夢日記 第十二夜 悪魔の子と天使の子 |
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教会の地下室には、悪魔の子供が閉じ込められている。神父様が捕らえて封じ込めたのだと、ある日、でっぷり太った家政婦が言った。 「いいかい。だから地下室へ行ったら駄目だよ」 天使の子は、当然好奇心をかきたてられて、白い翼をはためかせながら地下室への階段を降りてゆく。煉瓦造りの狭い地下道の奥からは、湿気をたっぷり含んだ風が吹き上げてくる。 地下室の鉄の扉をやっとの思いで開けると、地下室いっぱいに大きな水槽が置いてある。水槽の中には小さな家が沈んでいる。そこに悪魔の子が住んでいるのかもしれない。天使の子はそう思ってじっと覗きこんでいた。木造りで日本の神社に似た建物だった。 やがてその家から真っ黒いものが飛び出した。全身に黒い毛が生えている。それに黒い翼を持っている。黒い鞭のような尻尾もあった。悪魔の子だ。悪魔の子は水の中を空を飛ぶように気持ち良さそうに泳いでいる。少しも恐ろしくは見えない。ただ色が黒いだけだ。 天使の子は水槽のガラスに手を触れた。すると溶け込むように水槽の中に入ることができた。悪魔の子は初めびっくりしていたが、すぐに天使の子と仲良くなった。水の中でのおいかけっこだ。あまりはしゃぎまわったので、いつのまにか水槽のガラスが破れて、地下道に水があふれている。悪魔の子もいつのまにかいなくなってしまった。 さあ、大変なことになった。天使の子は、神父様の怒った顔を思い浮かべた。地下道の中を、悪魔の子を捜して飛び回ったけれども、どこに行ったのか見つからない。 この夢では自分は天使の子供の役になっている。確かそれらしい西洋風の名前もあったはずだが、目覚めたときに忘れてしまった。 |