夢日記 第二十八夜 泳げないプール |
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「死体の多い山」で客船から見下ろしていたプールでは、一度だけ泳いだことがある。 プールは広大なもので、いくつかに別れている。目立つのは3つのプールだ。海を見渡せる高い場所にある大人用の深いプールと、それから一段低くなって人工的な波のある浅いプールが広がっている。そしてその間を縫うようにして、10メートル幅ぐらいの細長い流れるプールがある。浅いほうのプールの真ん中には、島のように浮かんだ大きなレストランがあり、ここは地下の博物館からの出口にもなっている。 プールの端には屋外ステージがあって、レストランからも遠めにイベントが見えるようになっている。いつも何かイベントをやっているが、それほど気にしたことはない。たいていは軽いバンド演奏のようなことをやっているようである。 このプールは何度か訪れたが、泳いだのは1度だけだ。 あの時は最初はちゃんと泳いでいたのだが、いつの間にか浅いほうのプールに行ってしまった。足首ぐらいしかないところもあって、とてもまともには泳げず、深いところを探してずっと歩いて行くという夢だった。 泳げると思ったら、ちょっとしたくぼみのようなところだったり、プールの中なのに噴水が出ているところがあったり、金魚が泳いでいるのまで見かけて興ざめだった。水に浸かって腰を下ろしているだけの人も多い。みんなステージを眺めているのだ。それを掻き分けながら泳げる場所を探した。 ともかく見渡す限りプールであり、やっと泳げる場所が見つかった時には閉園の時間になってしまった。プールサイドの高いポールについた時計と、その向こうの暗くなった山並みをはっきりと覚えている。 |