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障害馬達のお仕事 
中山競馬場 2000年12月23日


障害競争に出る馬たちは、平地の馬より筋肉が発達していて力強く見えます。日本では、平地で成績の上がらない馬を障害用に調教する例が多いので、どうしても二流扱いになってしまうみたいですね。ヨーロッパ、特にイギリスでは障害競走はとても人気があるんですけど。

さて、本馬場に入った馬たちは、まず障害を下見に行きます。この「中山大障害」は、ふだんのレースでは使わない、大きな障害が二つあります。私達はこの障害の近くで観戦していました。まず、これから跳ぶ障害を見た、お馬さん達の表情です。



「え〜、こんな高いの跳ぶのかよ、めんどくせ〜な〜」

「このくらい、おまえなら楽勝だろ、期待してるぜ」

「そうだけどさ、おまえこそ、ちゃんと落ちないで乗ってろよな」


なんて、会話をしているのかどうか…?(笑)

障害競走は、平地のようにただ速く走れば良いだけでなく、障害を跳ぶための注意力が必要です。騎手は障害に近づくときには完歩を調整しないと、馬が上手く踏み切りすることが出来ず、転倒してしまったりします。だから、馬もがむしゃらに走るだけでなく、騎手の指示を良くきく馬でないと、強くはなれないのでしょうね。


ただし、この「中山大障害」に出てくる様なG1障害馬たちは、良く障害を知っていますから、騎手がいなくても、上手に飛越していきます。かえって、騎手がいない方が軽くて跳びやすかったりして? そして、G1馬ともなれば、「勝ちたい」という闘争心もやはり強いので、騎手がいなくなっても、リタイアせずに走り続けます。(まあ、群で行動する動物だから、仲間と同じ行動をとるというのも、一つはあるのですが) でも、嬉々として先頭を走っている空馬(騎手のいない馬)も先頭でゴールする事がなかなか出来ないのは、やはり、騎手の励ましがないので、途中では力をセーブして走ろう、ここからスパートしよう、というペース配分が出来ないからでしょうね。


上の写真の真ん中、ちょうど飛越しようとしている芦毛くんには、騎手が乗っていません。空馬はもちろん一番先にゴールしても、1着にはなりません(笑) で、それでも、まっすぐ走ってくれれば良いのですが、好きなように走るので、他の競走中の馬の邪魔になってしまって、それだけは困るようです。そんなこと言われても「落ちたのは騎手の勝手で、俺は他の馬に勝ちたいんだっ」ってお馬さんは思っているんでしょうけど(笑)


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