序章
昔の人々の空想は豊か。
現代のあり得ること、あり得ないこと全て彼等の想像がもと。
彼等の想像の中でできた都市、メトロポリス。
高度な科学技術の生み出した、世界の最先端をいく都市。
人々は中心に集まり、文明は中心から発達する。
メトロポリスの中心と囁かれるジグラット。
その一大事業の最大の貢献者であるレッド公には、
二人の子供がいた。
ティマと、ロック。
幼い頃に母をなくしたティマ。
孤独より解放され、父親と姉を得たロック。
全く違った境遇の二人の間には、
二人さえ知りえなかった秘密があった。
お互いの知らないところで、
現実は過ぎ去っていく。
「愛」を纏って人をだますのは、
貴方も同じだから?
貴女はいくつもの接続管が体の中に入っていると知ったとき、
何を考え、感じますか?
世の中に無常を感じ、そしてこの言葉を呟くでしょう。
人々は人までをも作ってしまうのか。