小学生4,5,6年生におすすめの本


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  • ベスト1 飛ぶ教室 エーリヒ・ケストナー 偕成社文庫    
    私は、小学生の頃、夢中で本を読んでいました。
    毎日、時間をおしんで、本を読んでいました。
    わくわくする本が多かったです。
    本を読んでいる時は、時間と空間を越えて、旅をしているようなものです。

    私が、自信を持って、小学生4、5、6年生向けに、おすすめ本のベスト13を紹介します。
    原作に近いという点では、偕成社文庫と福音館文庫が一番おすすめです。
    二番めにおすすめは、岩波少年文庫です。
    原作を省略して、短くした本を読んでも、原作の魅力は伝わらず、本好きにはなれないと思います。
    子供の頃に好きだった小説で、大人になった私が、今読み返して面白いと思う小説、大人の鑑賞にも堪える小説を紹介します。


    ベスト1は、エイリヒー・ケストナーの「飛ぶ教室」です。
    小学生の頃、1番好きだった小説です。
    ベスト2以降は、順次UPしていきます。(仕事をしているので、自由になる時間が少ないので、少しづつUPしていきます。)

    「飛ぶ教室」は、単純な勧善懲悪の話では有りません。 エーリヒ・ケストナーは、童話作家ですが、ナチス・ドイツと戦った、ドレスデンの抵抗作家です。
    ナチス・ドイツは何回もケストナーを抹殺しようとしたのですが、子供たちに圧倒的な人気のある作家なので、
    抹殺できなかったという話を聞いたことがあります。
    ですから、童話でも、単純な勧善懲悪の話にはしません。

    ギナジウムの生徒達が、実業学校の生徒達と、ケンカして戦ったりもします。
    登場人物が、個性的で、良く描かれています。
    ギナジウムの生徒では、主席で正義感の強いマルティン、弱虫のウリ、格闘好きで心優しいマティアス、小説家志望のジョニー、
    孤独なセバスチャン、生徒以外では、正義感が強く、生徒思いのベック先生、世捨て人の禁煙さん等等。

    私が小学生の頃は、マルティンが好きでした。
    最近、2時間かけて、読み返しました。(やっぱり面白かったです)
    私が好きだと思ったのは、マルティンとマティアスです。
    このすさんだ世の中で、やはり心の優しさが大事だと、50才過ぎて、思うようになりました。

    マティアスは、いつもお腹をすかせて、何かお菓子を食べています。
    ボクサーになるのが夢です。

    ギナジウムの生徒が、実業学校の生徒の旗をやぶったという理由で、
    実業学校の生徒はギナジウムの書き取りノートを奪って、ケンカになります。
    書き取りノートを取り戻せるのでしょうか?

    弱虫でいじめられているウリは、自分の弱さを克服しようとします。
    それはどんな方法でしょうか?

    ベック先生が、自分がギナジウムの教師になった理由を、生徒達に話ます。
    感動的な話です。どんな理由だったでしょうか?

    マルティンの家は、貧乏で、クリスマス休暇に家に帰る切符代を、両親から
    送ってもらえません。マルティンは悲しみます。マルティンはどうなるのでしょうか?

    禁煙先生は、世捨て人のような生活を送っていますが、ギナジウムの生徒達に尊敬されています。
    禁煙先生には、人に言いたくない過去が有ります。その過去とは?
    なぜ世捨て人のような生活を送っているのでしょうか?

    とにかく読んでみてください。面白いです。
    私の好きな本で、おすすめ本です。
    ベスト2 長い長いお医者さんの話 カレル・チャペック 岩波少年文庫    
    「長い長いお医者さんの話」「郵便屋さんの話」「カッパの話」「小鳥と天使のたまごの話」
    「長い長いおまわりさんの話」「犬と妖精の話」「宿無しルンペンくんの話」「山賊の話」
    「王女さまと小ネコの話」が収録されています。
    どの話も面白いですが、私は、「郵便屋さんの話」と「長い長いおまわりさんの話」が好きです。
    カレル・チャペックは、心の優しい人だったと思います。
    そうでなければ、このような童話は書けなかったでしょう。

    「郵便屋さんの話」
    郵便配達夫のコルババさんが、郵便局で居眠りをして、夜中に目を覚ますと、小さな郵便の妖精が
    たくさんいました。
    妖精達は、手紙でトランプをしていました。
    コルババさんも、トランプゲームに参加させてもらいました。
    手紙の中身で、カードの強さが決まっているのです。 一番弱い札は、「いいかげんな、口さきだけの、いわばうそばかり書いてある手紙です。」 次に弱い札は、「お義理の手紙」です。
    強い絵札の最初のジャックは「人を喜ばせたい心から書いた手紙」です。
    その次のクィーンは、「仲のいい親友どうしの手紙」です。
    その上のキングは、「愛の手紙」です。
    最後の一等強いポイントの札は、「人がまごころをこめて書いた手紙です。」
    妖精達は、手紙を上からさわっただけで、どんな手紙かが、だいたいわかります。
    愛がこもっているほど、その手紙は、さわると暖かいのです。

    あるとき、コルババさんは、切手が無く、宛名もない手紙を見つけました。
    その手紙を妖精に見てもらうと、ハートのポイントの一番強いカードだという事がわかりました。
    妖精が、その手紙を額に当てて、中身を見てくれましたが、フランティークという車の
    運転手が、マジェンカという女性に、結婚の申し込みをしている手紙でした。
    二人の住所はわかりません。
    コルババさんは、その手紙をマジェンカに届けるために旅に出ますが、届ける事ができるのでしょうか?


    「長い長いおまわりさんの話」
    おまわりさんが、お姫さまを監禁しているフルダボードという七つ頭の怪物と戦う話と、
    トゥルティナという銀行の書記が、卵からかえった七つ頭のヒドラの子供の面倒をみてあげる
    話です。
    この話も面白いです。

    カレル・チャペックのお兄さんのヨセフ・チャペックの挿絵が楽しいです。
    私の好きな本で、おすすめ本です。

    ベスト3 三銃士 A.デュマ  偕成社文庫 上、中、下   
    「三銃士」は、私が小学校の時に、2番目に好きだった小説です。
    「三銃士」は、偕成社文庫がおすすめです。
     上、中、下と3巻ですが、原作に近い状態なので、大人が読んでも、面白いです。
     短くて、原作を省略してあるものは、物語としての面白さが無くなってしまいます。

     ガスコーニュから身を立てようと出てきた、20才ぐらいの若者の、ダルタニアンの物語です。
     ダルタニアンは、銃士隊の三銃士と友人になります。
     冷静で寡黙なアトス、しゃれ者で見栄っ張りなポルトス、若くてハンサムで、僧侶を目指しているアラミス。
     
     フランス人のリシュリー枢機卿は、フランスの国王と王妃の仲を裂き、王妃を失脚させようと狙っています。
     銃士隊の隊長トレビルと三銃士とダルタニアンは、国王と王妃のために戦います。

     ダルタニアンはボナシュー夫人に恋をしますが、ボナシュー夫人は、リシュリー枢機卿の手先に誘拐されます。
     ボナシュー夫人は、王妃に仕えていて、王妃が、イギリスのバッキンガム侯爵と密会する機会を設けたからです。
     王妃とバッキンガム侯爵の道からはずれた恋です。
     王妃は、バッキンガム侯爵に、国王からもらったダイアの飾り物をプレゼントします。
     バッキンガム侯爵は、イギリスに帰ります。
     その事を知ったリシュリー枢機卿は、フランスで舞踏会を開くことにします。
     王妃に、その舞踏会で、国王から贈られたダイアの飾り物を身につける事を要求します。
     王妃は真っ青になります。
     ダルタニアンと三銃士は、バッキンガム侯爵からダイアの飾り物を返してもらうために、イギリスに
     向けて旅立ちますが、途中には、リシュリー枢機卿の手先が待ち伏せしています・・・・・
     ダルタニアンと三銃士の運命はいかに?
     
     リシュリー枢機卿の手先の、美しい女スパイのミラディーも、色々と暗躍します。
     イギリスで、舞踏会に出ているバッキンガム侯爵に近づき、ダイアの飾り物から2個のダイアを
     気ずかれずに切り取ります。(ダイアは全部で12個です)
     恐ろしい女です・・・・・

     フランスとイギリスが戦争を始める事になります。
     リシュリー枢機卿は、戦争を終わらすため、ミラディーに、バッキンガム侯爵の暗殺を命じます。
     どうなるのでしょうか?

     小説の最後は、ミラディーと三銃士の戦いです。

     恋あり、恋のさやあてがあり、陰謀があり、友情があり、戦いがある小説です。
     小学生の時に、手に汗を握って、夢中で読みました。
     私を小説好きにしてくれた小説と言えます。
     最近、久しぶりに読み返しましたが、面白かったです。
     特に、男の子が、読んで面白いと思う小説でしょうね。
     お母さん、息子さんにすすめてあげてくださいね。

     私の好きな本で、おすすめ本です。


    ベスト4 点子ちゃんとアントン エーリヒ・ケストナ-  岩波少年文庫   
    私は、小学校の時は、学校の図書室で多くの本を読みました。
    図書室には、エーリヒ・ケストナーの本が多く、置いてありました。
    どの小説も面白かったですが、特に、「飛ぶ教室」と、「点子ちゃんとアントン」が好きでした。

    「点子ちゃんとアントン」を、久ぶりに読み返しましたが、やっぱり面白かったです。

    点子ちゃんは、お金持ちの家の一人娘です。
    人の気持ちのわかる、礼儀正しい少女です。
    小学生だと思います。

    お父さんのポッゲさんは、仕事が忙しくて、点子ちゃんを構っている時間がありません。
    お母さんのポッゲ夫人は、社交家で、今日は音楽会、明日は観劇というような毎日で、
    点子ちゃんのことは、ほったらかしです。
    点子ちゃんの家には、家政婦の太っている女のベルタさんと、点子ちゃんの家政婦のアンダハトさんがいます。
    ベルタさんは、気のいい女の人です。
    アンダハトさんは、ノッポでやせっぽちの女の人です。
    アンダハトさんは、怪しい人間です。
    アンダハトさんの彼氏のローベルトは、悪い人間です。

    ポッゲさんが家に帰ってくると、点子ちゃんは、リビングの壁に向かって
    ひざをかがめて、ふるえる声で言っていました。
    「マッチは、マッチはいかがですか?そこのだんなさま、奥さま」
    「わたしども貧しい者を、あわれとおぼしめせ。ひと箱たったの十ペニヒ」
    ボッゲさんは、びっくりです。
    点子ちゃんは、なぜこんな事をやっているのでしょうか。

    点子ちゃんは、少年のアントンと友達です。
    アントンは、お母さんと二人暮らしです。とても貧乏です。
    お母さんが病気で寝ているので、アントンが食事を作っています。

    アントンは腕っぷしが強いのです。
    点子ちゃんをおどそうとした、少年のクレッパーバインをパンチでやっつけます。

    アントンは、夜に街角に立って、靴ヒモを売っています。
    家計を助けるためです。
    それで寝不足になり、学校で居眠りしてしまい、担任のブレムザー先生に怒られますが、
    居眠りする理由は先生には絶対に言わないと、点子ちゃんに言います。
    アントンが、宿題もちゃんとしてこないので、ブレムザー先生は、アントンのお母さんに
    手紙を書くと言います。
    真相がばれると、靴ヒモ売りができなくなり、家計を助ける事ができなくなるので、
    困ったとアントンは思っています。
    点子ちゃんは、ブレムザー先生に会いに行きますが・・・・・

    ローベルトは、アンダハトさんに、ボッゲさんの家の見取り図を書かせます。
    ローベルトは、ボッゲさん一家が留守にしている間に、ボッゲさんの家に泥棒に入りますが、どうなるのでしょうか?

    面白い物語が、息をつかせない感じに展開していきます。
    点子ちゃんやアントンがいきいきと描かれています。
    小学生の男女なら、わくわくして読むと思います。

    エーリヒ・ケストナーが大人になっても、少年の頃の気持ちを持っていたから
    このような小説を書けたんだと、私は思っています。

    私の好きな本で、おすすめ本です。
    ベスト5 秘密の花園 F・H・バーネット  福音館文庫   
    この本も、小学生の時に大好きだった本です。
    主人公は、10才の女の子のメリー・レノックスです。
    やせ細った小さな体、気難しい顔つきをした女の子です。
    インドで暮らしていましたが、両親がコレラで死んでしまい、
    イギリスに住む、おじのアーチボルド・クレーブン氏に引き取られます。
    クレーブンは、ミセルウェイト屋敷に住んでいます。
    ミセルウェイト屋敷には、部屋が100も有り、召使が大勢いて、
    まわりを広い庭園がとりかこんでいます。

    メリー・レノックスは、わがままで、かたくなな女の子でした。
    服も召使に着せてもらうような人間でした。
    でも、ミセルウェイト屋敷に暮らすようになり、庭園を歩きまわったり、マーサという若い女中と話をしたり、
    マーサの弟で、自然としたしみ、鳥やリスと心を通わすことのできるディッコンと話をしたりするうちに、
    少しずつ心と体に変化があらわれてきます。
    血色が良くなり、体が少し太ってきて、わがままな心も、少しおさえることができるようになってきました。
    インドでは、まわりの全てが嫌いだったのですが、ミセルウェイト屋敷に住むようになってから、
    コマドリや、マーサやディッコンの事が好きになってきました。

    おじのクレーブンは、背中が曲がっています。
    陽気な人間だったのですが、愛する妻が事故で死んでから、心を閉ざした、
    気難しい人間になってしまいました。妻が愛した庭園の入り口の鍵を、地中に埋めてしまいました。

    メリー・レノックスは、コマドリに導かれて歩いている時に、鍵を拾います。その鍵でドアを開けて入ると、
    さびれた庭園でした。メリー・レノックスは、この庭園を生き返らすことを決心します。
    そうです、この庭園が秘密の花園です。

    メリー・レノックスは、ミセルウェイト屋敷の中で泣き声を聞いて、どこから泣き声がするのか、
    屋敷の中を探検しますが・・・・・・・

    わくわくする小説です。
    人間や自然、小鳥達を好きになり、心を開くことの大切さを教えてくれる小説です。
    おすすめ本で、私の好きな本です。

    ベスト6 ロビンソン・クルーソ D・デフォー 福音館書店   
    私が小学生の時に、3番目に好きだった小説です。
    今、読み返してみて、大人が読んでも面白い小説だという事がわかりました。

    両親の反対を押し切り、航海に出かけたロビンソン・クルーソ。
    暴風にあって、舟は転覆して、ロビンソン・クルーソ一人が助かり、
    無人島に漂着します。
    無人島に漂着してからは、ロビンソン・クルーソのサバイバル生活が始まります。
    木をけずって、スコップを作ります。

    テントで家を作り、まわりを柵で囲い、木と木の枝で屋根を作ります。
    野生のヤギを鉄砲で撃って、その肉を食べます。
    大麦と米の種が有ったので、それを蒔いて、それを育てて、収穫します。
    テーブルと椅子も、自分で作ります。
    ブドウを乾燥させて、干しブドウにして、食べます。

    粘土をこねて、火で焼いて、土器を作ります。
    土器の鍋を作ったので、シチューを作れるようになりました。
    麦を粉に挽いて、パンを焼きます。

    十分でない道具から、色々と欲しいものを作っていく姿には、感動を覚えます。
    物を作ることの原初的な喜びを感じます。
    ヤギをつかまえてきて、囲いの中で飼って、食糧に困らないようにします。
    ヤギの乳から、バターやチーズも作るようになります。
    全て、ロビンソン・クルーソが考えて、工夫して、作ったのです。
    木の枝で、籠も作ります。
    丸木舟も作ります。

    オウムをつかまえてきて、言葉を教えて、話すようにします。
    海亀を捕まえて、その肉と卵を食べます。

    最初は、神を信じずに、恨んでいたロビンソン・クルーソですが、次第に、現状に感謝するように
    なってきます。
    聖書も読むようになります。

    捕虜になっていたフライデーを助けてやってから、フライデーは、信頼できる従僕になります。
    捕虜になった船長を助けてから、物語は、最後のクライマックスを迎えます。
    ロビンソン・クルーソは、無人島を脱出できるのでしょうか・・・・・・・

    長い小説ですが、大人の私が読んでも、わくわく、どきどきでした。
    特に、男の子におすすめです。

    サバイバルの知恵、物を作る喜び、現状に感謝する気持ち、フライデーとの間の愛情等々、
    多くのことを教えてくれる本です。
    用心深く行動する事の大切さも教えてくれます。

    私の好きな本で、おすすめ本です。

    ベスト7 長ぐつをはいたねこ ペロー童話集 偕成社文庫   
    童話では、ペロ-童話集がおすすめです。
    特に、偕成社文庫のこの本は、幻想的で少し不気味な挿絵が良いです。
    童話は、少しこわいぐらいの方が、想像力が刺激されて良いのです。
    心の深い所に、物語が入っていきますから。
    この本の物語には、仙女や人食い鬼が出てきます。
    小学生のお子さんが、この本を読んで、夜寝るのがこわいと言ったら、
    お母さん、1日だけは、子供さんと一緒に寝てあげてくださいね。

    この本は、「ねむれる森の美女」、「赤ずきん」、「青ひげ」、「長ぐつをはいたねこ」
    「仙女」、「シンデレラ」、「まき毛のリケ」、「親指太郎」の物語が書かれています。

    私は、「長ぐつをはいたねこ」と「まき毛のリケ」が、特に好きです。

    「長ぐつをはいたねこ」は、かしこいねこが、飼い主の末っ子の男のために、知恵をはたらかして
     活躍して、末っ子の男を出世させて、王女と結婚させる話です。

    「まき毛のリケ」は、みにくく、顔がまずい男のリケの話です。
    リケは、とても知恵のある男で、じぶんがいちばん愛する人に、じぶんがもっているのとおなじだけの
    ちえをあげることができます。

    リケのとなりの国のおきさきさまが生んだむすめは、とっても美しいのですが、頭がばかです。
    このむすめは、じぶんが気にいった人をうつくしくするという力をもっています。
    このむすめが、自分がばかなのをなげいていると、リケが「私と結婚してくれるなら、ちえをあげます」と
    むすめに言います。むすめは1年後に結婚することを約束して、ちえをもらいかしこくなります。
    1年たって、むすめの結婚するという気が変わりそうなのですが・・・・・


    物語のさいごにおしえが書かれていますが、これが面白いです。

    「長ぐつをはいたねこ」のおしえです。
    親から子へとうけつがれる
    たいそうなざいさんは
    なるほどとくなことではありますが
    一般に、わかいひとたちにとっては
    ちえがあったり、世わたりのかけひきがうまいほうが
    たなぼたでもらったざいさんよいも、
    ずっと価値があるものなのです。

    「まき毛のリケ」のおしえです。
    愛があれば、どんなものでもうつくしくみえ
    愛する人は、おりこうさんにみえるものです。

    もうひとつのおしえ
    うまれつきのうつくしい顔だちや
    芸術もおよばない
    いきいきとした顔色など
    このようなしぜんのおくりものも、
    愛すればこそみつけだした
    目にみえないたったひとつのみりょくにも
    かないません。

    私の好きな本で、おすすめ本です。


    ベスト8 あしながおじさん  J・ウェブスター  福音館文庫   
    小学生の女の子向けの本を紹介しようと思って、「あしながおじさん」にしようか、「若草物語」にしようか
    迷いました。「あしながおじさん」を紹介します。
    「あしながおじさん」、「若草物語」を読んだ人は、中学生になって、「続あしながおじさん」と「続若草物語」を
    読むようになると思います。(私は読みました)


    孤児で孤児院で暮らすジェルシャー・アボットは、高校を卒業すると、裕福な評議員で背の高い
    ジョン・スミスさん(ニックネームはあしながおじさん)の援助で、大学に行かせてもらえることになります。
    1月に1回、勉強のことや日常生活のことを、ジェルシャー・アボットがジョン・スミスに手紙で知らせることを
    要求されます。
    ジェルシャー・アボットの大学生活が始まります。寮生活で一緒の女友達は、裕福な家庭の子ども達ばかりです。
    ジェルシャーは、常識が無いので、最初はとまどいます。
    クラスメートがミケランジェロのことを話題にしても、全然わからなかったり。

    わたしたちは土曜の夜に帰ってきました。
    夕食は食堂車でとりました。
    小さなテーブルには、ピンク色のランプが置いてあって、黒人のウェーターがそばに控えているんです。
    汽車の中で食事ができるなんて話、聞いたことがなかったものですから、
    わたしはうっかりそういってしまいました。
    「あなた、いったい、どこでお育ちになったの?」
    とジュリアがわたしにききました。
    わたしはおずおずと「いなかのほう」って答えました。
    そしたら、「でも旅行なさったことないの?」ってきくんです。
    まったく、ジョングリア・ホームみたいな所で18年も暮らしてきて、
    とつぜん「しゃば」にほうりだされると、目がくらむのはあたりまえです。


    でも、ジェルシャーは、段々と学校生活を楽しめるようになってきます。
    1月に1回手紙を書く約束ですが、5日に1回ぐらいの割合で手紙を書いて出します。

    最初の試験で、数学とラテン語で落第点をとってしまいますが、追試で合格します。
    ジェルシャーは、学生生活や休暇中の農場生活を手紙にして、ジョン・スミスに報告します。
    ジェルシャーは、国語が得意で、作家になるべく小説を書きます。
    また、成績優秀で、大学から奨学金をもらえるようになります。
    奨学金をもらう事に、ジョン・スミスは反対しますが・・・・・
    作家としての才能も、徐々に開花してきます。

    「あしながおじさん」を魅力あるものにしているのは、何といっても、
    ジェルシャーの真っ直ぐで、優しく明るい人間性です。
    魅力のある女性です。
    自分を卑下することなく、努力する頑張り屋さんです。

    そして、最後に、驚く結末が待っていますが、それは何でしょう・・・・・・・
    読んでのお楽しみです。

    私の好きな本で、小学生のおすすめ本です。

    ベスト9 アラビアン・ナイト上/下  ディクスン編  岩波少年文庫  
    小学生の時に、外国のスケールの大きな物語を読むと良いと思います。
    異国の地に思いを馳せ、想像力がかきたてられます。
    「アラビアン・ナイト」と「西遊記」を、私は特におすすめします。
    ランプをこすると魔人が現れたり、棒をふりまわす猿が、雲に載って空を飛んだり、読んでるだけで、わくわくします。
    ここでは、「アラビアン・ナイト」を紹介します。


    面白い話がたくさんありますが、上巻の「船乗りシンドバッドの航海」、「アラジンと魔法のランプ」、
    下巻の「アリババと40人の盗賊」が、特に面白いです。

    [船乗りシンドバッドの航海]
    1回目の航海から7回目の航海までの話が書いてあります。
    シンドバッドは、航海でひどい目にあうので、もういくまいと思うのですが、しばらくするとまた航海に行き、
    商売したくなります。
    男にとって、危険の有る冒険は、いつも心を魅惑するものです。
    シンドバッドの乗る船はたいてい難破して、シンドバッド達は島にたどりつきます。
    そこで人食い巨人や人食い黒人や海坊主につかまります。
    シンドバッド以外の人達は、ほとんどの人が食べられたり殺されたり、飢え死にしたりします。
    シンドバッドは、毎回、なんとか生き延びて、バグダッドに帰ってきます。
    その生命力と運の力はすごいです。
    航海で財産を築き、ゆったりと生活できるのに、また航海に行きたくなり、出かけるシンドバッドです。
    男って、危険とわかっていても、冒険旅行に行きたくなるんだよね。


    [アラジンと魔法のランプ]
    アラジンは不良少年でした。
    魔法使いに洞窟に閉じ込められてしまいますが、指輪の魔人に助けてもらいます。
    洞窟で魔法のランプを手に入れました。
    ランプの魔人は、なんでもアラジンの命令を聞いてくれます。
    あるとき、アラジンは、皇帝のお姫さまに一目ぼれしてしまいます。
    どうしてもお姫さまと結婚したいと思います。
    アラジンは、お母さんにも自分の想いを伝え、協力を依頼します。
    アラジンは、王様に献上するための宝石を持ってくるように、ランプの魔人に命じます。
    アラジンの願いはかなうのでしょうか?


    [アリババと40人の盗賊]
    アリババは、40人の盗賊達がうばった金銀財宝を隠している洞窟に入る方法を知ります。
    「開けゴマ」というと、入り口があき、中に入れるのです。
    アリババは、洞窟に入り、金銀財宝の一部を持ち帰ります。
    それを知った盗賊は、アリババに復讐しようとします。
    アリババは窮地におちいりますが、奴隷女で賢いモルジアーナが機転を働かせます。
    アリババはどうなるのでしょうか?


    ペロー童話集を真似て、私がおしえを書いてみました。

    「船乗りシンドバッド」のおしえです。
    毎回、痛いめにあっても、時がたてば、危険な冒険に出かけたくなる、
    男とはそういうものです。
    運が強いということは、人生で大きな力になります。
    ただ、シンドバッドが毎回生き延びたのは、シンドバッドが、財産の多くを貧しい人達に
    施したことと無関係とは思えません。

    「アラジンと魔法のランプ」のおしえです。
    身分が違っていても、好きになった人と一緒になりたいという強い想いが有れば、
    魔人が力を貸してくれることもあるのです。
    アラジンは、邪悪な命令を1回たりとも魔人にはしませんでした。
    お母さんも息子の真剣な想いには、力を貸したいと思うものです。

    「アリババと40人の盗賊」のおしえです。
    その人の事を思って、力を貸してくれる、頭が良く、機転のきく、
    部下や従僕は、何ものにもかえがたい宝です。
    ピンチの時に冷静に対処してくれます。
    時には、命を救ってくれることもあります。
    最大限に報いてあげましょう。


    ベスト10 クマのプーさん  A.A.ミルン  岩波少年文庫  
    第10位は、クマのプーさんです。
    小学校の頃、大好きだった本で、今でも好きです。
    プーさんやコブタは、頭が良くはありません。
    というより、悪いかもしれません。
    でも、それをどうこう思っていないし、自分を卑下しないし、毎日を幸せにすごしています。
    頭が悪い、働きが悪いと言われてリストラされる、今の日本と対極にある世界に住んでいます。


    イーヨのお誕生日に、プーとコブタが誕生祝いをあげる話は、こちらです
    よろしければ、ご覧ください。
    「プー横丁にたった家」の中の、クリストファー・ロビンが子供の世界を卒業して、
    プー達に別れをつげる話は、こちらです。
    よろしければ、ご覧ください。

    紹介済みの話が2つあるので、「クマのプーさん」から、それ以外の話を紹介します。

    [プーがお客にいって、動きのとれなくなるお話し]
    プーが土手の穴が入口のウサギの家に遊びに行きます。
    プーは、ウサギの家でパンを食べた後に、穴から出ようとしますが、
    体が穴にはさまってしまい、前にも後ろにも行けなくなりました。
    クリストファー・ロビンはプーに1週間の絶食を命じ、その間、プーに本を読んであげます。
    1週間後に、クリストファー・ロビンやウサギやウサギの親戚一同がプーの体をつかんで
    穴から引っ張りだそうとしますが、抜けるのでしょうか?

    [コブタがぜんぜん、水にかこまれるお話し]
    木の穴の中の家に住むコブタは、大雨が降り続いて、孤立してしまいます。
    コブタは泳げません。
    コブタは、「たすけてください。コプタ」と紙に書いて、その紙をビンに入れ、ふたをして、
    窓から外に放りなげます。

    プーの家は、水浸しになってます。
    ビンが流れついたので、プーはそれを拾います。
    中には手紙が入っていますが、プーは字が読めません。
    家の外は川になってしまっています。
    クリストファー・ロビンに字を読んでもらう必要があります。
    つぼにふたをして、そのつぼにつかまって、クリストファー・ロビンの家まで流されていきます。
    そのつぼを「浮かぶクマ丸」と名づけました。

    クリストファー・ロビンは、手紙を読んで、コブタが窮地にいるのを知ります。
    助けに行きたいが、まわりが川になってるので、困りました。
    プーが提案します。
    「あなたのコウモリに乗っていけば、いけるな」
    コウモリがさを川に浮かべて、プーとロビンが乗ればいいという提案です。
    ロビンは、口をあけ、目をみはって、これがほんとに、あんなにながいあいだ、じぶんが知っていた、
    そしてかわいがっていた、あの頭のわるいクマなのかとおどろきながら、
    じっとプーを見つめるばかりでありました。

    ロビンとプーは、コウモリがさの舟に乗って、コブタの家に行き、
    コブタを助けます。


    [クリストファー・ロビンが、プーの慰労会をひらきます]
    ロビンが、大水の時にコブタを助けたプーさんを慰労するため、お茶の会を開きます。
    プー、コブタ、イーヨー、ウサギ、フクロ、カンガとルー、ロビンが集まりました。
    ロビンがプーにプレゼントを渡します。
    鉛筆の入った鉛筆ケースでした。
    プーは大喜びです。

    それからしばらくして、みんなそろって、クリストファー・ロビンに「さよなら」と「ありがとう」を
    いったあとで、コブタとプーは、夕方の金色にかがやく光のなかを、かんがえにふけりながら、いっしょに
    家のほうへむかって歩いていきました。
    ふたりは、ながいこと、なんにもいいませんでした。
    が、とうとう、コブタがいいました。
    「プー、きみ、朝おきたときね、まず第一に、どんなこと、考える?」
    「けさのごはんは、なににしよ?ってことだな」と、プーがいいました。
    「コブタ、きみは、どんなこと?」
    「ぼくはね、きょうは、どんなすばらしいことがあるかな、ってことだよ」
    プーは、かんがえぶかげにうなづきました。
    「つまりおんなじことだね」と、プーはいいました。


    エーリヒ・ケストナーが何かの文章で
    「おいしい朝食は、人生最大の喜びの一つである」と言っていました。
    毎日、朝食を食べれることを感謝し、喜ぶべきですね。
    そういう気持ちで、喜びの人生を送りたいものです。
    今の人生に感謝し、喜ぶこと、それをプーさんは、教えてくれます。(H.P作者)



    ベスト11 星の王子さま サン・テグジュペリ  岩波少年文庫  
    私が小学生の時に大好きだった本で、今でも好きな本です。
    久しぶりで読み返しましたが、今も変わらず、感動しました。
    小学生には少し難しい本かもしれませんが、是非、小学生に読んで欲しい本です。
    心の深いところに沈んでいき、思わぬ時に心の上に浮上してくる物語です。

    小学生の時のH.P作者は、2ページめで、ガツンと驚きました。
    帽子にしか見えない絵が描かれていますが、それが、なぜ象をのみこんだ、うわばみの絵なのか?
    星の王子さまは、なぜ一目でそれがわかるのか?

    サハラ砂漠に飛行機が不時着して困っている私は、そこで星の王子さまに出会います。
    星の王子さまは、小さい星に住んでいました。
    一輪のバラの花が咲いたのですが、バラの花は、その美しさを鼻にかけて王子さまを苦しめます。
    また、そのきまぐれな言葉で王子さまを苦しめるので、王子さまは、自分の星を離れて旅をすることにします。

    色々な星の色々な住人と話をしてから、王子さまは地球に来ます。
    王子さまは、地球でキツネに出会い、いろいろなことを教えてもらいます。
    王子さまは、地球でたくさんのバラの花が咲いているのに驚きます。
    キツネは言います。
    「もう一度、バラの花を見にいってごらんよ。あんたの花が、世の中に一つしかないことがわかるんだから。」
    王子さまは、地球のバラの花を見て、言います。
    「あんたたちは美しいけど、ただ咲いているだけなんだね。あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。
     ぼくのあの一輪の花が、ぼくには、あんたたちみんなよりも、大切なんだ。
    だって、ぼくが水をかけた花なんだからね。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    不平も聞いてやったし、じまん話もきいてやったし、だまっているならいるで、時には、どうしたのだろうと、
    きき耳をたててやった花なんだからね。」

    キツネが言います。
    「おくりものにする秘密をいおうかね。
    なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
    かんじんなことは、目に見えないんだよ。」


    王子さまは、ぼくがきいたことには答えないで、こういいました。
    「たいせつなことはね、目にみえないんだよ・・・」
    「うん、そうだね」
    「花だっておんなじだよ。もし、きみが、どこかの星にある花がすきだったら、夜、空を見上げる
    たのしさったらないよ。どの星も、みんな花でいっぱいだからねえ」
    「うん、そうだね」
    「夜になったら、星をながめておくれよ。ぼくんちは、とてもちっぽけだから、どこにぼくの星があるのか、きみに見せるわけには
     いかないんだ。
     だけど、そのほうがいいよ。きみは、ぼくの星を、星のうちの、どれか一つだと思ってながめるからね。
     すると、きみは、どの星も、ながめるのがすきになるよ。星がみんな、きみの友だちになるわけさ。」

    王子さまは、地球に来てから一年後に、ある方法で、自分の星に帰っていきます。
    どんな方法で帰っていくのでしょうか?
    王子さまは、まじめな顔になっていいました。
    「今夜はね、やってきちゃいけないよ」
    「ぼく、きみのそば、はなれないよ」


      人やキツネやバラの花を愛するとは、どのようなことかとか、大人になると、どんな大切なことを失くしてしまうのかとか、
    色々なことを考えさせてくれる物語です。
    自分にとって、唯一の存在とは、どのような存在なのか?
    小学生には、すこし難しい話だと思いますが、心の奥深くに到達する物語だと思います。
    そして、折に触れて、心の上に浮上してきます。
    大人の私も、この物語の全てを理解しているわけではありません。
    しかし、物語を、心で感じていれば、良いのです。
    心で感じるって、頭で理解することより大切だと思います。
    私も、突然に、キツネの言葉が、心の底から浮かび上がってきます。
    「かんじんなことは、目に見えないんだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないんだよ。
     迷ったら、自分の直感に従いなさい。(これは、私のつけたしです。)」


    ベスト12 緋色の研究 コナン・ドイル  偕成社文庫  
    第12位は、コナン・ドイルの「緋色の研究」です。
    御存じ、名探偵シャーロック・ホームズの登場です。
    小学生5、6年の男の子には、是非読んでもらいたいです。

    私は、最近読み返しましたが、とても面白かったです。
    偕成社文庫の児童書は、原文に忠実なので、大人の読者が読んでも
    面白いです。

    医学者のワトソン博士とシャーロック・ホームズが出会って、アパートで
    共同生活を始めるいきさつが書いてあります。
    シャーロック・ホームズは長身で痩せていて、ワシ鼻で意志の強さを感じさせる男です。
    化学の実験に熱中すると、一日中やっています。
    かと思うと、一日中、放心したように、ソファで横になっている事もあります。
    一日中、バイオリンを弾いていることもあります。
    興味のある分野の知識はとても詳しいのですが、文学や哲学や天文学の知識はゼロです。
    化学や毒物や法律や事件については、ひどく深い知識を持っています。

    顧問探偵がホームズの職業です。
    人を見ただけで、その人の経歴や現在の職業を当てる、深い観察眼に、ワトソンは舌をまきます。
    ワトソンを一目見ただけで、ホームズは、ワトソンが、アフガニスタンで従軍していた軍医であることを
    見抜きます。
    ホームズは、観察力と推理力をきたえているのです。
    ワトソンが作家ガボリオのルコック刑事を話題にすると、ホームズは言います。
    「ルコックなど、へまばかりしていて、とても刑事とはいえないね。
    とりえといえば、精力しかないじゃないか。
    欠陥探偵の見本だね。」

    ドレッパーが、空き家で殺されるという事件がおこります。
    ドレッパーには、外傷はありません。
    あたりには血が飛び散っていて、壁には血文字のドイツ語で
    「復讐」と書かれていました。
    グレグスン警部とレストレイド警部はお手上げで、
    ホームズに助けを求めて、尋ねてきます。

    ホームズの推理はさえわたります。
    ホームズは、色々と行動します。
    殺人事件の犯人のジェファースン・ホープをついに逮捕します。

    ジェファースン・ホープの口から、悲しい物語が語られます。
    婚約者の女性とその父親を殺されたので、復讐のために
    長い間、ドレッパーとスタンガンを追っていたのです。
    「復讐をとげたので、つかまっても悔いは無い。
     私に残された命は少ないんだ。」とジェファースン・ホープは言います。

    「緋色の研究」を読むと、推理小説の魅力に魅了されると思います。
    シャーロック・ホームズはすごい探偵です。
    ワトソンとのコンビは、とても息が合っています。
    この本を読むと、推理小説のファンになると思います。
    中学生になると、大人向けの本で、コナン・ドイルやアガサ・クリスティや
    エラリー・クイーン等の推理小説を夢中で読むようになると思います。(私はそうでした。)

    今でも、イギリスのベーカー街に、シャーロック・ホームズを尋ねていく人が多くいるそうです。
    それぐらい、今でもシャーロック・ホームズは人気が有ります。


    ベスト13 不思議の国のアリス ルイス・キャロル  岩波少年文庫  
    第13位は、不思議の国のアリスです。
    小学生5,6年生の女の子におすすめです。
    アリスというと、チョッキを着た白うさぎや、笑いネコで有名ですよね。

    最近読み返しましたが、ナンセンスな話や歌が多く、語呂合わせなどもでてくるので、
    小学校の低学年生には、すこし読むのがきついかなと思いました。

    またアリスって、すなおで可愛い女の子ではありません。
    わりあい気が強くって、いいたいことをずばずばいいます。
    相手の神経を逆なでするようなことも、平気で言います。

    アリスは、うさぎの穴に落ちます。
    すると、そこには不思議な世界が登場します。
    ネズミやアオムシと話をしたりします。
    きのこをかじると、体が大きくなったり、小さくなったりします。
    体が大きいときに泣いた涙で池ができ、体が小さくなってから、その池を泳いだりします。

    アオムシが言いました。
    「もう年だろにウイリアムおやじを暗唱してごらん」
    アリスは両手を組み合わせて、暗唱をはじめました。

    「もう年だろうに、ウイリアムおやじ」
    若い息子がそう問いかけた
    「すっかり白髪になったじゃないか
     そのくせまいにち逆立ちざんまい
     年甲斐ないとは考えないか?」

    ウイリアムとっつあん 息子に答え
    「若いころには 逆立ちしたら
    頭に悪いと心配したが
    頭が空だとわかったいまじゃ
    なんべんやろうと平気のへいざ」


    アリスは、木の枝にいる笑いネコに出会います。
    「ところで赤ん坊はどうした?」とネコは言いました。
    「豚になったわ」アリスは、ネコがごくふつうにもどってきたかのように、
    落ちついてそう答えました。
    「だろうと思った」とネコは言い、またパット消えました。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ふと顔を上げると、すぐ前の木の枝の上に、またさっきのネコがいました。
    「豚だっけ、むだだっけ?」と、ネコは言いました。
    「豚よ」と、アリスは答えました。
    「ねえ、そんなにパット消えたり出てきたりしないでもらえないかしら。
    頭がくらくらしちゃうわ」
    「わかった」と、ネコは言いました。
    そして今度は、尻尾のほうからはじめて、ゆっくりゆっくり消えていき、
    しまいにはにやにや笑いだけが残って、しばらく枝の上に浮かんでいました。


    アリスは、きちがい帽子屋のお茶会に参加します。
    3月うさぎとヤマネもいます。
    帽子屋も3月うさぎもヤマネも話す内容が無茶苦茶で、
    何の事を言っているのか、さっぱりわかりません。


    アリスは、トランプの女王のクリッケット会に参加します。
    ボールは生きているハリネズミで、それを打つ槌は生きているフラミンゴです。
    ボールをくぐらせるアーチの役をしてるのは、身体を二つに曲げて、両手と両足を地面につけた
    トランプの兵隊です。
    ハリネズミやフラミンゴはじっとしていないで、逃げていくので、なかなか試合になりません。
    トランプの女王は、何かというと、「こやつの首をはねろ」と命令します。


    トランプの女王が作ったタルトのお菓子を、ハートのジャックが盗んだという疑いで、
    裁判が始まります。
    無茶苦茶な裁判です。
    結果はどうなるのでしょうか?

    体が大きくなったり、体が小さくなったり、頭が家の屋根を突き破りそうになったり、
    笑い猫が話をしたり、トランプの女王や兵隊が話をしたり、イメージを豊かにするのには
    とても良い童話だと思います。
    アリスの会話も楽しいです。

    でも、話や歌が荒唐無稽なので、小学生低学年の女の子には、少しきついでしょう。
    小学生5、6年生の女の子には、とても楽しめる作品だと思います。




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