4 web写真展「岩泉線 山峡の細き道」 5 6

「おつかれさま」

岩手大川

急速に合理化の進む我が国の他の地方鉄道の状況を見ていると、岩泉線が今なお「運転手+車掌」の二人乗務の形態を貫いているのが奇跡のように思えるが、ファインダーを通じて車掌さんとお客さんの心温まるふれあいのシーンに何度も遭遇していると、車掌という仕事の大切さを痛感する。

先日も、とある駅で、若い車掌さんが足の悪いおじいさんを助けている場面に出くわした。それを見て、私はふと思った。岩泉線に車掌さんが乗務していなかったら、このおじいさんはたぶん岩泉線など使わず、近所の人か家族にマイカーでの送迎を頼んでしまうのではないだろうか? ワンマン化しても駅や車輌をバリアフリーにすればそれでよいとは、私は思わない。最後に頼れるのはやはり「人間」なのだ。