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6月26日
前日、LAから約300mile離れたDavisというコロラド川沿いの町で一泊した後、さらに200mile車を走らせてGrandCanyonに到着。
結局ツアーメンバー12人中、男は2人だけ。カップルで来ているオランダ人のマルコと僕だけだった。お相手のシャンタールは26歳で僕よりも年下なのだけど、肝っ玉母さん風の性格でこのツアーを仕切っていくことになる。その他のメンバーはイギリス、ドイツ、アイルランド、ポーランドなどから集まってきていてかなり国際色豊かなメンバーである。
日本人の女の子が3人いたのが英語の苦手な僕にとってかなりの救いになった。といっても4人で一人前くらいの英語力だったのだけれど・・・・・。もちろん、その他のヨーロッパの方々はペラペラでした。日本人の英語力の弱さを痛感。


今回の旅行の中でかなり楽しみにしていたのが、このグランドキャニオン 。しかしあまりのでかさのせいか、全然ピンとこない。絵葉書を見ている様で、感動とかはあんまり無い。「出来すぎた景色」といった感じで正直ちょっとがっかりだった。
夕食時にデビッドが翌朝からの谷底へのハイキングの参加者を募った。デビッドがなにやら説明をしていたが、ビールを飲んだくれていた僕はそれをほとんど聞いておらず(聞いていたとしてもほとんど解らないだろうが)気軽に参加することにしてしまった。
往復25mileと言われても、幼少の頃から数字に弱い僕にはまったくピンとこなかったのである。 翌日、このことを非常に後悔することになろうとは酔っ払いの僕には知る由も無いのであった。


6月27日
翌朝、朝5時に起きて参加者が集合した。といってもポーランド人のアーシャと日本人のかおりだけである。12人いて3人だけである。6時ごろにハイキングコースの入り口まで車で行く。デビットと4人で目的地の谷底を望む。それほど遠い感じはしない。すると、デビットが「じゃ、頑張って!」みたいなことを言って手を振っているではないか!
「え?!」と思っている間にアーシャはすでに降り始めていた「3人しか行かないし、ツアーリーダーまで来ないっちゅーのはどゆこと?」などと思っている間にもアーシャはものすごい勢いで谷を降りていく。僕よりはるかに足が逞しいのも頷ける。
3時間程で目的地にたどり着く。ずっと下りだったのでそれほどの疲れは無い。
2、30分景色を楽しんだ後、引き返すことにする。しかし、ここから地獄が待ったいたのだ。グランドキャニオンの場合、帰りが登山なのである。
アーシャは相変わらずのハイペースでガンガン登っていく。下りとスピードが変わらないんじゃねーか?ってくらいのペースだ。 さすが、「趣味はハイキングなの」などと言っていただけのことはある。 しかし2時間ほど歩いても一向にペースが衰えない。
辛い。アメリカ南西部の強い日差しが容赦なく照りつける。こんなに辛い思いをするのは中学校の時のマラソン大会以来であろうか・・・・しかし、女性二人が平気そうなので僕が根を上げるわけにはいかない。
頭がボーっとしてくる。日射病であろうか・・・・「もう駄目・・・」思わず口にしそうになったそのとき、突然かおりがしゃがみこんでしまった。日射病であろう。しばらく動けそうに無い。立ち上がっても2分と持たない。仕方なくアーシャを先に行かせることにして、僕らは休み休み登る事にした。
僕はかおりの荷物を持ち、彼女を気遣いながらかなりゆっくりとしたペースで登っていく事になったのだが、内心ホッとしていたのは言うまでも無い。
結局、帰り道に6時間も費やしてしまい、午後4時ようやく出発地点にたどり着いた。
迎えに来ていたデビットは
「本当に行ってきたの?!僕もまだあそこまで行ったことないんだよねぇ」
なんて事を言っていたが僕は何も言う元気が無く、テントについてそのまま眠り込み、次の日の朝まで目が覚めることは無かったのであった。
しかしポーランド娘アーシャ、恐るべし。


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