彼女だが、あれはどうしてなんだろう。
公式ページに撮影日記まであったが、意味までは書いていなかった。
『 悦びに咲く花 』とは意味深であり、いちおうアダルト・ヴォーカルなんだろうが、可愛いめの声なのでさほどハードな印象はない。そう思ったあなた、
こいつを聴いて欲しい。ジャズ・ギター一本をバックにけだるく聴かせてくれる。
Aco は元々それほど太い声ではない。特に高音域になると急激に黄色い声に変わる。『 やわらかい肌 』でも
いちばん盛り上がるサビの部分というのはたいてい高音を使うものなので、可愛さが目立つ。
同じ曲の出だしの方とはかなり印象が違う。さらに曲のさわりの
電話のベルに乗せたスキャットなど、かなり硬質で都会的に洗練された音だ。
Aco の歌は詩の内容も肉感的なものが多い。しかし声質とギャップがあって、エロティックではなく無機質的な印象である。
『 揺れる体温 』もそんな感じだ。しかも最初からそうではなく、
歌いだしはほんとうにムードがあって引き込まれる。あのPVは生物と無機物を対照させていた。つまりは Aco のイメージそのものということかもしれない。