6月6日(第3日目)

リエカ、サダル、シベニク


早起きして、海岸まで散歩に行った。天気は雲ひとつない快晴。海も波はほとんど無く、湖のように静かだった。
オパティアとはクロアチア語で「僧院」という意味で、もともとは15世紀に建てられたベネディクト会修道院の周りに集まってできた海下の集落だったそうだ。「アドリア海の貴婦人」と呼ばれており、クロアチア屈指の高級リゾート地である。
海沿いの道路(チトー通り)には多くのホテルが立っている。この通りを歩いて見た。西に歩くと、海沿いにサヴォイ、道路の北側にはアストリアが立っていた。何れも、高級ホテルの佇まいをしていた。
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今日の観光は、まずオパティアの直ぐ東のリエカRijekaへ行き、それから南下してサダルZadarへ。そして、更に南下してシベニクSibenikに行き、観光後はシベニクで泊まる。

今朝は8時に出発し、約20km走って30分ほどでリエカへに着いた。海岸近くの駐車場でバスを降りて、運河のような川を渡って旧市街の中心部へ歩いて行った。
“川”という意味の名を持つリエカは、クロアチア最大の貿易港の町だそうだ。過去イタリア領だったこともあり、イタリア語でのフィウーメの呼び名も通じる。リエカもフィウーメも共に「川」を意味する。(ウィキペディア)
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リエカの最大の見どころは、聖ヴィート大聖堂。17世紀にイエズス会によて立てられた円形の教会で、クロアチアの100Kn札にも描かれている。主祭壇に祀られているキリストの磔刑像は、石が当たったとき地を流したという伝説が残る奇跡の像*だそうだ。

*1292年、ペタル・ロンチリッチという男が、教会でお祈りしたのに賭け事に負けたと逆恨みして、このキリスト像に石を投げつけた。すると大地が裂けて男を飲み込み、この木彫から血が流れたという。それ以来この木彫は奇跡をもたらすとされ、内部主祭壇のキリストの十字架像の脇に、男が投げたとされる伝説の石が飾られ、ラテン語で「1192年、この石で十字架像が打たれた」と書かれている。
そのときに木彫から流れ出た血は今も小瓶に入れて教会に保管されているとのこと。
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リエカ港

聖ヴィート大聖堂

ローマ門

時計塔

市場
聖ヴィーダ大聖堂では外観を見てから(入場観光は無かった)、前の通りを南に下りローマ門へと向かった。4世紀時代のローマ時代の城壁の門だけが、二つの建物に挟まれて残っている。
更に道を進むと、街のメインストリートのコルゾ通りKorzoに出た。その通りの出口には時計塔があった。キレイなタワーであった。
コルゾ通りを左へと東に進み、途中で左へと曲がると市場があった。市場の東側は広々とした公園があり、その向こうにはクロアチア国立劇場の綺麗な姿が見えた。
市場では、こちらの名産「いちじく」を干したものを買った。添乗員の説明では、「いちじく」をクロアチア語では「スモクバ」と言うのだそうだ。

市場の風景

市場隣の公園と国立劇場
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市場を後にして、運河を渡って駐車場のバスへ戻った。次なる観光地サダルへ向かってバスは出発した。

リエカからサダルまでは、約300km、3時間半のバスの旅である。バスは海に沿った高台の道を坦々と走る。バスの右手はアドリア海で、細長い島々が続いて見える。
サダル旧市街 (画像のクリックで拡大表示)
サダルは、かつてダルマチア地方の中心として栄えた港湾都市であるとのこと。
サダルに着いて直ぐ昼食となった。今日のメニューはブイヤベースであった。昔旅行したフランスのマルセーユでの昼食のブイヤベースを思い出した。
昼食後のサダルの観光スポットは、シー・オルガンと聖ドナト教会である。それは旧市街にあるが、旧市街は小さな半島のように海に突き出た場所にある。
聖ドナト教会は、9世紀に建てられたプレ・ロマネスク様式の教会とのことで、円形をしており、サダルのシンボル的な教会だそうだ。

聖ドナト教会と聖ストシャ大聖堂の鐘楼

シー・オルガンの浜辺
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2005年にクロアチアの建築家ニコラ・バシッチによってザダルに建設されたシーオルガン(Sea Organ)。35本のパイプが海風と波で音を奏でます。
シーオルガンとは、ウィキペディアによると「海の波によって生み出される水の流れが、巨大な大理石製階段の下に設置した管の中を通ることで圧縮された空気が押しだされてくることを利用した創作楽器」だそうだ。
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そのシーオルガンが奏でる音をYouTubeで聞くことができる。 → Zadar In Your Pocket

サダルでの観光を終えて、シベニクに向かった。シベニクまでは約75kmで1時間ほどで行ける。長距離バスターミナルでバスを降りて、海沿いに旧市街の中心部へと向かった。
ここでの見どころは、世界遺産に登録されている聖ヤコブ大聖堂である。入り口に向かって左側の壁面には、建築当時(1431年〜1535年)のシベニク市民の有力者をモデルにしたと言われる71人もの頭部の彫刻が施されている。
大聖堂の左にリプブリク広場があり、大聖堂と向かい合って市庁舎があった。ルネサンス様式の優雅な建物である。

シベニクの港と町並み

聖ヤコブ大聖堂

市庁舎

聖ヤコブ大聖堂壁面の彫刻
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シベニクでの観光を終えて、バスターミナルまで戻った。今日の観光はこれで全てお終いで、ホテルへと向かった。今日のホテルはシベニクのホテル・ユレHotel Jureという所。バスの駐車場からホテルまではほんの数kmで、20分も掛からずに着いた。
ホテルに着いてみると、海辺のリゾート・ホテルだった。明日は早起きして、また海辺を散歩しようと思った。

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