雑感56 〜 久保田早紀 Previous 雑感メニュー Next
 高校2年生のとき、クラスの友達に喫茶店で座って微笑している久保田早紀の写真を見せられた。その後もいろんな人にいろんな芸能人の写真を見せられたような気もするが、構図まではっきり憶えているのはその写真だけだ。
 名曲「異邦人」だけが残って消えてしまうには大変惜しい人だ。ピアノを弾きながら、ほとんど無表情に淡々と歌う彼女は、決して上手いボーカリストではなかったが、非常にミステリアスな雰囲気があった。作曲の幅も広く、詩にも広がりがあり、シルクロード近辺の民族音楽を素材にした曲をたくさん作っていた。ポルトガルのファドが多少とも大衆に知られるようになったのは彼女のおかげだろう。
 残念ながら、ファーストアルバム『夢がたり』しか手元にないのであまり曲は紹介できないが、メロディーや和音の使い方が独特で、楽譜も面白く見ていたものだ。
 過去形で書いてしまったが、今も彼女はゴスペル・シンガーとして活躍中である。本名・久米小百合で作詞・作曲し、ご主人の久米大作編曲でCDも出している。Gospel Japan にホームページがあり、アルバムの試聴もできる。ゴスペルのイメージではなく、やはり歌謡曲に近い。クリスチャン・コンテンポラリー・ミュージックというのだそうだ。
 写真・資料⇒久保田早紀 非公式ホームページ 夢がたりより