- チェブラーシカが好きになったのがきっかけで、ロシア映画、ドラマも見るようになりました。ロシア語の勉強もゆっくりながらしていて、ブログ「ロシアの言葉が聞こえる…」も始めました。ブログで紹介している作品などを、メモしておきます。
チェブラーシカに関してのリンクは「Чебурашка ура! 〜チェブラーシカ50周年記念ページ〜」および「大好きなチェブラーシカのリンクメモ」のページにいろいろありますので、ご覧くださいね。
★おすすめサイト「たびこふれ:チェブラーシカ博物館に行ってみよう」
モスクワ在住のHNチェブラーシカさんが書いた記事です。写真を見るだけでもわくわくします!モスクワに行ったら、ぜひ「チェブラーシカ博物館」を訪ねてみたいですね!!(2019.07.10) https://tabicoffret.com/article/76839/
- ★NEW★ ◆「ハチとパルマの物語」
- 1970年代の実話をもとにした映画が2020年に「Пальма(パルマ)」というタイトルでロシアで作られました。それに日本で、秋田犬の部分などを少し加えて「ハチとパルマの物語」というタイトルで2021年に公開されました。私は、テレビで放送されたのを見ました。
飛行機に犬を乗せるための手続きをしていなかったため、仕方なく飼い主は飛行場に愛犬を放して、自分だけ外国に行ってしまいます。それ以来、同じ型の飛行機が飛んでくる度に飛行機に駆け寄って、降りて来る人の中から飼い主を探すシェパード犬。同じころ、今まで会った事もなかったパイロットの父の家で暮らすことになった少年コーリャが、その犬と仲良くなります。父になじめない彼は、空港でやはり孤独な犬と心を通わせることになります。犬の名前はアルマだかパルマだかわからないと言われて、パルマと呼んでかわいがり、飼い主を探して手紙を書こうとしたりします。飛行場の片隅で、古い飛行機を修理している老人がコーリャのよき理解者になってくれるのがいいです。やがて、飼い主を待ち続けている犬のことが新聞記事になり、社会的にも大騒ぎで、犬を見に来る人が増えて…
飛行機が着陸しようとしている滑走路を、犬が全力疾走する画面は、別の意味ではらはらドキドキです。映像のトリックなのでしょうけれど。
映画の始めと終わりの部分が、日本版の為に追加撮影されています。また中盤に日本の記者がコーリャに、日本には飼い主を待ち続けたハチ公という犬がいるという話をする場面があります。この記者を演じたのが、「ソローキンの見た桜」で日本軍のロシア語通訳を演じた山本修夢さんです。また、ヒロインの阿部純子さんもちょっとだけ出ています。 コーリャの父は「T-34 レジェンドオブウォー」操縦手ステパンを演じたヴィクトル・ドブロヌラヴォフさんです。
- ◆「T-34 レジェンドオブウォー」
原題:Т-34- ロシアで大ヒットして、日本でもロシア映画の興行収入を塗り替えたという映画「T-34 レジェンドオブウォー(原題:Т-34)」がテレビで放送されたのを見ました。3時間のロングバージョンもあるそうですが、一番短い2時間弱の版です。とても面白くて、ヒットするのがわかります。第二次大戦時、ドイツ軍の捕虜収容所に捕えられていた主人公たちが、ドイツ兵の戦車の訓練の標的として、T-34というソ連製の戦車を与えられるも、巧みに敵をかわして脱出するとう、娯楽性の高い物語です。主役が人気の俳優、女優で、他の登場人物も個性的で魅力がある、悲惨な市民を巻き込んだ戦場のシーンがない、戦車の戦闘シーンもスロー映像などを使ってわかりやすくアニメやゲームのように描かれている、敵国ドイツに勝利する、でも敵も「敵ながらあっぱれ」な描き方がされている、もちろんロマンスもあり等々、女性でも観やすい映画でした。もちろん、本物のT−34戦車が使われているので、ミリタリーファンにも好評のようです。戦車乗組員役の俳優たち本人が、戦車を操縦したりしているのも話題になりました。そして、画面が明るい。戦争映画というと、暗めでどんよりしたイメージがあるのですが、捕虜の縞々の囚人服をきていてもなんだか小ぎれいな感じです。そんなところもヒットの理由かもしれません。
いかにも娯楽映画らしく、司令官である主人公イヴシュキンは素晴らしい才能がある青年で、乗組員たちも、個性はあるけど癖が強すぎないキャラクターです。特に操縦手ステパンは、相棒役として、いい味を出しています。イオノフという青年は信仰深くて、イコン(聖画)を戦車に飾るのですが、宗教はほぼ否定されていた旧ソ連時代を考えるとやはり個性的です。小柄で気の強いヴァルチョークはタイガ(シベリアの針葉樹林)育ちで「森が守ってくれるよ」というセリフは、ぐっときました。あ、ネタバレですみません。紅一点は通訳として働かされていたアーニャで、捕虜でいたときの暗さと脱走に成功したときの表情のコントラストがいいです。
少し長いバージョンには、エンドロールに戦後に故郷に戻ったの5人の様子が少しずつ映し出されるのがまた、素敵です。特にヴァルチョークは映画「ディアハンター」を思い出しました。そういえば、ロングバージョンのほうのセリフには「グラディエーター」という単語もでてきていて、いろいろなくすぐりが仕掛けられているようです。
☆ロシア語に興味のある方は私のブログ「ロシアの言葉が聞こえる…」2021年4月の記事も併せてご覧ください。
- ◆「タンク・ソルジャー 重戦車VK−1」
- テレビで放送されたのを見ました。約1時間半の短い映画です。原題は「НЕСОКРУШИМЫЙ(ニサクルシュィームィ)」で、「打ち破ることのできない、不屈の」などの意味です。1942年の独ソ戦で実際にあった戦闘と実在の人物をもとにして、映画として脚色している物語。戦車部隊は戦闘で壊れたり部品が足りなくなったりして大変なんだというのもわかる映画です。修理の部品が足りないから、乗組員が歩兵として戦闘に参加しなければならくなる場面もありました。「T-34 レジェンドオブウォー」とは対照的に、戦闘で敵味方ともたくさん人が死んでしまうので、あまりもう一度観たいとは思わない映画ですが、いろいろな点で面白かったです。 主人公は、コノワロフという指揮官ですが、映画の主人公なのに「こんな上司は嫌だ」という印象の人です。部下に酷く厳しいし、上官には贔屓されているし。でも、映画を観ているうちになんとなく良い人に見えてくるのは、他のキャラクターとの関係などもあるからでしょうか。今、ロシアでは戦争で実際にあった事をもとにした映画が沢山作られていて、これもその一つですね。戦車一台でドイツ軍の十数台の戦車を相手にして勝った英雄だそうです。 映画の中には、女性の戦車整備士の人も出てきます。ソ連軍には女性の戦車乗組員もいたそうですが、今回は天才整備士でした。実在した人かどうかはわかりません。
- ◆「ウィザード・バトル 氷の魔術師と炎の怪物」
Дед мороз. Битва магов- この映画の原題「Дед мороз. Битва магов (ヂェード マロース.魔法使いの戦い)」は、日本では「ウィザード・バトル 氷の魔術師と炎の怪物」という題名ですが、あながちずれてもいないですね。
ご存じの方も多いと思いますが、ロシアではクリスマスは1月7日です。クリスマスツリーは「ёлка(ヨールカ)」と呼ばれ、新年を迎える夜には家や街中に飾られています。サンタクロースではなく「дед мороз(ヂェード マロース)」が子供たちにプレゼントをくれます。直訳だと「寒さのお爺さん」です。マロースは厳寒、氷点下の寒さを表す言葉です。サンタさんと違うのは、孫娘のスネグーラチカがいつも一緒にいることです。雪娘と訳されたりもします。この映画、舞台は現代です。マロースお爺さんは実は地球を守っている7人兄弟の魔法使いだったという設定で、魔法使いの遺伝子をもつ若者たちを集めて、一人の悪い魔法使いとの戦いを人知れず繰り広げているというファンタジーです。この戦いと、親子と若い恋人といろいろな物語が織り込まれていて、あまり暗いところが無くて子供にもおすすめかと思いきや「6+」のレイティングがついています。これは、サンタクロースならぬヂェード・マロースを信じている年齢を意識しての事でしょうか。エンディングのところもとてもかわいい子供が出てきます。
また、魔法や、魔法使いの映画と言えば、「ロード・オブ・ザ・リング」、「ハリー・ポッター」ですが、音楽も含め、わざと?というくらい意識して作られているようでした。「ヂェード・マロース」の兄弟が集まったシーンは、ガンダルフがいっぱいだ〜と思ってしまいましたよ。
私のブログ「ロシアの言葉が聞こえる…」2019.02.27の記事の方にも、一場面を取り上げて有るので、ロシア語に興味のある方は良かったら併せてご覧ください。
- ◆「T-34 ナチスが恐れた最強戦車」(2018)
ТАНКИ
- ロシア映画というと、戦争物が多くて恐ろしい場面を見ることになってしまうのですが、これは大丈夫です。戦車に乗っている本人たちは真剣ですが、見ていて微笑ましいと思うほど恐ろしさの無い映画で、とても気に入りました。(もちろん、これから使われるのは恐ろしい場所なのですが)
戦車には全く詳しくなくて恐縮です。T-34は旧ソ連の有名な戦車だそうです。『T-34開発者たちに捧ぐ』という言葉が、映画のエンディングに入っています。1940年の実話に基づいた、でもフィクションもありの物語です。
まだ試作車だった極秘の新型戦車は、性能の試験も済んでいないので、スターリンにお披露目する閲兵式に「輸送してはいけない」と命令されてしまいます。性能に自信のある開発した技術者たちは、輸送がだめなら自走すればいいと、できたばかりの戦車2台で約700キロの距離を、ぎりぎりの日数で赤の広場まで走って行くという物語です。戦車物だけど、戦場のシーンはありません。ほとんど平原や森の中を進んでいきます。でも、途中ナチスの部隊に襲われたり、山賊のような人たちに襲われたり、友軍なんだけど書類をなくしているために力ずくで突破してしまったりと、いろいろなトラブルは起こるのです。若い将校と、女性も一人乗っていくことになり、ほろっとロマンスも織り込まれています。
2台の戦車を、騎馬で止めようという人たちが複数いて、止められてしまったりするところも、馬好きの私としてはツボです。私のブログ「ロシアの言葉が聞こえる…」2020.04.22の記事の方にも、一場面を取り上げて有るので、ロシア語に興味のある方は良かったら併せてご覧ください。
- ◆「魔界探偵ゴーゴリ」三部作(2017〜2018)
- 「暗黒の騎士と生け贄の美女たち」
「魔女の呪いと妖怪ヴィーの召喚」
「蘇りし者たちと最後の戦い」
というタイトルがそれぞれついています。ロシアの作家ゴーゴリの若いころの物語という設定で、彼が小説で描いているディカーニカ村で起こった怪奇連続殺人事件を解決しに行くお話です。 主人公ゴーゴリを今ロシアで人気の俳優アレクサンドル・ペトロフ(アニメーション監督ではありません)が演じています。名優オレグ・メンシコフがかなり癖の強い調査官で、その書記官としてゴーゴリもついていきます。彼には魔的なものを感じる特殊な能力がありますが、自分では制御できないで戸惑っています。しかし、調査官が殺されてしまい、彼が調査を引き継ぐことになり…画面は暗くかなり恐ろしい、おどろおどろしいお話なので見る人を選んでしまうと思うのですが、ゴーゴリのお話に出てくる人物や出来事などが織り込まれていたり、プーシキンやレールモントフがちょっとだけ出てくるのがいい味になっています。
映画「オーケストラ」、ドラマ「黄金の仔牛」に出ているドミトリー・ナザーロフが、冒頭の数分間だけ出演しています。ほかにも、村の警察長官、ゴーゴリに協力するこわもての鍛冶屋、その幼い娘、飲んだくれの医師、30年前に殺された娘の亡霊など、個性的で魅力的なキャラクターがそろっています。村のはずれにある貴族の館に住む美しい婦人は、映画「ウィザード・バトル 氷の魔術師と炎の怪物」のヒロインを演じたタイーシャ・ヴィルコヴァです。彼女はお屋敷から白いお馬に乗って村にやってくるのですが、これもまた絵的にちょっと素敵です。
- ◆「アイスブレイカー 超巨大氷山崩落」
Ледокол
- 原題は「Ледокол(リダコール)」意味は「砕氷船」です。日本語のタイトルは「アイスブレイカー 超巨大氷山崩落」という凄いタイトルで、テレビで放送されました。アイスブレイカーは英語で砕氷船という意味ですね。日本では映画館での上映はなかったようです。でも、面白かったです、大画面で観たい映像でした。
1985年に本当にあったことをもとにした映画だそうです。ちょうどゴルバチョフさんが大統領になった頃のお話です。ロシア(当時はソ連)の砕氷船が南極観測隊の人たちを乗せて帰国する途中、氷山に衝突して動けなくなってしまいます。船長は乗務員といっしょに作業に参加するような気さくな人で、威張ったところは全くない性格でした。それが気に入らない航海士が、レニングラードに報告して、命令により船長は解雇されてしまいます。次の船長がヘリコプターで到着しますが、その人は、正反対の性格で船員たちは戸惑います。更に、動けない船に救援は来ず物資も燃料も減っていき…130日以上もの間、周囲を氷に閉ざされて孤立した船の上での物語です。
私のブログ「ロシアの言葉が聞こえる…」2018.10.24の記事の方にも、一場面を取り上げて有るので、ロシア語に興味のある方は良かったら併せてご覧ください。
- ◆「フライト・クルー」
ЭКИПАЖ
- 2016年のロシアのパニック映画です。ロシア国内で大ヒットしたとそうです。主人公の敏腕パイロットは、マイペースながら正義感が強く上官の命令をきけずに軍隊をくびになってしまいます。次にみつけた職場は旅客機で、訓練生として配属されます。厳しい教官のもと訓練をしているところに、大噴火した島の被災者を救出する要請を受けます。空港はほとんど溶岩で火の海になったところを、ようやく飛び立ちますが…
教官にウラジーミル・マシコフ(Владимир Машков)、主人公はダニーラ・コズロフスキー(Данила Козловский)。親子、夫婦、恋人などいろいろな人たちのぎくしゃくした関係と命を懸けた大救出劇、最後まで楽しめます。この映画の鬼教官パイロットを演じるウラジーミル・マシコフは、下に紹介した映画「パパってなに」の軍人の制服をきた男を演じています。今回もやっぱり制服なのですが、今回は、家にかえると悩める父親というキャラクターです。どちらも『パパ』であるのが面白いです。
私のブログ「ロシアの言葉が聞こえる…」2017.11.16の記事の方にも、一場面を取り上げて有るので、良かったらごらんください。
- ◆「パパってなに」
Вор
- 1997年のロシア映画。日本公開は2000年だったようです。
大人になった少年の回想の声から始まりす。舞台は1952年、戦争未亡人もしくは未婚の母に連れられた6歳の少年サーニャは、電車の中で軍服姿で銃を持った男性と出会います。軍人である本当の父が迎えに来ると信じているものの、母とその男性が行動を共にするうちに、その男性を父のように慕うようになります。また、彼も自分を父と呼ぶようにと言うのでした。彼は母には教えられない、喧嘩のしかたや強さなどを教えてくれるのです。しかし、母とその男性は住いを点々と変えていきます。それも、急に引っ越すことが多く…。この映画の日本語のタイトル「パパってなに」と言うのは、素晴らしいと思います。原題は単に「泥棒(Вор)」なのです。つらく当たられたこともあったけれど、父ができて嬉しかった思い出は、やがて…今はもう、レンタルにもあまり出ていないかもしれませんが、結末は書かないことにします。画像にもあるように、子供がとても可愛いかったです。そして、ウラジーミル・マシコフ演じる軍服の男は、ちょっと荒っぽくて確かにかっこいいのでした。
ロシアのアカデミー賞にあたる賞と、ヴェネチア国際映画祭の国際若手審査員賞、ユニセフ賞を受賞しているそうです。また、アメリカのアカデミー賞の外国語映画賞候補にもなっていたそうです。
- ◆「ドラゴン」
Он ―дракон
- 2015年のロシア映画です。 ファンタジーと呼ぶより、お伽噺の方が合っているようないいお話で、とても気に入ってしまいました。
ストイックなドラゴンと活動的な少女のラブストーリー。ドラゴンが出てきますが、英雄と戦うシーンはありません。ドキッとするシーンはあるけれど。昔々ある村で、人々はドラゴンに襲われる恐怖にさいなまれていました。村では乙女に白い衣装を着せて赤い実で飾り、小舟に乗せて湖に浮かべドラゴンに与えていたのでした。しかしある時、恋人を奪われた若者がドラゴンの島を探し当て、ついに退治したのでした。そして平和になった今は、儀式として小舟に乗っての嫁入りが行われるようになりました。今日は公爵の娘ミラが、英雄の孫イーゴリに嫁ぐ日です。儀式の途中で彼は、昔のドラゴンを呼び寄せる不吉な歌を部下に歌わせました。すると、恐ろしい烈風が吹き荒れ、死んだはずのドラゴンが飛来してミラをさらって行ってしまったのでした。
ドラゴンの島の洞窟で目覚めたミラは、岩の割れ目の向こうに不思議な青年の姿を見つけます。彼は、ドラゴンから逃げることはできないとミラに話すのでした。この映画、物語だけでなく美術や音楽が分り易く美しくてとても良いんです。平和になった人々の装束、特にミラの婚礼の衣装がエキゾチックでとても素敵です。また、白い衣装に映える赤い実、暗い雪景色や雪の結晶と、明るい南の島とドラゴンを象徴する火の粉の色、音楽も民族調の短調の曲と、ポップな明るい音楽との対比など、際立たせたコントラストが象徴的です。また、少女期を表すおさげに編んだ長い髪を切ることや、ドラゴンには「見える」という風を感じられるようになることなど、少女から大人になる過程の象徴的な表現がちりばめられていて味わいがあります。
そして花を添えるのが、ドラゴンの島に一匹だけいるワオキツネザルに似た灰色の不思議な動物です。ラストシーンの後まで愛嬌があって可愛いんです。◇予告編(ロシア語)
https://www.youtube.com/watch?v=6JJy-4EWQYI◇IMDbのページです。写真が少し見られます。(英語のサイト)
http://www.imdb.com/title/tt4057376/?ref_=ttmi_tt
- ◆オーケストラ!
- 何度も繰り返し見てしまう、大好きな映画です。コメディだと思って映画館に見に行ったら、とんでもない感動作でした。でも笑って終われるところが更に素晴らしい作品。
フランスの映画ですが、主人公や主な登場人物はロシア人なのでほとんど言語はロシア語です。パリに行って公演をする話なので、フランス語もあり。音楽好きの方にも是非お勧めの映画です。ありえない、と言えばありえないのですが、実際にあった話を参考にして作られた話のようです。
作品の紹介には、クラシックの曲ばかり書かれていますが、少しだけ出て来るロマ音楽のシーンが素敵です。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスというロマ楽団のカリフさんという方が、癖のあるコンサート・マスター役で出ていて、素晴らしいバイオリンを聞かせてくれています。予告編がYouTubeでみられます。
https://www.youtube.com/watch?v=jyxtWUsvBBM
- ◆オーガスト・ウォーズ
Август. Восьмого- この映画は2012年のロシア映画で、原題は「Август. Восьмого(アーウグスト ヴァシモーヴァ)」訳すと「8月8日」といいます。が、なぜか「オーガスト・ウォーズ」という邦題になりました。南オセチア紛争の始まった日が舞台で、この紛争は英語では「August War」とも呼ばれるのですが、なぜ「ウォーズ」なのか、いまだに日本語のタイトルは謎が多いですね(笑)
物語は、戦地に取り残されてしまった幼い息子チョーマ(Тёма)を、シングルマザーのクセーニヤ(Ксения)が一人で助けに行く物語。少年は、コスモボーイ(Космобой)というミュージカルの主人公に憧れていて、巨大なロボットと戦う空想をするのですが、その映像は、あたかもアメリカ映画のトランスフォーマーのようです。
場面はほとんど戦場で、重要な登場人物が亡くなってしまうのは辛いですが、終わり方は救いのあるかたちになっています。上に紹介した「オーケストラ!」で主人公を演じた、アレクセイ・グシュコブが、少しだけ、出演しています。
アマゾンのリンクを張り付けておきます(なぜかパッケージの画像はお話とは違う印象です。このようなシーンはありません)。
予告編(Трейлер)の動画が、YOUTUBEでも見られます。
https://www.youtube.com/watch?v=hIAZy4wc23w
- ◆シベリヤ物語
Сказание о земле сибирской- 旧ソ連時代、1947年の作品。ピアニストを目指していた主人公の青年が、戦争で負傷して夢を断たれ、モスクワに帰って歌手の恋人との再会を果たすも、いたたまれなくなって、一人出身地のシベリヤへ行って酒場の歌手になります。そこには彼に思いを寄せる、元部下の女性がいて…音楽映画として、また恋愛映画として、とても素直に楽しめる作品です。実は、シベリア開発のプロパガンダ的な意味合いがあって、そんな映像もありますが、そこも旧ソ連作品として、味わえるのではないでしょうか。シベリアの女性たちは、マトリョーシカみたいにスカーフにエプロン姿でかわいいです。
私はあまり知らないのですが、「バイカル湖のほとり」「流刑人の歌」など、ロシア民謡として有名な歌が歌われています。
また、あれがトロイカというんですよね、シベリヤの森を駆け抜ける元気な馬車も出て来るのが、私としては嬉しいところです。
- ◆黄金の仔牛
Золотой Теленок
- 2006年のロシアのドラマ。主演は、オレグ・メンシコフ。自動車を持っている男アダムは、映画「オーケストラ!」でも救急車を運転していた、ドミトリー・ナザーロフです。
舞台は1926年〜1931年ロシアがソ連になって間もなくのころのお話。「黄金(きん)の仔牛」とは、主人公のペテン師がほしがっている大金をこう呼んでいることからついたタイトルです。一攫千金を狙うペテン師と仲間2人、それに自動車を持っている人のいい男と、4人組のなんだか不思議な旅のお話。ペテンがうまく行きそうなところで失敗しては次の作戦を考える、懲りない人たちが面白いです。
ヒロインの女性が、朝食にカーシャ(ロシア風お粥)を作っていたり、外ではミルク売りのおばさんが歩いていたり、ロシア的風物を見るのも面白いです。レンタルショップにあるかどうかわかりませんが、私はDVDで見ました。さすがに、字幕がないとさっぱりわかりません、というよりあっても良くわからないんですけれども。これは、テレビで放送はされないと思いますが、一応ご紹介。
- ◆ロシアン・スナイパー
Битва за Севастополь
- 2015年のロシア/ウクライナ映画です。映画館でも上映されたようなのですが、気が付きませんでした。WOWOWで放送されたのを見ました。実在した若い女性の狙撃手のお話です。あまりにも壮絶で涙してしまいました。主人公の彼女だけでなく、戦争のすべてが恐ろしくて、犠牲になった人たちはあまりにも気の毒で、いたたまれない物があります。旧ソ連の時代の物語ですが、いつの時代にもどこの国でも、戦争はあってはいけないと思わされる映画です。
原題は「セヴァストポリの戦い」でよいのでしょうか。セヴァストポリは陥落しほとんどの軍人と民間人が亡くなった激しい戦場だったそうです。
この映画では、その腕の良さと殺した敵の数で英雄にまつりあげられてしまった彼女の、人間として、女性としての苦悩が、淡々と丁寧に描かれています。主人公リュドミラ・パヴリチェンコは、実際にホワイトハウスに招待されルーズベルト大統領とも面会をしているそうです。映画の中でも大統領夫人との交流が少しだけホッとできるシーンになっています。◆予告編(ロシア語版)
https://www.youtube.com/watch?v=PKSxTsuCQ4I
- ◆シャーロック・ホームズとワトソン 【全11話】
Шерлок Холмс и доктор Ватсон
旧ソ連時代に作られた、原作ファンにも評価の高いドラマ。ホームズとワトソンの人間関係の描写もとても素敵です。ヴィクトリア朝の舞台は、サンクトペテルブルクで撮影されたそうです。ホームズ、ワトソン、ハドソン夫人、この三人がとにかく素敵で、私は何度も繰り返し見ています。
ホームズ役は、ワシリー・リヴァーノフ。私の大好きなチェブラーシカの親友、ワニのゲーナの声の吹き替えをしていることでも有名です。舞台は、英国なので、ミスター・ホームズ、とかミセス・ハドソン、などと呼びかけているのですが、英語の「r」の文字はとても巻き舌に発音されるのが面白いです。また、ロシア語で「我が国」と言っているのに、それは英国の意味なんです、何度見ても、一瞬混乱してしまうところも、逆にロシア語が聞き取れているななんて、自己満足したりしながら見ています。
このドラマは、時代背景も含め原作にほぼ忠実に作られているので、もちろん交通手段は馬車が多く使われています。馬好きとしては、この点も嬉しいです。
この作品には、解説本も出ています。撮影された背景や、出演俳優について、インタビュー記事の内容など、とても、興味深いです本です。ドラマが気に入った方には、おすすめです!
- ◆名探偵シャーロック・ホームズ 【全8話】
Шерлок Холмс
- 2013年にロシアで作られた異色作品。ホームズが探偵で、ワトソンは負傷で退役した軍医、時代はヴィクトリア朝、ではありますが、起こった事件は小説とはかなり違うもので、同じ名前の登場人物はいるけれどもまったく違う立場や年齢。この出来事を、ワトソン先生が新聞社の編集者に促されて、翻案して小説として出版しているという設定です。ホームズは癖がありすぎですが、慣れると面白いです。私は、このドラマの中では、レストレード警部が好きです。
時代は原作と同じなので、もちろん馬車が出てきます。また顔見知りの御者がいたり、ホームズが馬車を駆るシーンなどもあって、面白いです。ロンドンの街が雑然としていてあまり綺麗でないところも、むしろリアルな感じが好印象です。
ロシア語では英語の「h」の音が伝統的に「г(ゲー)」の音に変換される(たとえば「横浜」が「ヨコガマ」になる)ので「サー・ヘンリー」が「サー・ゲンリー」と発音されたりするのも面白いです。
また、ロシア語を勉強しているとテキストなどに出て来る、アネクドート(小話)や、言い回しが散見されます。ロシア語がわかったら、もっといろいろ面白いんだろうなと思います。残念ながら現在DVDは発売されていないようです。
テレビでは、AXNミステリーで放送されました。
- ◆スニッファー ウクライナの私立探偵
Нюхач
- ウクライナのテレビ局で作られていますが、言語はロシア語です。スニファーというのは英語訳の題名です。原題は「Нюхач(ニューハチ)」。日本ではシーズン1につづけて、シーズン2も2016年に放送されました。シーズン2から英語から引用したタイトルに「スニッファー」と小さい「ッ」がはいりましたね。
嗅覚が非常に優れ、科学の知識のある男性が、高い報酬をとる私立探偵として仕事をしています。また、特別捜査局のアドバイザー的な仕事もしていて、性格は違うけど仲の良い大佐と、息の合った捜査を展開して事件を解決します。
ホームズもそうだけど、このオリジナルドラマも、男性二人の絶妙のコンビがいいです。私は、バディ物が好きなので、このドラマもとてもお気に入りです。いくつかの国でリメイクされているそうですが、日本ではNHKでもう放送は終了しています(2016年10月22日よりNHK総合)。そして、そのおかげで、DVDも発売になりました。上の画像からアマゾンjp.へ飛べますので興味のある方は、ご覧になってみて下さい。タイトルはNHKの番組名に合わせて「スニッファー 嗅覚捜査官」に変わっています。
このページは随時更新予定です。興味のある方はまたお立ち寄りくださいませ。
お時間があればブログ「ロシアの言葉が聞こえる…」も合わせてご覧ください。ドラマや映画で聞き取れた、簡単なロシア語の台詞について書いています。