夢日記 第四夜 タブーのあるエレベーター |
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酒井君(小学校からの友人)と一緒にエレベータに乗る。 エレベータは横長で、高さは3メートル、横幅は6〜7メートル、奥行きは4メートルほどもある大きなもの。扉は二つあって、入ってきたのは「北側」で、反対側は「南側」と呼ばれている。どういうわけか入るとすぐに床が一段高くなっていて、北側も南側もドア付近だけが低くなっている。 デパートのようなビルだと思ったが、一緒に乗っている他の20名ぐらいの人たちは男女とも、仕事を終えたばかりの会社員という印象である。オフィスも多いのかもしれない。 1階では南側で降りてはいけないらしいことが誰からともなく聞こえてきた。それがどうしてなのか酒井君に尋ねるのだが、知っている様子なのに、困ったような顔をしてなかなか答えてくれない。みんなも私の言ったことが聞こえたからか、1階が近づくにつれて北側のドアの方に寄り添うように集まり出す。私は悪いことでもしているような気分になり、私だけ南側の扉の方に寄り、「閉」のボタンを押し続けようと思って「開」のボタンを押してしまう。南側のドアが開く。みんなぎょっとしたように振り向く。しかし、それはまだ2階で、男が一人乗ってきただけだった。 1階についた。みんな、逃げるように北側の扉から出ていく。南側も開いたような気がしたが、私も恐くなって後ろも見ないで降りた。 ビルから出て表通りを歩いていると、酒井君が指を差す。そちらを見ると、ビルの1階に鉄製の大きな扉があり、そこに妙な絵が描かれていた。あのエレベータの南側扉に当たる場所だ。 酒井君は、「あの話を中ですること自体がタブーなんだ」と歩きながら説明した。 絵は映画の大看板のような粗雑なタッチで、右側に若い女性の胸像が描かれ、左側に花が数十本並んで描かれている。女性はちょっと右向き加減で、どちらかと言えば美人の部類に入りそうだが、芸能人の似顔とも思えない。普通のOLのスナップ写真を元に描いたように見える。花は、一本一本ばらばらに並んでいて女性の胸像と同じ大きさに茎の部分まで描かれている。周囲の壁は汚れていて廃材置き場になっているが、その扉の前だけには何も置かれていない。 表情は特に暗くもないが、絵から受ける印象はとても陰気だ。花は供養の意味に思え、女性はそこで亡くなったのではなかろうかと想像する。考えているとゾッとしてきて、早々にそこを立ち去る。 そのあと彼と一緒にゲームセンターに向かっている。途中、駅の構内でよく見かけるような連絡通路に人と同じ大きさのカプセル式おもちゃ販売機が見つかる。 100円,200円,400円,500円が選べる。 酒井君,500円で真っ黒いねばねばした小さな固まりが出る。ちょっとつまんで臭いを嗅ぐと、ニッキの臭いだった。「食い物だ」と私が言うと、彼はそれを平気で口に入れてしまう。ものすごく伸びるスライムのような感じのガム。 私も500円を入れてみる。500円だとUFOキャッチャーのように中の物が掴める仕組みになっている。かき混ぜるためのハンドルがついており、それで掴みやすい位置に望みのものを移動できるようになっている。 出てきたのは、なんとそのまま着用できるアニメキャラクターのボディスーツで、懐かしい「新造人間キャシャーン」のものだった。よく出来ているが、ところどころひび割れているのがいかにも500円の物という気がする。 「弟にプレゼントしようかな」と酒井君に言う(頭の中ではまだ弟が小学生のような感覚で言っている)。 ゲームセンターは巨大な建物で、ちょっとしたレジャー施設という趣だ。入口から近いところに軽食を採るためのテーブルがずらりと並んでいる。見渡す限り大勢の人たちが休憩している。 そこで偶然、鹿島で働いていた頃の連中に遭う。 |